おてんき・かがく

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Q. せんぷうきの前で声を出すとどうしてビリビリ声になるのですか? 中1・おとこ
A.

せんぷうきの前で声を出すというのは、みんなやったことあるよね。ぼくも子どものころにやったことがあります。

では、せんぷうきの前で声を出すと、どうしてビリビリとした音になるのでしょうか。

それは、声を出すときに口から出た空気の流れの向きが、せんぷうきの風によってかえられてしまうからなんです。声というのは、人間が口から空気をふるえさせながら出すことで出るんです。

そして、せんぷうきは、人間に風を送って、みんなをすずしくするきかいだよね。しくみは、プロペラが回転して空気の流れをかえて、波をうっているように空気をふるえさせることですずしくしています。ということは、せんぷうきから出てくる風の流れにさからうようして声をぶつけると、せんぷうきの風が、声の空気の流れをむりやりかえてしまうんです。

そうなると、声がふつうじゃなくなってしまうんですね。せんぷうきの風の強さをいろいろかえてみると、空気のふるえがかわるわけだから、ビリビリの聞こえ方もいろいろかわりますよ。でも実験するときは気をつけてね。


青山学院初等部校長:樋口 善一 先生
Q. 赤色は何色をまぜてつくるんですか? 6さい・おんな
A.

答えから言いましょう。じつは「赤」というのはなにかの色をまぜてつくることはできません。色というのはとても不思議で、赤と黄色と青、この3つは他の色をまぜてつくることはできないんです。

そのかわり、この3つをまぜるといろいろな色ができます。つまり、この3つはほかの色のもとになっているんですね。カラーの写真や絵ついた本があるでしょ。あれを印刷するためのインクというのは、じつはすべてこの「赤」と「青」と「黄色」でつくっているんです。まあ、それに黒インクをつかったりもしますけど、ほんとうは赤と青と黄色の3つがあれば、どのような色でもできるんです。

たとえば、赤と黄色をまぜるとだいだい色ができたり、青と黄色をまぜると緑ができたりします。そのまぜ方によって、できあがる色がかわるんですね。ちなみに、ぜんぶまぜるとまっ黒になります。とても不思議でしょ。いろいろためしてごらん。どんなにがんばっても、赤と黄色と青は、僕たちにはつくれないんですよ。


イラストレーター:ヒサ クニヒコ 先生
Q. 「夕立(ゆうだち)」はどういうときに来るのですか? 小4・おんな
A.

じつは、今の天気予ほうでは、どこで夕立(ゆうだち)がおこるのか、せいかくにはわかりません。
でも、「おこりやすいとき」というのは、わかっています。
それは、「空にある空気よりも、地めんに近い空気のほうがあたたかいとき」なんですね。太陽に近い空気のほうがあたたまりやすそうに思えるけど、じっさいは地めんに近いほうがあたたまりやすいんです。そして、地めんの近くであたたまった空気はかるくなって、上にういていくんです。そのとき空にある空気が冷たいと、のぼっていったあたたかい空気とぶつかって、ゆうだちがおこります。

とくに夏は、地めんの近くの温度がとてもあついからよくゆうだちがおきるのです。ちなみに5月ごろもゆうだちは多いのですが、地めんの空気は夏ほどあたたかくないですよね。
でも、空の上のほうの空気はそれよりもずっと冷たいのですね。そういうときもカミナリがおこりやすく、ゆうだちになりやすいのです。

このようにゆうだちがおきるような「地めんの空気が空の空気よりもあたたかいとき」を天気予ほうでは「大気(たいき)のじょうたいがふあんていです」といっています。
ゆうだちを好きな人って少ないと思うんだけど、夏のゆうだちの後はにじが見えることが多いんです。だからゆうだちがあがったら、東の空を見てみるとにじが見えるかもしれないよ。ゆうだちはいやでも、そのあとにじが見えたらちょっととくした気分になれるかもしれませんからね。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. 気象予報士(きしょうよほうし)の人は、天気予ほうがはずれたらお給料がへっちゃうんですか? 小5・おんな
A.

きびしいなぁ。キミはどっちだと思う?

こども:へっちゃうとおもいます。

そっかぁ。たしかに、アメリカなどの天気予ほうがすすんだ国では、テレビ局ごとに「ウェザーキャスター」という人がいて、自分たちで予ほうを出しているんですね。 だから、1年間ずっと当たらないようだと、お給料がへったり、「クビ」なんてこともあるそうです。

こども:木原さんはどうですか?

日本も「気象予報士(きしょうよほうし)」というしかくができて、自分たちだけの予ほうを出せるようになったのですが、しかくができてからあまり時間がたっていません。 だから、ひとりで予ほうができる広さは、まだ東京23区ほどのせまいところだけなんですね。日本全国となるとひとりでいくらかんがえても時間がたりません。 ですから、どのテレビ局の天気予ほうも、気象庁(きしょうちょう)の予ほうをわかりやすくせつめいしていることがほとんどなのです。 ときどき、気象庁とはちがう予ほうを出しているテレビ局もありますが、それは大きな「天気予ほうをする会社」におねがいしているんです。 それでも、元のデータはやっぱり気象庁からもらっているので、大きなちがいはありません。 そういう会社には、たくさんの気象予報士の人がいて、とても頭のいいコンピューターもありますが、それでも予ほうをはずすこともあります。 それがあまり多いようだと、少しお金をへらされるなんてこともあるみたいですね。 だからこれからは、予ほうがたくさん当たる会社は、高いお金をはらわないと予ほうしてくれなくなるなんてことが出てくるかもしれませんね。


日本テレビお天気キャスター  木原 実 先生
Q. 雨がふりそうになるとカエルが鳴くのですが、カエルは雨がふるのがわかるのですか? 小4・おんな
A.

カエルが天気のことをわかるかといえば、ぼくはわからないと思います。キミは「カエルがなくと雨がふる」と言っていたけど、じつはカエルはしょっちゅう鳴いているんですね。

だから本当は、「カエルに雨がふるかどうかわかる」のではなくて、ぼくたちがなんとなく「カエルがないたから雨だな」と思っているわけです。カエルは、陸の上と水の中のどちらにも住むことのできる「両生類(りょうせいるい)」という動物の仲間です。

とはいっても、陸に出るときは、皮ふがぬれていなくてはいけないんですね。だから、雨がふる前のしっとりとした空気がうれしくてゲロゲロとなくんだ、という人もいます。でも、ぼくは、「ここはぼくのなわばりだぞ」って鳴いてたりすると思うんだよね。お天気とはあまり関係がないのではないかと思うんです。

ただ、お天気についてのこういった言い伝えはほかにもあります。たとえば、「あさニワトリが鳴いたら晴れ」。でもニワトリはよく鳴くでしょ。「茶柱(ちゃばしら)が立つと晴れ」というのもあるけど、安いお茶だと、茶柱は立ちやすいんですね。

でも、こういったものはたくさんあるので、中には本当なものもあるかもしれませんね。


お天気キャスター 森田 正光 先生
Q. アンモナイトの化石(かせき)などが黄鉄鋼(おうてっこう)という石になっちゃうことがあると聞いたのですが、それは何なんですか 中2・男
A.

よく知ってますね〜。 黄鉄鋼(おうてっこう)は、よくみがくと金のように光ってとてもきれいな鉱石(こうせき)という、石のなかまです。 見たことあるの?

こども:1コ持ってるんです。

そうか、持ってるんだ。 とてもきれいでしょ。

そして、たしかにヨーロッパでとれたアンモナイトの化石(かせき)で黄鉄鋼(おうてっこう)になってるものがあるんですね。 で、これはなぜ化石ができるのか、ということにもなるんですけれども、アンモナイトは中生代(ちゅうせいだい)という時代の海の中にいて、そのあと地めんの中で化石になったんですね。 その時、もともとのアンモナイトの成分(せいぶん)と地めんの中のぶっしつが入れかわっていくんです。

だからまわりに黄鉄鋼があるところでアンモナイトが化石になると、アンモナイトの成分と黄鉄鋼が入れかわっていって、何千万年もたつうちにアンモナイトが黄鉄鋼にぜーんぶ入れかわってしまうんですね。 そうすると、地めんから出てきたときには、金のアンモナイトかと思うほど、きれいなアンモナイトが出てくるんです。 ということは、化石にしみこんだ地めんのぶっしつを見れば、どういう所で化石になったかが分かってくるんですね。 黄鉄鋼のほかにも、マンガンしつのまっくろい化石が出てきたり、色々な化石が出てくることがあるんです。 ほねがそのまま残っている化石もあるけれど、まわりの地めんの成分がしみこんでいくば合もあるということをおぼえておいてください。


イラストレーター・ヒサ クニヒコ 先生
Q. なんではれや雨があるんですか? 小3・男
A.

うーん、むずかしい。「人間ってなんでいるんですか?」と同じぐらいむずかしいなぁ。なかなか本当のところはわからないんだけど、ただひとついえることはぼくたちの住んでいるちきゅうには「水がある」ということです。海にはいっぱい水があるでしょ。川にもいっぱい水があるでしょ。その水が氷(こおり)や水じょう気、それからくもになったりと、いろいろと形をかえるわけ。

こども:くもも水じょう気でできているんですか?

そうそう、よくみるとおふろのゆげといっしょで、水のつぶなんだよ。おふろのゆげをじーっと見ていると、つぶが見えることがあるよ。あれは飛行機にのっているときにくもの中に入ると、キリの中に入ったように見えるんだけど、キリもくもだよね。そういうふうに、水はちきゅうの上でいろいろと形をかえているんです。ですから、空気に水がみんなとけこんじゃっている時は「はれ」。それからくもになっているときは「くもり」、そして空気にとけきれなくて水になってでてきちゃうと「雨」といったぐあいなんだ。そして、その雨が川になって海にいって、それがまた太ようの力でじょうはつして空気にとけていって・・・というふうにくりかえしていくの。わかったかな。


お天気キャスター・森田 正光 先生
Q. 太陽がもえなくなるときはあるんですか?そのとき、人間はどうなりますか。 小5・おんな
A.

太陽ってたしかにもえていますよね。そのようすは、むずかしいことばでいうと、「水素爆発(すいそばくはつ)」といいます。太陽は地球ができるずっと前からもえているといわれていますが、地球ができてからどれくらいになるか知っていますか?およそ46おく年だといわれているんですね。でも、太陽はそれよりももっと昔からあって、もえつづけているんです。

地球は太陽の外がわをまわっている「惑星(わくせい)」という、自分では光を出せないしゅるいの星なんですね。太陽は自分でもえて光を出す「恒星(こうせい)」というしゅるいの星で、地球よりもじゅみょうが長いんです。だから地球は、太陽がなくなる前になくなってしまうでしょう。そして、地球がなくなるときは、「太陽にすいこまれちゃう」といわれています。それは太陽がどんどん大きくなって、地球を飲みこんじゃうからです。

女の子:その地球絶滅(ぜつめつ)はいつ頃起きるのですか?

これは、少なくとも何十億年後になると思います。でも、今 人間がいろいろと環境破壊(かんきょうはかい)をしているでしょ。だから、みんなで環境を守っていかないと、地球がなくなるまえに人が地球に住めなくなっちゃうと思います。


気象予報士・森田 正光 先生
Q. ぼくは円周率(えんしゅうりつ)を「3.14」と習ったのですが、こんど「3」になると聞きました。なにかこまらないんですか? 小6・おとこ
A.

みんなが学校でなにを勉強するかは、文部科学省(もんぶかがくしょう)がきめています。さいきんは、「ゆとり教育」といって、じゅぎょう時間をへらしているんです。どうしてかというと、「みんなが学校でいっしょに勉強することをギュッとしぼって、そのぶん自分で勉強したりしらべたりする時間をふやそう」ということなんですね。

その中で、円周率(えんしゅうりつ)は、教科書の中では「3.14」となっているけれども、ばあいによっては「3」として計算してもいい、としたんです。計算をかんたんにすることで「ゆとり」が生まれるようにしたんだね。

ただそれがいいかどうかはまだわかりません。キミも習ったと思うけど、円周率は3.14のあともずーっとつづいています。じつは、ぼくはその3.14のつづきをどこまで計算できるか、ということをけんきゅうしているんですよ。みんなも円周率って暗記(あんき)したりするよね。キミはどう?

こども:3.141592653・・・

お、すごいね!ぼくは、暗算(あんざん)したり、暗記したりすることは、頭のトレーニングになると思っています。でも、円周率が「3」になると、みんな暗記する気がなくなっちゃうと思うんだよね。 だから、じゅぎょうで先生が「円周率はずーっと無限(むげん)につづくんですよ」といってくれれば、みんな「どこまでつづくのかな」とか「無限って何?」ってきょうみをもってくれると思うんだけどなぁ。

でも、3.14のつづきを2061億(おく)ケタ以上も計算しているぼくとしては、3だけになっちゃうのはさびしいですね。


東京大学情報基盤センター教授・金田 康正 先生
Q. 液状化現象(えきじょうかげんしょう)はどうして起こるの? 小3・おとこ
A.

どうしてそう思ったの?

こども:ぼくは広島に住んでいて、地しんがこわかったからニュースを見ていたら、学校の校庭が水びたしになっていたのでどうしてかなと思ったんです。

なるほど。それはとてもこわかったね。キミの言うとおり、今回の地しんでは液状化現象(えきじょうかげんしょう)というものがたくさん起きたんだけど、これは地しんのとき、地めんをゆらしている波が、地めんの下にある地下水などを持ち上げてしまうことで起きるんです。

そして、持ち上げられた水が地めんの上に出てくるときに、地めんの下の砂がいっしょに吹きだしてきてしまうの。そうすると、それまでかたかったところがグニャグニャにやわらかくなっちゃうんです。このことを「液状化」とよんでいます。うめ立て地や砂地に多く起こります。地めんがグニャグニャになってしまうわけだから、そこにビルがあると、地めんがビルを支えられなくなってその部分がしずんでしまったり、かたむいてしまったりすることもあります。

東京にあるうめ立て地にはちゃんとした土台(どだい)を入れてあるんだけど、すごく大きな地しんがくると、ビルが土台からずれることも考えられるとおもうので、注意しなくてはいけないとおもいます。もう少しすると、今回の地しんで起きた液状化現象についてくわしくわかってくるとおもうので、そうしたらこの現象を防ぐいい方法がみつかるかもしれないね。


青山学院初等部 部長・樋口 善一 先生

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