おてんき・かがく

1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11

Q. ロボットが人間ぐらいの動きになるにはあと何年くらいかかるんですか? 小6・男
A. ロボットは今歩くまでになっていますが、まだ問題もあります。
まず転んでしまったときに壊れてしまったり、壊れなくても転んだまま立ち上がれなくなったりしてしまうんですね。
「腕」ロボットに関しては、かなりいいロボットが出てきています。
人がさわればちゃんとさわった方に動くものもあるし、手術に使う腕ロボットは人間より細かい動きができるようになっていますし、部分的にはかなり進歩してきているんですね。
でも、全体的に組み上げて人間の体と同じようにするには、まだ時間がかかると思います。
私としては、10年から20年ぐらいではないかな、と思っていますが、最近はロボット研究者も増えていますからもっと早いかもしれません。
現状ではもちろんいくつか問題もあって、例えば今のロボットはほとんどモーターで動いているんですが、モーターってぐるぐる回る動きなんですね。
しかし、人間の筋肉はぐるぐる回らないで、伸びたり縮んだりするだけです。
ですから、モーターに代わる新しいものが開発されれば、今までの腕や足と違ったなめらかな動きもできるようになります。
あと、今は人間のような動きをロボットにさせようと思うと、人間がその動きを教えなくてはいけません。
でも人間同士だったら、わざわざ教えなくても見ているだけで勉強できちゃうよね。
そういう勉強ができるような頭脳を持たせなくてはいけませんね。
でも、道具はだんだん出来てきていると思うので、キミが大きくなって、勉強していろいろ研究してくれるとうれしいな。
ロボット博士・橋本 周司 先生
Q. バーコードはなんで赤いランプに当てると「いくら」って分かるんですか? 小1・男
A.

バーコードを見たときに、品物が違うとバーコードが違うって分かった?

こども:はい

比べてみると違うんだよね。線の太さが違ったり、間隔が違ったりするんです。
で、あれがどうなっているかというと、品物の種類ごとに全部模様が違っているのね。それで、そのバーコードの太さや間隔を見ると、どの品物か分かるようになっているの。

もっと詳しく言うと、赤い光を当てると、光というのは白い部分には反射するんです。でも黒いところには反射しないの。そうやってバーコードの形を見分けるのね。
それで、見分けたらどうするかと言うと、レジにある機械がその品物の番号を読みとるの。この機械の中には「この番号はいくら」って一覧表みたいなのが入っていて、機械は一覧表の中からその番号の値段を見つけ出すわけね。だから、バーコードを光に当てるだけで「この商品はいくらですよ」って分かるようになっていて、レジの人はキーボードを打たないでもいいようになってるんです。もし品物の値段が変わっても、機械の中にある一覧表の値段を変えるだけでいいんで、品物には作るときに固有のバーコードを付けてしまえばいいんです。

そういう仕組みですね。わかったかな?


ロボット博士・橋本 周司 先生
Q. どうしてコマは回るんですか? 小5・おんな
A. 物というのは外から力が加わらない限り、動き出したらそのままの運動をずーっと続けるという性質があるんです。
この性質を難しい言葉で「慣性(かんせい)」というんですが、もし真空の中でコマを回すと、コマはこの慣性の力でずーっと回り続けるの。
地球上、例えば机の上で回すと机の上の摩擦(まさつ)があるし、厳密に言うと空気にも抵抗があるの。だからちょっとゆるく回すとすぐにコマは倒れちゃうよね。ある一定の力で回さないとコマは回りません。
でも、いくら速く回しても、摩擦などの抵抗に負けて、いずれは止まってしまうよね。
で、実はコマの原理は宇宙でも使われるんだ。
ロケットとか人工衛星は体の向きを保つためにコンピュータにおぼえさせておくのね。
その時、姿勢をコントロールするために使うのが「ジャイロ」というコマの仲間なんです。
コマの原理はそういうものにも使われているんです。
つまり、遊びが宇宙で大切な役割を果たしてるんだよ。おもしろいよね。
でも、その研究している学者さんの中で、コマを回せない人がいたのよ。
計算なんかは何でも出来る天才的な人なのに、それでもコマを回せないの。私は一緒に仕事をしている仲間としてね、計算なんか出来なくてもコマを上手に回せる人の方を信じるね。
だからそういうことはぜひ自分で出来るようになって欲しいですね。
宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生
Q. 人工衛星とかの機械は2000年になって振り出しにもどっちゃうと、どうして止まってしまうんですか? 小5・おんな
A.

2000年問題はいろいろ心配されているけど、おもに、コンピューターのプログラムの問題なんだよね。

たとえば人工衛星のコンピューターなんかも、今が何年の何月何日何時何分何秒っていうのをいつも判断しています。で、僕たちは1999年のことを簡単に99年って言い方をすることがあるでしょ。それと同じように、むかし作ったプログラムが、4ケタじゃなくて2ケタで判断するようになっていると、2000年になったとたんにくるっちゃうんですね。00年になったことで1900年とまちがえることがあるかも知れないの。だから、たくさんある中のどこかのプログラムがそういうまちがいをしちゃうと、全部の機械がおかしくなって動かなくなることがあるんですよ。人工衛星も、落ちちゃうわけではないけど、ちゃんと役割を果たせなくなるんだよね。

たとえばスペースシャトルでは水を燃料電池で作っているんだけど、それを動かすためのコンピュータが止まったりすると、水を作ることができなくなっちゃうの。そうすると、スペースシャトルに乗ってる人たちは飲む物がなくてこまっちゃうよね。そのために、水も予備を持って行ったほうがいいかなとか、そういう心配をしているんです。

僕たちの研究所ではいま人工衛星が6つ飛んでいるんだけど、それぞれに積んでいるコンピュータのソフトウェアを一生懸命点検しているところなの。でもコンピュータのプログラムというのは100パーセントこれで大丈夫、ということは言えないんですよ。だからいろんな場合のことを考えて、世界中が一生懸命、点検しています。


宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生
Q. なんでロボットは変な格好で動くんですか? 5歳・おんな
A.

変な格好というのは、人間が歩くときの格好とちょっとちがうということかな?

こども:はい

うん、たしかに人間から見たら、ぎこちなくて変かもしれないけれど、ロボットもいっしょうけんめい歩いているんだよね。それで、どうして人間とちがった動きになるかというとね、ロボットにも手や足があるでしょ。その手足が、人間とはちょっと違った付き方をしているの。そうするとね、自分の持っている手足の形の中で、いちばん上手に歩いたりするにはどうしたらいいかなってことを、ロボットはいろいろ考えて歩くわけ。

たとえば人間でもちっちゃい赤ちゃんがいるでしょう。赤ちゃんの歩き方っていうと、まあ、歩くというより、手と足を使ってハイハイをするけど、ハイハイの動き方っていうのは、大人の人間がするのとはちがうよね。それはどうしてかっていうと、赤ちゃんが使える手と足で、どうやったらいちばん上手に動けるかってことを、体が考えて動かしているからなんです。赤ちゃんと大人では、手足の力、発達の仕方がちがうから、動き方もちがうんですね。

それと同じように、ロボットも自分が持っている道具を精いっぱい使って、どうやって移動したらいいかな、って考えながら歩くわけです。そうすると、人間とちがう道具を持っているから、歩き方もちょっとちがってくるんだ。それが人間から見ると、変な格好だなって思うことになるのかもしれないね。


早稲田大学理工学部・橋本 周司 先生
Q. どうして海は満ち潮になったり引き潮になったりするんですか? 小5・おとこ
A. 地球に引力があるっていうことは知ってるよね?

同じように月にも引力があって、地球と月でひっぱりっこをしてるんですね。それで、海の水も地球と月の引っ張り合いに合わせて、ある方向に行ったりまた戻ったりします。それが満ち潮と引き潮なんだけど、わかったかな。

おねえさん:満ち潮と引き潮だと、どっちが泳いでいて危ないんですか?

海で泳ぐときは、気象状況や風などにもよるので、満ち潮と引き潮でどちらが危ないかということははっきり言えません。ただ、潮が満ちて、また引きますよね。そういうとき、波が高いと当然、波の力も大きくなりますから、海底に頭を打ったりすることもあって、非常に危険だといわれてます。

それと、引き潮の時には、どうしても海に引きずり込まれるようになってしまうんですよね。やはり潮の変わり目、潮が引くときには、「離岸流(りがんりゅう)」というものができるんですね。これは、波が岸にやってきて、戻っていきますよね。

そういうとき、川のような、沖に向かっていく水の道が出来てくるんです。そこに入ったら、もう戻って来られないんですよ。川の上流に向かって、つまり川の流れに逆らって泳ぐようなものなんです。無理な話ですよね。そういうものが引き潮の時には出来やすくなるので、そこにはまっておぼれてしまう人が多いですね。

ただ、ライフセーバーは、そうやっておぼれてしまった人を助けるために、逆にその離岸流を使うんですよ。急いで行かないといけませんからね。
他にも、ライフセーバーには、波打ちぎわを走るときの走り方があるんです。まっすぐ砂から足を出すんじゃなくて、ちょっと横に抜くような形で出すんです。助けようと思ってから走って泳ぐまでには、いろいろあるんです。ただ泳ぐだけ、ただ走るだけ、というわけでもないんですよ。

わかってくれたかな?
ライフセーバー・鯨井 保年 先生
Q. 今「アイボ」という犬のロボットが、ボールとじゃれてるのをテレビなどで見ますが、どういう仕組みで出来ているんですか? 小6・おんな
A. 僕もあのロボットを買いたかったんですけど、買えませんでした(笑)。

中の仕組みは、企業秘密で教えてもらえないと思うんですけど、多分ですね、ボールを見つけることができるのは、目の部分にテレビカメラが入っていて、丸とか、ボールの形ではなくて、黄色いボールだとか、赤いボールだとかという、ボールの色で見つけられるんだと思います。そして、それを見つけたら、見つかった方に足が向くような仕組みに作っているんですね。さらに、近づくけれどもボールを握ることはできないから、ボールがまたどこかに転がっていっちゃって、またその色を追いかけて行く。そうすると、それがちょうどじゃれている様になるんですね。

今は高い値段ですけれども、おそらくもっともっと何百倍もお金をかけて開発されたんだと思いますよ。もうちょっと待っていると、テレビゲームみたいなもので、体を持っているゲームが出来ると思いますよ。

それとあと、学習能力というのは、初めて会った時には大したことが出来ないんですけれども、遊んでるうちにロボットがだんだん慣れて覚えてきて、上手く応答出来るようになっていくっていう仕組みなんですよ。
ロボット博士・橋本 周司 先生
Q. 試験管は色々な薬品を入れてるのになんで溶けたりしないんですか。 小5・おとこ
A.

キミは試験管は見たことありますよね。
何で出来てるかは知ってますか?

こども:ガラスみたいなもの

うん、ガラスっていうのはねぇ、いろんな薬品に溶けにくい性質があるんです。
だからガラスで試験管を作るわけなんですけど、他に、せとものなんかも、薬品ではなかなか溶けたりこわれたりしないという性質があるから試験管にできるんですよ。でも、試験管は中が見えたほうが都合がいいですよね。だからガラスを使うんです。

それからね、ガラスにも色々な種類があって、窓ガラスなんかは比較的熱に弱くて溶けやすいんです。
だから、試験管に使うのは特別なガラス、例えば「パイレックス」といって、温めてもなかなか溶けないという、非常に強くて質のいいガラスを使っています。こういうガラスを溶かすときには、千何百度という高温で溶かすんです。つまりその温度までは耐えられるということなんですね。ガラスは、混ぜるものによって色々な種類のガラスを作る事が出来るんです。
例えば、光の曲がり方が違うガラスを作る事が出来るので、そういう作り方だと、レンズだとかプリズムに使うガラスを作ることが出来るんですよ。


早稲田大学理工学部 教授・橋本 周司 先生
Q. なんで洋服は、ぬれると色が濃くなるんですか? 6さい・おとこ
A.

キミはどんなときにそう思ったの?

こども:お風呂から出て、パジャマを着ようと思ったら、まだ拭いていないところがあって、そこだけ濃くなったの。

そっかそっか、細かいところまでよく見てるね〜、えらいなぁ。
ほかにも、道路に水をまいたりすると、そこだけ黒っぽくなったり色が濃くなったりするでしょう?あれも同じことなのね。つまり白っぽい色のものほど、ぬれると色が濃く見えるようになるの。逆に、黒っぽいものがぬれても、あまり目立たないよね。
でね、これはどうしてかというと、太陽から光が来るでしょ。で、その光は、ものに当たって、はね返るの。
例えば鏡を使って太陽の光をはね返すと、その、はね返った光が当たったところって、とっても明るくなるでしょう?それと同じように、光は、ものに当たってはね返ってるんです。で、当たるものの色によって、光がはね返る量がそれぞれ違うわけ。
白っぽいものに光が当たると、たくさん光がはね返るので、そのものは白く見えるの。で、当たるものが白ければ白いほど光はたくさんはね返るのね。
でも、逆に黒っぽいものだと、光をはね返さないで、吸い取ってしまうんだよ。
例えば、太陽の下にずっといると頭があつくなったりすることあるよね。
これはつまり、髪の毛が黒いために、太陽から来た光を吸いこんじゃったからなの。

じゃあ、水にぬれるとどうなるかっていうと、ぬれる前と比べて、光をはね返す量が少なくなっちゃうのね。だから、だんだん黒っぽくなってくるわけ。ぬれたところは、そのまわりに比べて光をはね返す力が弱くなちゃってるんだよ。
だから、そこだけ色が濃く見えるようになるというわけです。わかったかな?

そうやっていろいろなものをよ〜く見ていると、もっともっといろいろなことがわかるようになるからね。
これからも色々なことに気づいて、また質問してね。


青山学院初等部・樋口 善一 先生
Q. 動いている船の上でジャンプしても海に落ちないのはどうしてですか? 小4・おんな
A. キミはすごくいいことに気がついたね。
そうなんだよ、自動車の上なんかだと、ジャンプしたら落ちちゃってあぶないけど、船だと落ちないよね。これは電車の中でも同じなんです。
なぜそうなるかっていうと、実は、キミが船に乗っている時は、キミにも船と同じ勢いが付いているからなの。キミ自身も船と同じ速さで移動しているわけ。
例えば、船が時速20キロで移動しているとすると、キミも時速20キロで移動していることになるんだ。つまりそこでジャンプしても、ジャンプと同時にキミ自身が船と同じ方向に時速20キロの速さで移動しているってことなの。だから船から落ちたりはしないわけです。
でもね、ジャンプしたときに空中にいる時間が長いと、船は時速20キロとはいえ動いているから、自分も一緒に動いていても、自分のほうは空中でだんだん勢いがなくなるので、やがては本当に海に落ちちゃうわけ。
でも実際には、空中にいる時間が長いなんてありえないでしょう。ジャンプして上がっている時間なんて数秒だから、空気の抵抗なんかで自分のスピードが時速20キロよりも少し落ちて、わずかに後ろに5センチとか10センチずれてるぐらいで、きちんと船の上に戻るわけね。
このことは、キミがもう少し大きくなると学校で習うと思うんだけど、「慣性(かんせい)の法則」と言います。百科事典なんかにもかならず「慣性の法則」っていうのが載ってるから、調べてみるのもいいと思うよ。今はまだちょっとむずかしいかも知れないけどね。
自分も船と同じように動いているんだと覚えておくといいですよ。電車の中でも同じでね、ジャンプしても同じ所に戻ります。
お天気キャスター・森田 正光 先生

1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11