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スタッフインタビュー

撮影 森哲郎さん

カメラマンから『家族狩り』の魅力・工夫されたところはどこですか?

登場人物たちが“家族の問題”に対して必死に取り組んでいる姿は、とても迫力があり引き込まれます。カメラマンは最初の視聴者でもあり、撮影中はいろんな人間模様を身近に感じることができるので、ワンカットワンカット『家族狩り』の空間を作り上げていく作業がとても楽しいです。
原作では一家心中?殺人?がとても残酷に描かれていますが、ドラマ版はどちらかというと緊張感の中に美しさが見え隠れします。また、“家族”の姿をリアルに描いていて、ほっとするコミカルなシーンもあるので、「怖い」とか「暗い」とか「明るい」といった統一したものではなく、“日常感”を出したいと思いました。

“日常感”を出す上で、デジタルシネマカメラを使用されたとのことですが……。

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今回、SONYの「PMW-F55」というデジタルシネマカメラを使用しました。このカメラのいい所は、太陽など光があたっている部分・影になっている部分の両方を活かした“光の加減”がきれいに映し出されること。照明と合わせることでより美しい映像に仕上がります。技術的には、光のバランスをコントロールするカメラの機能、色をコントロールする機器、照明とのチームワークで質感を作っています。 『家族狩り』にはサスペンスの要素もありますから、暗い映像をイメージする方もいると思います。けれど僕は、“游子が様々な問題に立ち向かっている。そこには希望がある” “苦しくても辛くても懸命に生きる家族の姿”を視聴者のみなさんに伝えたいと思ったので、光のバランスをキレイに映し出せるこのカメラを選びました。そして、明るい世界の中にいる登場人物を撮ることにこだわったので、それがうまく伝わっていればといいなと思います。

坪井監督のインタビューで、“カメラとレンズの特性をなるべく生かした”というお話がありましたが…

今回は単焦点レンズとズームレンズを何本も用意し、“役者とカメラの距離、アングル、レンズサイズ、照明、背景”が与える効果を総合的に考えて最も適したレンズを選びました。専門的な話になりますが、レンズによっては、“フレームの中の情報量は多いけれど、ピントが合っているとこはひとつしか無い”という奥行き感のある表現ができます。「背景が美しくボケて、背中にピントが合っている」といった効果を使うことで、登場人物の後姿であっても“深みのある哀しさや重み”を印象的に伝えられるのではないかと考えました。

第1話の冒頭、游子が線路沿いを歩いているシーンが印象的でした。

あのシーンは、游子の背負っているものを画で印象的に表現したいと思ったので、坪井監督とは何度も話し合いました。日常の背景の中で、游子の表情は時々しか見えない。怖さとも美しさとも違う、このドラマを象徴するシーンです。3月下旬の18時頃だったかな。厳密に時間を狙って撮影しました。照明も色使いもこだわりました。クライマックスを知っているからこそできるとっても雰囲気のある少し謎めいた画に仕上がったと思います。

森さんにとって「家族」を一言で表すと?

家族……すごく難しいですね。
僕にとっては親も家族だし、妻や子供も家族なんですけど……。
「死ぬ前に思い出すのは、家族のこと」だと思います。
つかず離れずで生きていることもあれば、べったりで生きていることもありますけど、死ぬ前には家族とのことを思い出すんだろうなぁと思いますね。

最後にメッセージをお願いします。

『家族狩り』のテーマは重く苦しいものですが、“美しい映像”にこだわって撮影しました。
時間がゆっくり流れているように見える“スロー”や時間が止まったかのように見える“タイムスライス”など様々な手法で撮影しているので、その場に居るかのような臨場感や登場人物の躍動感が表現出来ているのではないかと思っています。 最後まで楽しんでご覧いただけたらうれしいです。

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