おてんき・かがく

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Q. ロボットの寿命(じゅみょう)は何才ですか? 小5・おんな
A.

そうですね、ロボットの寿命(じゅみょう)は、ロボットによってちがいます。たとえばおもちゃのロボットは、ていねいに使えば10年20年ともつけれど、あらっぽく使ったら1年ももちません。だからたぶん大きなロボットも、使い方によって寿命がかわってしまうと思います。

ただ、ロボットをつくっている会社は、ロボットの病院もいっしょにつくっていて、こわれたらそこで直してくれます。人間が病気になったりほねを折ったりしたときと同じように、ロボットがこしょうしたりこわれたりしたら、手じゅつのように部品をひとつひとつ直していって、できるだけ長く使えるようにしているんです。

でも、5年ぐらいたつとさらに新しくてべんりなロボットが出てきてしまうので、そちらがほしくなっちゃったりするんだけどね。昔、私たちがつくったロボットは筑波(つくば)というところで科学博覧会(かがくはくらんかい)があったときに、半年間ずっと毎日キーボードをひいてがんばったんです。

休まずに動いてたけど、それでも大丈夫でしたよ。ただ、何人かいつも付きそっていて、なにかあったらすぐ直してたけどね。


早稲田大学理工学部教授・橋本 周司 先生
Q. なんで雨がふる雲とふらない雲があるの? 小1・おとこ
A.

雲にはいろんな形がありますよね。色も、白かったり黒かったりするでしょう。この雲が何でできているか知ってますか?あのね、実はとても小さな水のつぶでできているんです。高いところにある雲は、その「水」が冷えて「氷」になっていることもあります。この水のつぶですが、とにかく小さくて、ふわふわ空気に浮いていて地上まで落ちてこないんです。それが雲なのね。

ところが空気中の水が増えてくると、水のつぶが大きくなっていって、そのうち浮いていられないような重さになり、地上に落ちてくるんですね。それが雨なんです。だからね、落ちてくる間に蒸発(じょうはつ)してしまって地上まで落ちてこないものもあります。

ほかにも、最初は水のつぶでなく、氷や雪になって地上に落ちてきて、地上までの間にそれがとけて水になって地上では雨になるというのもあります。ということは、水のつぶの大きいものをたくさん含んでいる雲が雨をふらせる雲で、雨をふらさない雲は含んでいる水のつぶがとっても細かかったり、氷のつぶになっていたりして、空中に浮いたままになっている、ということなんですね。


日本航空 運航本部・藤堂 憲幸 先生
Q. 天気予報がはずれることがあるけど、コンピューターを使ったりしているのにどうしてですか? 小3・おとこ
A.

う〜ん、それは永遠のテーマなんですよね。みんなコンピューターは正確だと思っているでしょ。たしかに「2+3は?」といれたらコンピューターは正確に「5」と答えます。だけど、「2ぐらい+3ぐらいは?」といれると、コンピューターはわからないんだよね。「うーん、5か6かな」なんて答えをコンピューターは出せません。

お天気というのは、「西のほうでこれだけ雨が降りました」ということを、コンピューターに正確に入れることが難しいのです。だからなんとなくまとめた数字を入れてあげるわけですね。そうするとコンピューターはそれなりの答えを出すんだけど、お天気についてのデータというのはたくさんの種類を入れなくてはいけないので、入れた数字がちょっと違うんだけでも、だんだんコンピューターの答えが大きく違ったものになってしまうんですね。

そうすると場合によっては、ひどく的をはずした答えになるなんてこともあるんです。今そういったコンピューターのはずれをだんだんなくしていこうと研究していて、スーパーコンピュータというとっても頭のいいコンピューターも導入されていきます。だからもう少ししたら天気予報がもっとあたりやすくなると思うよ。


お天気キャスター・木原 実 先生
Q. 四季より季節が多い国はありますか? 小5・おとこ
A.

藤堂:世界でみても季節はだいたい春と夏と秋と冬がありますよね。でも、例えば赤道(せきどう)の近くにある地域は一年中夏ですし、南極や北極のように一年中冬のところもあります。日本のように、ちょうど地球のまん中あたりで、中緯度地域(ちゅういどちいき)とよばれるあたりは季節の変化が一番あるところなんですね。さらに大きな大陸の東のほうというのは、冷たい空気と暖かい空気、乾いた空気と湿った空気など、いろんな空気がぶつかり合うんですね。いろいろな季節が起きるのはそのせいなんです。

森田:それにね、実は「日本の季節は6つある」って言われてるんですよ。それはね、春夏秋冬のほかに、雨がたくさんふる時季が2回あるでしょう。ひとつが春と夏の間の「梅雨」、もうひとつが夏と秋の間の「秋雨(あきさめ)」というわけです。本当に日本はお天気の変化がはっきりしているんですね。

藤堂:こう考えてみると、日本より季節が多いところはあまりないと思いますね。お天気の変化については、世界の中でも日本はとっても変化があるところですし、面白いところなんですよ。

こども:ちょっと得した気分ですね。(一同爆笑)


日本航空運航本部・藤堂 憲幸 先生・お天気キャスター・森田 正光 先生
Q. 山の天気はどうして変わりやすいのですか? 中3・おんな
A.

山の天気ってホントに変わりやすいよね。ぼくは1998年にエベレストに行ったんですけど、そのときは頂上まであと200メートルのところまで行きました。山の天気は午前中はいいことが多いので、午前中に頂上につけるようにキャンプを夜中に出発したんです。星がとってもきれいで「これなら頂上まで行ける」と思っていました。

でもそれから30分で、急に星が見えなくなり、雪がパラパラ…とふりだして、すぐにものすごい吹雪になってしまって、ぼくらは、頂上に行けなくなってしまったんです。仲間がその様子を山の下のほうにあるベースキャンプからビデオカメラで記録していたんですけど、それを見たら、雲があったのはエベレストの頂上のまわりだけだったんですよ。

山というのはとても複雑な地形をしているので、そのまわりでいろいろな風の流れができています。風の流れが不安定になると、天気も不安定になるんですね。それと、山は高ければ高いほど天気が不安定ですし、場所にも関係があります。

たとえば、北極や南極など、最初から天気があまりよくないところに山がある場合もあるし、海の近くにある山というのも、空気中の水分が多いせいでとにかく天気が変わりやすいんです。たとえば北極にあるマッキンリーという高い山は、ベーリング海峡(かいきょう)の湿った空気が多いんです。

だから雪がドカンとふるんですね。逆に寒くても湿度があまりなければ天気は変わりづらいんですよ。それと、どうして山の天気は午前中のほうがいいのでしょうか。それは、午後になると気温が上がって水分が蒸発すると雲が出来やすくなるからなんです。だから、もしキミが山に行くときには、動き回るのは午前中にしたほうがいいと思いますよ。


アルピニスト・野口 健 先生
Q. 天気は何で天気というのですか? 小4・おとこ
A.

天気のほかにも「元気」とか、「病気」というような「気(き)」のつく言葉ってあるよね。これらの「気」はみんな同じ意味なんです。これがどうしてかというと、朱子学(しゅしがく)という学問の中の理気二元論(りきにげんろん)というものにでてくるんだけど、昔、目に見えないものは「気(き)」というものでできていると考えられていました。

お天気も、雨になるのか、晴れるのか、どうしてかというのは見えないし、よくわからなかったから、空も気というもので出来ていると考えられて、「天気」と名づけられました。天気の「天」というのは空って言う意味です。

では、「気」は何なのかというと、「もやもやしたよく分からないもの」ということなんです。「気」には「良い気」と「悪い気」があります。良い気のことを「陽気(ようき)」、悪い気のことを「陰気(いんき)」といいます。

だからいいお天気は空のよい気のことだから、「いい陽気」っていうでしょ。逆に「悪い気」だったら台風や嵐になるって考えられていたんです。こうして考えてみると、天気というのはお空の様子ということになりますよね。そして天の様子を良いか悪いか見るのが、「天気を見る」ということなんです。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. 風が吹いたり吹かなかったりするのはどうしてですか? 小5・おんな
A.

原因はいろいろあるんです。でもいちばん多い理由から言うと、「温度が違う」ということです。例えば、自分の家から外に出ようとすると、風が吹いたりしないかな?ドアを開けると家の中に風が入ってきたりするよね。

つまり、家の中が暖かくて外が寒いと、空気が入れ替わろうとして風が起こるんです。それが地球という大きな規模で起きると、強い風になるというわけ。だから、日本のお天気で考えると、冬は中国大陸が冷たくて海の方が暖かいから、大陸から海に向かって北西の風が吹くんです。これが北西の季節風。

逆に夏になると中国大陸やシベリアの方が暖かくなるから、海から暖かいシベリアの方に向かって風が吹くんです。こうやって温度の違いによって起こる風が一番多いですね。では、どうして温度の違いが出てくるのでしょう。

それは太陽がどうやって地上を照らしているかということなんです。地球は太陽の周りを1年で1回まわっているよね。その間は動いているわけだから、その時その時で太陽の照らしている場所が違うんだよ。それが季節が生まれる理由なの。

それだけでも風の吹き方は変わってくるし、他にも、高いビルがあったりすると空気の流れがさえぎられるわけだから、風の吹き方も変わっちゃうんだよね。そういった色々なことで風の吹き方も違ってきます。


お天気キャスター・森田 正光 先生
Q. カミナリが落ちたときに虹(にじ)が出たんですが、どうしてですか? 6さい・おとこ
A.

そのときって、カミナリが落ちるのと一緒に雨も降ってたんじゃないかな?そしてその後、急に晴れてきたと思うんだよね。どうしてこういうことがわかるかというと、虹っていうのはね、雨が降って、その雨がやんで急に晴れると出てくるんです。

実はカミナリを落とす曇はあまり大きくないんです。だから、せまい範囲でしか雨が降ったりカミナリが落ちたりしないし、降った雨もすぐやんでしまうという性質を持っています。それに雲が小さいから、雲があるところとないところ、つまり雨が降っているところと晴れているところがとなり同士になっているときが多くて、そういうときは雨がすぐ晴れになっちゃうわけでしょ。だから虹が見えやすいんだよね。

だからキミが言った「カミナリの雨が上がるときに虹が見えやすい」というのは本当なんです。それに、ちょっと難しいことなんだけど、寒冷前線(かんれいぜんせん)というのがあるの。この寒冷前線のせいで雨が降るときも、すぐに晴れてくるの。そういうときも虹が出やすいんですよ。

つまり、虹は夏のカミナリの雨の後や、春や秋の冷たい風が入ってくる前に降る雨の後、「いきなり雨からに晴れに変わるとき」に見えやすいんですよ。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. 夏は暑いのに、なんで冬は寒いの? 小2・おとこ
A.

う〜ん、こういう質問が実は一番難しいんですよね。たしかに、今年の夏は特に暑いよね。逆のお話になっちゃうけど、キミの家では冬の寒いときはどうしていますか?

こども:暖房つけてる。

そうだよね、ストーブをつけたり、電気を使ったエアコンなどで空気を暖めたりするよね。つまり、ストーブのあるところは暖かいけど、逆にストーブのないところは寒いよね。でね、太陽って宇宙のストーブのようなものなのね。ボンボン燃えているの。だから明るいし熱いんだ。それでね、夏は太陽が地面をてらす時間、つまり昼間が長いでしょ。冬はどうかな?

こども:余り照らしてない。

その通り。冬の間、太陽は空の低いところをスーッと短い時間で通っちゃうから昼間が短いんだよね。これが夏が暑くて冬が寒い理由。夏は太陽がいっぱい地球を照らしてくれるから暑いんだ。みんなが遊んだりするにはちょっと暑すぎるけどね。逆に、冬は太陽が照らしてくれる時間が短いからあまり暖まらないんだよね。
お天気キャスター木原 実 先生

Q. カビはなぜ湿っぽいところに生えるの? 小6・おんな
A.

カビはとっても水がすきなの。水分がいっぱいあるところっていうのは、カビは本当に喜んでくるの。だから日本は梅雨に入るとジメジメになるでしょ。そうするとカビはもう待ってましたといわんばかり活動を始めるんです。

湿度(しつど)、つまり空気の中の水分が多くなるから、うっとうしい空気そのものの中にカビがいっぱいいるわけなんだよね。そして、日本だと1年間にだいたい2000ミリぐらいの雨が降るんですけど、ロンドンでは800ミリ〜900ミリぐらい、日本の半分ぐらいしかふらないんです。ヨーロッパというのはそれぐらい1年中に渡って湿度の少ない所なんです。そうすると、乾燥した気候にはカビの文化というのはほとんどないんですね。まあ、食べられるカビはせいぜいチーズぐらい。

ところがカビの国、特に東南アジア・東アジア・日本はカビがたくさん生えるものだから何でもカビで作っちゃうんです。味噌にしょうゆにお酒まで。それからカツオブシもカビです。カビの国の文化はやはりカビを伴ったものが非常に多いということなんですね。

つまり水分が多い、生きるのに一番適した所にカビは生きているということです。逆にいうと、カビをはやしたくない場合は、部屋の窓を開けて換気をするなどを心掛けたほうがいいと思います。


東京農業大学 教授・小泉 武夫 先生

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