おてんき・かがく

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Q. バクテリアとウイルスはどうちがうのですか? 小4・女の子
A.

じつはね、大きさをくらべるとぜんぜんちがうんです。バクテリアは、1ミリを1万個にわけたぐらいのおおきさなんですね。なかには1ミリを1千個にわけたぐらいの大きさのものもいます。バクテリアの大きさは「ミクロン」というたんいをつかうのですが、1ミリの1万分の1は0.1ミクロンになります。ところが、ウイルスとはそれよりもっと小さいのです。ウイルスのせかいは「ナノ」というたんいをつかいます。「ナノ」というのは、1ナノメートルで1ミリの10おくぶんの1という大きさです。たとえばバクテリアをにんげんぐらいの大きさだとすると、ウイルスというのはやきゅうのボールぐらいかな。そんなにちがうのです。

だからバクテリアはときどきにんげんのからだにはいってわるさをしますが、ウイルスというのは、にんげんの体にはいるほかに、バクテリアの体のなかにもはいってわるさをすることがあるのです。このようにバクテリアのなかにはいりこむウイルスを「ファージ」といいます。それくらいちいさいウイルスもあり、ウイルスとは生きもののいちばんさいしょのかたちのようなものなのです。それからどんどんしんかして、バクテリアになっていったんですね。

それにウイルスにはあまりいいウイルスっていないのですが、バクテリアにはいいものがたくさんいます。たとえば納豆菌(なっとうきん)といったらなっとうをつくってくれます。乳酸菌(にゅうさんきん)は、ヨーグルトなどおいしいものをいっぱいつくってくれるんですよ。


東京農業大学:小泉 武夫 先生
Q. 天気予ほうの、「快晴(かいせい)」と「はれ」のちがいは何なんでしょうか?あと、「雨」と「大雨」、「雪と大雪」のちがいも教えてください。 中2・男
A. まず、はれやくもりというのは、雲量(うんりょう)、つまり空にうかんでいるくものりょうできめるんですね。雲量「1」で、1キロ先のものが見られるときを「快晴(かいせい)」といいます。

それよりくもがふえてきたら「はれ」なんです。はれはかなりはばひろくて、空のおよそ8わりがくもになっても、「はれ」なんですよ。また、雨や大雨というのは、空から水がふってくれば雨で、いっぱい水がふってきたら大雨。そのままなのです。

でも、きょうつうのきまりがないと、ある人は「これは雨だ」といったり、ある人は「これは大雨だ」といったり、こまってしまうよね。なので、はじめに1じかんにこれくらいの雨がふったら「注意報(ちゅういほう)」をだして、これくらいふったら「警報(けいほう)」をだす、というのをはじめにきめておくんですね。

ただ、ばしょによっては、ふだんからいっぱい雨がふっているところもあるので、そういうばあいは警報や注意報を出さないこともあります。でも、ちょっと雨がふるだけで川があふれてしまったりするところもあるので、そういうときはすこししか雨がふっていなくとも、警報や注意報を出します。

つまり、ばしょによって大雨や雨のさかいめがちがうんですよ。そういったものは気象庁(きしょうちょう)で決められています。雪もいっしょです。そういうふうにみんながこまってしまうかこまってしまわないかできめているんですね。
お天気キャスター:木原 実 先生

Q. 金ぞくにはぎんいろのものも多いのに、どうして金ぞくっていうんですか? 小3・女
A.

こたえからいうと、もともと「金」ということばは、「おうごん」をあらわしていたわけではなかったんです。

1しゅうかんは、「月火水木金土日」だよね。そのなかで「月」と「日」は、お月さまとおひさまをあらわす字です。そのほかの「火水木金土」はというと、朱子学(しゅしがく)というがくもんにある五行(ごぎょう)という考えかたに、「せかいは火・水・木・金・土のくみあわせできている」というものがあるからなのです。

「金」はそのなかで、もともと「光るもの」といういみでした。光るものの多くは、土の中からほりだされます。そのなかで金ぞくというのは、そればかりあつめると鉄(てつ)になったり、銅(どう)になったりしますよね。ですから、もともと土のなかにあるかたいものを「金」、または「金ぞく」とよんでいたのです。だから、金いろをしていなくてもすべて「金ぞく」だったんですね。

それが、時代がすすむにつれ、金ぞくの中でいちばんたいせつなもの、つまり黄金(おうごん)を「金」とよぶようになったのです。


気象予報士:大野 治夫 先生
Q. よくはくぶつかんなどでてんじされている恐竜(きょうりゅう)のもけいなどの材料をおしえてください。 小4・男
A.

まずはじめに、はくぶつかんにはもけいばかりでなく、本もののほねをてんじしているばあいもあるから、かならずしも「もけいではない」ということをおぼえておいてね。本もののほねをつかうばあいは、鉄(てつ)をつかってわくをつくり、それでほねをささえます。

では、本ものでないものはどうやって作るかというと、「プラスチック」なんです。プラスチックは長もちするし、形がきれいにとれるいちばんいい方法なんです。まず、本もののほねのまわりに「シリコン樹脂(じゅし)」というものをぬります。これは、はじめベタベタのえきたいで、そこにとくべつなくすりをまぜると消しゴムのようなものになるんですね。それがかたまったらほねから半分づつはがします。そうするとほねのこまかいかたちがシリコンにうつるんですね。
つまり、「かた」になるんです。そしてはがしたシリコンのうちがわに、プラスチックをぬるんです。さらにその上に「グラスウール」というガラスのせんいでできたとくべつな布をはります。グラスウールそのものはとてもやわらかい布なんですが、とてもじょうぶでそれをなんかいかかさねてはり、上からプラスチックをぬっていきます。これをくりかえして、3ミリメートルから4ミリメートルぐらいのあつさにしたら、半分づつにしてあったかたをりょうほうあわせて、しばらくおいておきます。そしてかたまると、まえの化石とおなじようなかたちになるのです。うまくいくとほね1コにつき1日ぐらいあればできます。

ちなみにあなたたちがつかっている消しゴムもじつはシリコンじゅしでできているんですよ。最後に、つくったほねのもけいをぜんぶを組みたててできあがりです。このもけいをつくるほうほうは、じつはヘルメットや飛行機を作るぎじゅつとおなじなんです。つまり、とってもじょうぶなんですね。しかも、とてもきちんとできていて、虫めがねできちんと見ないとみわけがつかないほどなんです。すごいよね。


国立科学博物館:馬場 悠男 先生
Q. カミナリはどうして黄色いのですか? 6歳・男
A.

たしかにカミナリがおちてくるときにギザギザと光る「イナズマ」は、とおくから見ると黄色く見えます。カミナリの温度はだいたい10000度以上あるのではないかといわれています。太陽(たいよう)が6000度ですから、太陽よりもカミナリのほうが温度が高いのです。そうするとほんとうは「青白い光」にみえるはずなのです。それがとおくのほうのイナズマをみると黄色く見えてしまうでしょ。それはなぜかというと、とおくに光がとんでいくあいだに、青白い光はとちゅうの空気にぶつかってとおくまでとどかないのです。その点、黄色い光は青よりとおくにとどきやすいので、キミの目にとびこんでカミナリが黄色く見えるのです。だから、ぎゃくにちかくでイナズマを見ると青白い光になりますよ。もし、カミナリを見たとき、そのカミナリが青白かったら、それは自分のいるところから近いところにカミナリが落ちたということになります。おぼえておいてね。


気象予報士 大野 治夫 先生
Q. どうして水がはねると丸くなるのですか? 小1・おとこ
A.

じつはね、ほんとうは、水だけでなく地球にあるこの世のなかのすべてのものが「じぶんは丸くなりたい」とおもっているのです。ふだんは かんじられないけど、人間のからだもじつはそうなんですよ。

では、どうして丸くなろうとするのでしょうか。それは、表面積(ひょうめんせき)といわれる「ものをつつみこんでいるぶぶん」がもっと も少ない力であんていして形をつくれるようにするというのが、「しぜんのきまり」なんです。そのきまりを守ろうとすると、丸いかたちが いちばんいいんですね。

たとえば、あなたがとてもさむいところにいたとすると、じぶんの体を丸めて少しでもあたたかくなるようにするでしょ。それと同じで、水もじぶんの体を丸く小さくするのが、じぶんにとって楽なんですね。だから、水がはねたときに丸くなるわけ。それはシャボン玉でもそうだし、もっといえば地球(ちきゅう)だってそうなんです。

くわしくは、丸くなるには、表面張力(ひょうめんちょうりょく)という力など、いろいろな力がかかわっているのだけれど、それはもう少しあなたが大きくなってからべんきょうするから、そのときまたしつもんしてね。それにしてもふつうは気づかないところによく気づいたね。

そうやってものをよく見るってとてもたいせつなことだ からこれからもその目をわすれないでね。


お天気キャスター  森田 正光 先生
Q. たつまきはどうやっておこるのですか、またなんで日本ではおきにくいのですか? 小5・おとこ
A.

台風(たいふう)とたつまきって、風はつよいし、うずまきのかたちだし、にているよね。

キミは、おふろの水をぬくのを見たことあるかなぁ。おふろのせんをぬいて、水が下に流れていくと、「うずまき」のようになっているよね。同じことが空では空気が上にいくときにおこるのです。

空のたつまきは、積乱雲(せきらんうん)という入道雲(にゅうどうぐも)ができたときにおこりやすいんです。入道雲というのはすごくモクモクした雲で、空気が上にあがっていくときにできます。そうするとその雲の下の空気は、上の空気にひっぱり上げられるんだよね。そのときにできた空気のうずまきが大きくなって、たつまきとなるのです。

そしてアメリカでは、「スーパーセル」と呼ばれるとても大きな積乱雲ができるので、たつまきもとても大きなものになるんです。でも、日本には、「平野(へいや)」と呼ばれる地面が平らなところが少ないので、大きな積乱雲ができづらく、たつまきもあまり大きくならない言われています。だいたいはばが200メートルぐらいで、じゅみょうも20分ぐらい。

しかし、このまえたつまきで車が飛ばされたといったことがありました。あとで最大瞬間風速(さいだいしゅんかんふうそく)という「いっしゅんでどれくらいの風がふいたか」をしらべてみたところ、秒速(びょうそく)70メートル、80メートルぐらいではないかということです。大きな台風で秒速35メートルぐらいといわれているから、台風のいちばん風が強いところの2倍ぐらい風が強いということになります。

たつまきのひがいを受けるばしょが台風に比べてちいさいので、観測もあまりされていませんが、ひがいは台風よりひどいこともあるんです。「たつまきなんてこないや」と思っているとあぶないですから、気をつけてくださいね。


気象予報士  大野 治夫 先生
Q. どうして天気予ほうのお兄さんになろうと思ったのですか? 小3・おとこ
A.

うわぁ、「お兄さん」だって。ありがとう、うれしいな(笑)。ぼくは人にお話をするのが大好きなんです。 それでテレビのお仕事をしているんですけれども、むかしは、天気予ほうは気象庁(きしょうちょう)というところが発表した予ほうしか、テレビやラジオで言うことができませんでした。

ぼくが天気予ほうをはじめたころも、お天気せんもんの人が書いた文章をもらって、それをおぼえてしゃべっていました。
でも、やっぱり人間というのは、自分が思ったことを自分のことばでしゃべっているのが一番気持ちいいんだよね。

そのうちに、天気予ほうもだんだん自由になってきて、「気象予報士(きしょうよほうし)」というしかくをとると、自分で予ほうを出してもいいようになってきたんです。 そうなると、いろいろな人の天気予ほうが出てくるようになってきました。
たとえば「気象衛星(きしょうえいせい)ひまわり」ってあるよね。あのひまわりから送られてくるデータも、むかしはせんもんの人だけがそのデータを解説(かいせつ)することができました。
でも、今は、自分なりのことばで、もっとわかりやすくおもしろく雲などの様子を伝えられるのです。だからぼくは気象予報士になりました。

小学生のときは、すいりしょうせつにはまっていたので、探偵(たんてい)になりたいと思ってました。 天気予ほうも、しょうこを集めたり、雨をふらせる犯人はだれ、とかすいりするから探偵とちょっとにてるかもね。
というわけで、いろいろと自由になってきているし、とても楽しいお仕事だと思っています。


お天気キャスター 木原 実 先生
Q. 台風と台風は合体(がったい)することがあるのですか? 小3・おとこ
A.

わたしはお天気のようすがわかる天気図(てんきず)というもので、ときどき台風と台風がぶつかるのを見ます。

そのとき台風はどうなるのかというと、いろいろなパターンがあって、あるときは大きな台風が小さな台風をのみこんでしまいます。そのときは、台風がひとつになったからといって大きくなったということはありませんでした。

ほかには台風がぶつかったとき、進んでいる向きをとつぜんかえたりとか、「後追い台風(あとおいたいふう)」といってふたつの台風が、ある台風がすすんでいくうしろをべつの台風が、ぎりぎりのところでぶつからないまま、ずっとおいかけていったりというのもありました。

こういった台風の変化は、お天気の世界では「藤原の効果(ふじわらのこうか)」ともいいます。それは50年ぐらいむかし、中央気象台長(ちゅうおうきしょうだいちょう)という、今の気象庁長官(きしょうちょうかん)にあたる人で「藤原咲平(ふじわらさくへい)」という人がいました。この人は台風のようすが変わっていくのをいろいろとしらべたので、今では台風のようすが変わっていくのをみて、その人の名前をとって「藤原の効果」といっています。


お天気キャスター:森田 正光 先生
Q. 花火はどうして上までいくのですか? 5さい・おんな
A.

花火を上げるには3つのものが必要です。

まずは筒(つつ)、花火の玉、そして花火をあげるための「上げ薬(あげやく)」という火薬です。筒(つつ)に上げ薬を入れて、その上に花火の玉を入れます。そして上げ薬に火を入れると、花火の玉はうちあげられます。

花火にはいろいろな大きさがあります。たとえば、よく「尺玉(しゃくだま)」と呼ばれる10号玉というしゅるいの花火は、だいたい330メートルの高さまで上がっていきます。そして開いた花火の大きさは直径(ちょっけい)300メートル。大きいでしょ。

ちなみに玉そのものの大きさは直径30センチ、大き目のスイカぐらいです。こんど花火大会を見にいったら、打ち上がってからどれぐらいで花火が開いたか数えてみてください。開くまでが長ければ長いほど大きな玉ということになるんです。打ちあがってから4,5秒ぐらいで花火がひらいたら、「尺玉」です。大きな花火ですから、きたいして見てくださいね。これだけの大きさの花火を上げられるばしょはなかなかないんですよ。

ちなみに、上げ薬は木炭・硝石(しょうせき)・硫黄(いおう)などものすごいバクハツをするものを使っています。


15代目宗家鍵屋:天野 安喜子 先生

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