おてんき・かがく

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Q. 太陽と地球のエネルギーはどっちが多いの? 小3・女の子
A.

巽先生:けつろんから言うと、あなたが思っているよりもずっと大きなエネルギーを太陽がもっています。たとえば大きさから見ても太陽と地球ではぜんぜんちがいます。

中村先生:太陽は地球の109倍も大きいんだよ。

巽先生:それだけ太陽は大きいし、重いし、重いということはそれだけエネルギーを持っているということです。それに見て分かるように太陽はひかっていますよね。今も燃えていて、すごいエネルギーを出しています。地球は中のほうしか「とけていません」ので、そういったことを見ても太陽のほうが大きなエネルギーを持っています。

中村先生:太陽は、燃えているから光っているし、それに熱も出しているよね。自分で光や熱を出しているの。そういった星を恒星(こうせい)といいます。いっぽう地球は惑星(わくせい)といって、太陽のように光や熱を出しているわけではありません。地球は太陽の光がはねかえって宇宙の中でも光っているように見えるわけです。太陽は自分でもえて光や熱を出しているからそっちのほうが、すごく大きなエネルギーをもっているんです!


海洋科学技術センター:巽 好幸 先生・科学ジャーナリスト:中村 浩美 先生
Q. 地球のマグマは電気やエネルギーにできますか? 小2・男の子
A.

巽先生:今もじっさいにいくつかのところではマグマを電気に変えることをしています。なぜそういったことができるかというとマグマは温度がすごく高いでしょ。1000度いじょうあるんですね。1000度いじょうあるそのエネルギーをうまく使うと電気を作れます。マグマのエネルギーは「熱エネルギー」というんですけど、それをどうやって電気に変えるかというと、じつはちょくせつマグマからエネルギーに変える事は出来ません。だから、マグマの熱を使って発電所で水をあっためて水蒸気を作って、タービンを回して発電をしています。これを地熱発電といいます。

お姉さん:マグマは無くなってしまったりしないんですか?

巽先生:地球は生まれてから46億年たっていますけども、まだまだエネルギーをもっています。ですからマグマがなくなることはないと思います。日本にもマグマの熱を使って発電する発電所が、東北の方や九州の方にあります。

お姉さん:温泉があったかいのは地球のエネルギーを使っていることになるんですね。


海洋科学技術センター:巽 好幸 先生
Q. 風はどこからくるんですか? 小4・女の子
A.

風はあまっているところから足りないところにふいて行くんです。空気って地球上のどこにでも同じようにあるわけじゃなく、空気がいっぱい集まっているところもあれば、足りないところもあるんです。お天気では、空気のいっぱいあるところを高気圧(こうきあつ)と言います。そして空気のちょっと足りないところを低気圧(ていきあつ)と言います。そして空気がいっぱいある高気圧から低気圧のほうにむかって風はふいていくんです。じっさいには、それに地球の回転が加わって向きが多少変わったりもするんだけれど、基本的には空気がたくさんあるところからあまりないところに向けて空気が流れていく、それが「風」なんです。


お天気キャスター:木原実 先生
Q. まえ、理科の勉強で”かがみ”をつかって日光をはねかえして、光の道すじを作ったんですけど、なんで光のすじができるのですか? 小3・男の子
A.

ひかりの道すじは見えた?

こども:はい。光のあるところから”かがみ”を使って影のほうにむけたら光の道すじが見えました。

まず光は、ふつう見えないんです。たとえば、電球から出ている光でもなんでも光は見えません。しかし、そのとちゅうに光をはねかえすもの、たとえば紙などのものを置くとその物がはねかえした光は見ることができます。部屋の中だと、“ほこり”などが、強い光をはねかえしてくれます。きみのやった実験などでは、たとえば“けむり”をたいたりするとよく見えるようになりますよ。けむりって小さな“つぶ”のあつまりだから、それに光が当たるんです。とにかくこまかい“つぶ”が空気の中にないと光の道すじって見ることが出来ないんです。
では、なぜ光そのものは見えないのか、それは光ってまっすぐ進むからなかなか目の方向に飛び込んできてくれないんです。ですから、光が自分の目の方向と違う方向に行っているとそれは見えないんですね。その時は自分の目の方向に光をはねかえしてさせないといけないから、何かものをおいていろいろな方向に光をはねかえしてさせるようにしていかなくてはいけないんですね。そうすることで、自分の目に光をはねかえさせるんです。ふだん、見えない光がみえることはそこになにかしらのものがあるからなんですよ。


サイエンスプロデューサー:杉木優子 先生
Q. 「霧雨(きりさめ)の時の雨のつぶ」と「大雨の時の雨のつぶ」では、大きさは同じなんですか? 小5・女の子
A.

これは大雨のほうが、つぶが大きいです。もちろん、時によってちがってしまいますが、霧雨の雨つぶは、大きさでいって0.1ミリメートル以下です。1ミリって1センチの10分の1ですよね。そのまた10分の1ぐらいなんですよ。いっぽう、大雨のつぶだと2ミリメートルから3ミリミリメートル。大きいのだと4ミリから5ミリメートルもあります。すごく大きいよね。そして霧雨よりも小さい雨つぶは「雲のつぶ」です。雲のつぶというのは、お風呂の「ゆげ」とおなじようなものです。光によって見えたり見えなかったりするあれが一番小さい水のつぶなんです。これは本当に小さくて、ふつうの雨つぶの100万分の1ぐらいの大きさです。そう考えると、雨つぶはけっこう水を持っていますよね。では、何でこういったふうにつぶの大きさが変わるのでしょうか。それは、空の上の方のようすによって変わるんです。
ふつうの雨は、空の高い所ではみんな氷です。氷にたくさん「すいじょうき」がくっついて、形になったのが、雪なんですね。雪のつぶはよく見えるぐらい大きいよね。それが空からふってきながらとけたのが雨なんです。だから、この時の水のくっつきぐあいで、氷の大きさとかがちがってきて、雨つぶの大きさも変わってくるんです。
今度、雨つぶの大きさをあなたもはかってみてください。やり方は、小麦粉をお皿に広げて、雨の中に持っていきます。それが、雨つぶが当たると「あと」がつきます。その大きさで、雨つぶの大きさがだいたいわかりますよ。


お天気キャスター:森田正光 先生
Q. 火星はいつごろになると見えなくなるくらい小さくなるのですか? 小5・女の子
A.

火星はもう見たのかな?

こども:こいオレンジ色で、小さかったけど明るかったです。

火星のだいせっきんが話題になって、みんなお月さまくらい大きく見えると思ってしまったかもしれないけど、思っていたより小さいなぁと思ったんじゃないかな? ぼうえんきょうで見て、初めて大きくなったかなと思えるぐらいなんですね。実はね、今年いっぱいはぜんぜん火星は見えてますし、来年の初めもじつは見えてます。それに、どんどん遠くなって小さくなっていって、空から見えなくなってしまうということはないんです。時期が来ると昼間にお空にのぼるようになるので、そのときは見えなくなりますが、それでも今年いっぱいは空から見えなくなることはないです。


プラネタリウム解説員:福永 則子 先生
Q. 電池が入っていて頭を叩くとしゃべる“あひる”の人形があるんですけど、それがかみなりの日には頭を叩いていないのにしゃべるんです。あと、近くのアイロンのスイッチを入れた時もガーッと言うんです。何でですか? 小5・男の子
A.

柳田:これはかみなりとかアイロンのスイッチを入れた時は、頭をたたいた時と同じような鳴き声で鳴くのかな?

こども:はい

柳田:それならばかみなりやアイロンによってスイッチが入ったとしか考えられませんね。つまりスピーカーが入った人形が、かみなりやアイロンのスイッチが入った時に、スピーカーに変化がおきて音を出すならば、ぜんぜん違う音がするはずです。しかし、いつもと同じ鳴き声であったのならば、それはスイッチが入ったと考えられますね。どうしてかみなりとかでスイッチが入るかというと、かみなりがなることでそこに急に電気があらわれるわけです。なかった電気が急にあらわれるとそこがいっしゅんだけ急に“じしゃく”になるんです。で、スイッチが入ったんじゃないかなとそうぞうします。アイロンのスイッチが入ったときも急に電気があらわれるわけで、そこのあたりもじしゃくになるんですね。

お姉さん:かみなりが落ちたりするとやっぱり家の機械にえいきょうって与えますか?

森田:実際、かみなりが落ちた時はコンピュータがまちがった動きをしてしまったり、データがきえてしまったりします。だから気象庁(きしょうちょう)は、かみなりが落ちたという証明書を出したりします。そうしたら、会社の人がわざとデータを消してしまったんじゃないって証明できますからね。

柳田:それほど、しんぱいするようなことではないと思います。そのおもちゃで遊ぶのもなんの問題もありませんよ。


お天気キャスター:森田正光先生/空想科学研究所主任研究員:柳田理科雄 先生
Q. 自由研究で同じ量の100度の熱湯と0度の氷を同じボールに入れて混ぜたら、50度になるかと思ったのに10度でした。どーしてですか? 中1・男の子
A.

それは、0度の氷を0度の水にするのに、とてもたくさんの熱を使うからなんです。100グラムの氷を100グラムの水にするには、それだけで、水の温度を80度にするぐらいのエネルギーがひつようなんです。中学1年生だったら「融解熱(ゆうかいねつ)」という言葉を覚えてもいいと思いますが、「融解」というのは、氷が水になったり、かたい鉄がどろどろの鉄になったり、固体(こたい)が液体(えきたい)になることを言います。固体の時はがっしりと分子同士がむすびついていますが、これをバラバラにするには、すごいエネルギーを使ってしまうんです。0度の氷を0度の水にするのに80度ぶんのエネルギーを使ってしまうわけでしょ。その時点で100度の熱湯は20度に下がっているわけです。そこから20度の水と0度の氷が勝負したからちょうど間の10度になったわけです。これは融解熱というを調べるにはすばらしい実験ですね。


空想科学研究所主任研究員:柳田理科雄 先生
Q. 雲は一日にどのくらいの速さで動くんですか? 小4・男の子
A.

これは簡単そうに見えてすごくむずかしい質問。雲はね、みんな動くと思っているじゃん。でも動かないで、そこで消えてしまうのもあるんです。出来ては消え、出来ては消えしているんですね。でね、ふつうには上空の風の速さによって決まるんです。雲の高さによっても違うんです。飛行機なんかに乗るとすごいはやく動いている雲を見ることが出来ると思うんですけど、風速30メートルぐらいで風が吹いているとその7割ぐらいの早さ。つまり秒速20メートルぐらいで進みます。これを時速になおすと70キロぐらいで動いているんです。

おねえさん:今、荒川の公開生放送の会場はどよーんとした空ですが、これは雲は動いていないですか?

動いていないように見えているけど、出来ては消えをくり返していますよ。これだとだいたい時速30メートルから40メートルぐらいで動いているんですよ。これはすごく大切なんだけど、時速40キロで動いているということは1時間以内にここからだいたい40キロ遠くにいる人たちは、今の天気が起こると言うことです。だから今、40キロ遠くのほうで雨がふっていないと、この時間くらいも雨はふらないなぁと考えられます。こうやって天気予報をするんです。雲の動きって色々な流れがあるからこれって決められないんだけれども、普通は時速40キロから50キロぐらいの動き、車と同じくらいの動きになります。


お天気キャスター:森田 正光 先生
Q. 北海道には梅雨がないとお母さんが言っていたんだけど、どうしてですか? 小6・女の子
A.

気象庁(きしょうちょう)は、毎年梅雨入りの発表をしています。これは、南から北のほうにじゅんじゅんに発表していきます。ところが、あなたの言うとおり東北地方の発表が終わったら、そこから先の発表はないんです。北海道の梅雨入りってないんですね。気象庁が発表していないということは、気象庁では「梅雨」は無いと思っていると言うことになります。
しかし、「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」という言葉もあります。「蝦夷(えぞ)」は北海道の昔の地名でなんですね。ですから、「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」というのは北海道の梅雨という意味になります。やはり北海道にも雨や雲が多くなる日はあるのです。考えてみれば、梅雨と言うのは梅雨前線という前線がだんだん南から北に上がっていって、それが日本列島に雨を降らせているということを言います。南のほうから、北へ向かってどんどん雨をふらせていくんですけど、東北で雨がなくなってしまうわけじゃないんです。時には北海道まで前線が行って、雨がふることがあります。
でも北海道は梅雨の時期に雨がたくさんふるという事はあまり無いんですね。だから気象庁では梅雨が無いことにしています。でも、1年のなかで見てみると7月などは雨や雲が降るときがあるんですよ。


お天気キャスター:木原 実 先生

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