おてんき・かがく

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Q. ロケットってどうやってできたの? 小1・おんな
A.

一番最初に出来たロケットはね、1000年ぐらい昔のものなんだ。それがどこの国で作られたかというと「中国」なんです。その時のロケットというのは、残念ながら戦争のためにつくられていて、弓矢の矢の部分に火薬をつめて、敵に向かって飛ばしたりしたんだ。

でもそれはあんまり敵に当たらなかったみたいだし、それよりも敵の乗っている動物をおどかしたりしたんらしいよ。それが、今から100年ぐらい昔になると「ロケットを使えば宇宙にいけるんじゃないか」と思う人が出てきました。

それから「本当に宇宙にいけるんだったら、もっといいロケットを作ろう」とみんな色々と工夫し始めたんですね。そして今から70年くらい前、今のような複雑なものを作り始めたんです。それから40年ぐらいしか経たないうちに、なんと月まで行ってしまいました。

20世紀の間にロケット技術は複雑になり格段に進歩しました。これからも火星に着陸しようという計画もあるし、その他の星も今は着陸できそうなところがなかなか見つからないけれど、いつか太陽系の外に出ることも出来るかもしれないね。


宇宙科学研究所教授・的川 泰宣 先生
Q. 雲は何キロぐらいの速さで動いているんですか? 小5・おんな
A.

何のときにそう思ったの?

こども:理科の時間で外に出ているときに空を見たら、雲が速く動いてたから…。

そっか。じゃあ、キミはどれくらいの速さだと思う?

こども:時速1キロぐらいかな…。

あのね、もっともっと速いよ。雲が動くスピードって、実はすごく速いんだ。たとえば、人間が歩くスピードは時速4キロぐらい、自転車の走るスピードは時速15キロぐらいと言われていますよね。じゃあ、雲はどれくらいかと言うと、雲の種類にもよるんだけど、だいたい時速40キロから50キロぐらいのスピードなんです。

車が走るのと同じぐらい、というふうにおぼえてもらうといいかな。冬の時期だと、時速100キロぐらいで動くこともあります。速いよねぇ。でもね、雲ってとても遠くにあるでしょ。

だから、目の錯覚(さっかく)で、速く動いているようで実はゆっくり動いていたり、ゆっくり動いているようで実は速く動いている、というようなこともあるんです。でも、だいたいは時速40キロから50キロぐらいってとこかな。

それからね、雲というのは、雲そのものが動いているんじゃなくて、消えながらそのたびにどんどん新しい雲ができて、次々と動いているように見えるものなんだよ。だから本当は、ひとつの雲が長い時間そこにある、というわけではないんだよね。そんなこともおぼえておいて下さい。


お天気キャスター・森田 正光 先生
Q. 外国にも台風はあるんですか? 小4・おんな
A.

台風は、熱帯低気圧という部類に入るんだけど,この熱帯低気圧というのは世界中で起きてますよ。 「台風」と名前がついているのは太平洋の西のほうでできる熱帯低気圧のことなのね。だからフィリピンや台湾、そして日本も含まれるんだけど、この近くでできるものだけが「台風」と呼ばれています。

ただ、世界中で熱帯低気圧ができる割合の33%、つまり世界全体でできる熱帯低気圧の3分の1は日本のすぐ南の海上で出来ているの。ほかに、インド洋でできるものは「サイクロン」とか呼ばれていますね。大西洋の西のほうでできる熱帯低気圧は「ハリケーン」と呼ばれアメリカに行くし、太平洋の東のほうでできるものも「ハリケーン」と呼ばれています。

でもみんな中身は同じなんですよ。「台風」も英語では「タイフーン」と呼ばれているんですね。もともとこのタイフーンというのは、ギリシャ神話の悪い神さまで”ティフォン”という神様がいたんですけども、それが病気をもたらしたりして、それがチフスになったりするんですけど、その言葉が変わってきて台風になったという説もあるんですね。ただ、色々な説があるのではっきりとはわかっていないんですけどね。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. どうして金属はさびるの? 小5・おんな
A.

地球上には酸素があるでしょ。この酸素が金属と化合するとさびになるんだよ。つまり、酸素がないとさびないわけね。フライパンなどを使ったとき、油をぬってからしまうのを見たことがないかな。あれは、油をぬることによって金属と空気が直接ふれないようにしてるんだ。空気に触れるとだんだんさびちゃうからね。

じゃあ、どうして金属が酸素に触れるとさびるのかと言うと、酸素って物を燃やす働きがあるでしょ。その酸素と触れあうということは、金属も少しずつ燃えているということになるんです。炎を出して燃えるのではなくて、「腐蝕(ふしょく)」と言うんだけどね、燃えカスみたいなものがさびとして出てくる、と考えて下さい。

さびを出さないために、あらかじめさびを付けておく、なんてこともあるんだよ。学校にある鉄棒は黒い色をしているでしょ。あれは、赤いさびが出ないように、あらかじめ黒いさびをつけているの。黒さびが鉄棒の中を守って、さびさせないようにしているんです。

でも普通のものは、紙で包んだり、油をぬったりして、空気と直接ふれあわないようにしておくことが大切だと思うよ。銅とか鉄とかの種類によってさびの色も違うから、自由研究で調べてごらん。アルミニウムなんかは白くさびるし、十円玉なんかは銅でできているから青くさびたりします。どのくらいの時間でどの程度さびるかを調べてみてもおもしろいと思うよ。


青山学院初等部 部長・樋口 善一 先生
Q. スペースシャトルは燃料で動いていると聞いたのですが、太陽電池で動かすことは出来ないんでしょうか? 中3・おんな
A.

太陽電池を見たことはある?

こども:家の屋根に付けてあります。

なるほど。スペースシャトルは、水素や酸素を液体にしたものを燃料にして、飛び上がっています。 スペースシャトルに太陽電池はまだ使われていませんが、人工衛星にはもう使われていますよ。太陽電池で人工衛星を動かす時は、ソーラーパネルを広げて、太陽の光を受けて発電しています。

ただ、今の太陽電池だと出せるパワーがまだ小さいんだ。だから地上から宇宙まで物を運ぶためは、どんなに大きな太陽電池でもパワーが足りない。そうするとやっぱり燃料を使ったりするしかなくなっちゃうんだ。

もし、太陽電池で物を宇宙まで運べるんだったら、太陽電池が屋根についてるキミの家も運べちゃうもんね。将来もきっと、太陽電池というのは火星に行ったりして宇宙空間で発電する時に使われると思います。だけど太陽電池で宇宙まで物を運ぶというのは、これからもちょっと無理じゃないかな
宇宙科学研究所 教授・的川 泰宣 先生

Q. ソーラー電卓はどうして電灯の光でも使えるの? 小5・おんな
A.

太陽の光と電灯の光は、やはり太陽の光の方がずっと強いんです。でも、ソーラー電卓は電灯の光でも動くよね。それがどうしてかと言うと、電灯ぐらいの少ない光でも動くように工夫して作ってあるからなんだよ。

例えば、ソーラーパネルでモーターを動かしたりするには、強い光が必要なんだ。だからやっぱり太陽の光ぐらいの強さがないとだめなの。でも、電卓は数字を計算したり画面にうつしたりするだけだから、あまり電気がいらないんだ。だから太陽の光じゃなくても動くんだよ。

ちょっと光が弱くなったぐらいで電卓が使えなくなったら困っちゃうでしょ?そして、そもそもなんで光がエネルギーになるかというと、地球上のエネルギーはすべて太陽の光からできてるんです。

たとえば、植物が太陽の光を受けて育ち、長い時間をかけて炭になったりするでしょう。それを人が燃やして、発電機を回して電気をおこす。こうやってエネルギーのもとをたどっていくと太陽の光に行き着くわけです。その使い方の違いでいろんなものが生まれてくるの。だから、ソーラーパネルは、その太陽の光をエネルギーとして使う手段のひとつなんだ。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. 海は引力によって満ち潮とか引き潮があるけど、陸は引力で何か変化があるの? 小6・おんな
A.

正確に言えば、ものすごくわずかだけど、「ある」んです。それは月の引力や地球が自転するごとによってね。地球の形が、真ん丸ではなく少しいびつになっているのは、そういった回転によるものではないかと言われてるんだ。でも、それはものすごくわずかです。

キミは、液体・固体・気体っていう分け方を知ってるかな?液体と気体は、そういった引力などの影響をすごく受けます。でも、固体はなかなか受けないから、目に見えないんですね。

実は海の水だけじゃなくて、空気も月の引力の影響を受けているんだよ。それらは天気とかにあまり影響がないから言われないけれど、ちゃんと観測してみると、空気も満潮・干潮みたいなことはちゃんと起きているんです。

風とかのほうが強い力なので、かき消されてしまっているんだけど、やっぱり月や太陽の引力が変化するときに、「大気潮汐(たいきちょうせき)」という現象が起こるんですね。それは大気が厚くなったり、薄くなったりするんだ。実際には低気圧や高気圧のほうが影響が大きいから、見えないんだけどちゃんと変化はあるんです。

数字にならないほど細かい変化なんだけどね。


お天気キャスター 森田 正光 先生
Q. バリ島や、シンガポールに行ってきたんですけど、どうして太陽は動かないのですか? 小3・おんな
A.

きっとそう感じたのは、バリ島やシンガポールがものすごく暑かったからでしょう?

こども:はい、そうです。

バリ島やシンガポールって、ほとんど1年中ず〜っと暑いからそう思ったんだよね、きっと…。いいところに気がついたよね。でもね、動いているのは太陽じゃなくて地球の方なんですよ。

実はね、地球は20度ちょっと傾いているんです。そして、まず自分でクルーっとまわるのね。自分でまわるのは、1日…つまり24時間で1回です。地球自身が1日かけて1回まわるんだよ。

それと同時に、今度は太陽のまわりを1年かけてグルーっとまわってるの。そうすると太陽の光が地球に当たるとき、その光の当たる場所が、地球上で少しずつ変わるんだよ。それで日本なんかは季節があるってわけだね。

でもシンガポールやバリ島のあたりっていうのは赤道に近いところ、つまり、ちょうど地球の真ん中に近いところなんです。地球のおなかの部分なんだよね。そこは日本なんかとは違って、いつでも太陽が当たってるの。だから、いつでも暑いんです。僕はね、クリスマスの時期にシンガポールとかに居たことがあるんだけど、変な感じだよ。クリスマスなのに、気温が30度もあったりするの。面白いよね。

つまり、地球の赤道に近い、地球のおなかのあたりというのは、1年じゅう太陽の光が当たっていて、暑いというわけです。でもね、それは太陽が動いたりするんじゃなくて、地球が動いているからなんだ。

それで季節が生まれるの。で、真ん中の方では太陽がいつも当たっているから、いつでも暑い…逆に北極とか南極とか地球のはじっこの方では、太陽がなかなか当たらないから、いつでも寒い、ということになるんです。


科学ジャーナリスト・中村 浩美 先生
Q. ひこうき雲はどうしてできるの? 5さい・おとこ
A.

ひこうき雲がよくできる日っていうのはね、次の日雨が降ったりすることが多いんだよ。とってもいいお天気で空気が乾燥している時はあまりできないような気がします。

それはどうしてかっていうと、ひこうきはエンジンがついているでしょ。そうすると、ひこうきの後ろ側には、車と同じように排気ガスがシュ〜っとでてくるんだよね。その排気ガスの中には、いろんなつぶつぶのようなものとかがあるんだけども、雲っていうのはね、ちっちゃなちっちゃな水のつぶなんだけども、水だけが集まったのではなくて、そのまんなかに小さなちりのようなつぶがないと水は集まってこれないんだって。

それでね、ひこうきが空の高〜い所を飛んだあとに、排気ガスが空にいっぱいちらばるでしょ、そこに空の中にあった、水のちっちゃなつぶ(水蒸気っていうんですけども)が「ここに集まろう」っていって、すぐに集まってきちゃうんだって。そうすると、ひこうきが飛んだあと、雲のようなすじがス〜っとできるんだよ。

それがね、ひこうき雲なんだよ。だから、あした、お天気がくずれそうな時のほうがひこうき雲は、見えやすいんだって。それでね、空の高い所のお天気とかが、わかってしまうこともあるんだって。


五島プラネタリウム・国司 真 先生
Q. 「三寒四温」という言葉がありますが、日本の気候とはどういう関係があるのですか? 中2・おんな
A.

実はこの言葉が中国の言葉って知ってた?

こども:知りません

この言葉は中国の北東部の言葉で、北京の北の方の言葉なんです。三寒四温の意味はね、3日間寒いと4日間暖かい日があるということなんです。この言葉を見ると「寒い」とあるよね。その字を見てもらえば分かるように、実はこれは冬の言葉なんです。世の中の人は、春の言葉だと思っている人が多いけど、本当の意味は、「いくら冬と言っても3日間寒かったら4日間ぐらいは暖かい日がある」ということなんです。中国の北東部には大陸性の高気圧がいつも寒い空気を送り続けています。でも、そんな大陸性高気圧でも、いつも冷たいわけでなく、たまには暖かい日もあるんです。それがたまたま中国に行っていた日本人が春に日本に帰ってきたとき、中国の冬に似た気候だったから「三寒四温」と使い始めて、それで日本でも定着したんです。分かってもらえたかな?


お天気キャスター・森田 正光 先生

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