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スタッフインタビュー

プロデュース坪井敏雄さん

『家族狩り』の演出を担当することになった経緯をお聞かせください。

昨年、プロデューサーの植田さんと一緒に『安堂ロイド』というドラマをやらせていただいたのですが、その作業が年末くらいまでありまして。一息ついた年明け早々に、『家族狩り』をやって欲しいと植田さんに声をかけていただきました。それを受けて、初めて原作を読ませていただきました。

原作を読んだ感想はいかがですか?

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家庭内暴力、介護、家族の悩みなど、かなりハードな内容ですが、読み終わった後にそれがリアルに突き刺さって“僕の家族はどうだろう?”と、自分を振り返りました。僕は結婚して子供がいるのですが、自分の家族、両親、妻の両親、家族のことをもっと考えなければいけないと思いました。

小説をドラマ化することに関してどのように感じていますか?

まず、映像化するにあたっては“さじ加減”が重要だなと思いました。『家族狩り』は人間ドラマではありますが、“一家心中事件”というミステリーの要素も含んでいるので、ドキュメンタリのような生々しすぎる映像にはしたくない。家族の問題や登場人物の抱えている悩みって、撮影している僕らでさえその場にいて苦しくなってしまう。そのリアルさを視聴者のみなさんにも感じていただきたいけれど、一家心中の凄惨な姿はあまり見せたくないので、そこの表現を植田プロデューサーとも話したのですが、テレビドラマとしての“映像の美しさ”を大切にし、キレイな映像を重ねていくことにこだわりました。

美しい映像を撮るこだわりとは?

撮影の森さんと事前に相談して、「F55」というカメラを使用して撮影しています。ドラマは撮影期間が限られているのでレンズ交換なども含めて余分に撮影時間を取れないのですが、今回はなるべく時間を取ってもらって、カメラとレンズの特性をなるべく生かす……ボケ味や明るさなどにこだわることで、美しい映像に仕上がるように工夫しました。
あとはセットもこだわりました。美術デザイナーの青木さんと相談したのは、その空間で生きている人のリアリティを出すセットにしようと。家族をテーマにしているので、あまりに現実味のないセットを作ってしまうと視聴者のみなさんにリアルに感じ取ってもらえないだろうから、とくに登場人物の住んでいる家に関しては丁寧に作っていただきました。

1話の中で印象的なシーンはありますか?

“電車”ですね。游子さんが歩いている横を電車が通り過ぎていくのですが、“氷崎游子の闇の部分”を映像として面白く描けたと思います。松雪さんも“(游子を)掴めた”とおっしゃってくれたので印象に残っています。あと1話でいうと、“臭い”をどのように表現しようか悩みまして、編集でエフェクト(映像効果)MAでSE(音響効果)を入れてみたら意外とハマったので気に入っています。

松雪泰子さんの印象はいかがですか?

松雪さんとは初めてご一緒させていただいたのですが、台本の読み込みが深い方です。役柄、ストーリー、お芝居など全てに関して建設的に考えてくださるので、演出していた楽しいですし、助けられます。今回、キャストからもスタッフからも『家族狩り』への“熱”を感じるのですが、松雪さんが先頭を切って“熱”を加えてくださったことで、“負けられない!”と全員がクオリティをあげてスタートし、誰もそのクオリティを落せないというか、落したくないという思いで作品に立ち向かっています。松雪さんから『家族狩り』への愛情がひしひしと伝わるので、僕も自分のお尻を叩いて必死に戦っています。

伊藤淳史さんの印象はいかがですか?

伊藤さんとも初めてなのですが、常にアイデアを持っていて現場で話し合いながら前向きに作り上げてくださる方です。重いテーマの中で、(伊藤さん演じる)浚介はコミカルなパートも担っているのですが、浚介の明るさと悩みをうまい具合に調和して演じられていて、伊藤さんのスキルを全部この作品にぶつけていただいています。伊藤さんご自身が明るい方なので現場の空気も和ませてくれますし、松雪さん同様『家族狩り』への“愛情と熱”を感じます。

遠藤憲一さんの印象はいかがですか?

遠藤さんとは何度もご一緒させていただいているので、「また、お願いします」という感じでスタートしました。遠藤さんが演じる馬見原ですがこの作品では、“刑事”だけでなく、“夫”“父”としても描かれているんです。ドラマって、刑事役だと刑事の部分がメインで家族との生活があまり描かれることがないので、遠藤さんが「挑戦」だとおっしゃって、刑事役でありながら家族との生活も描かれることを非常に喜んでらっしゃいました。刑事である馬見原と家族の中の馬見原に関しては、遠藤さんとも相談しながら楽しくやらせていただきました。 『家族狩り』の冒頭は、松雪さん演じる氷崎游子と家族、伊藤さん演じる巣藤浚介、遠藤さん演じる馬見原と家族が、それぞれの生活が描かれるので交わることがないんです。それぞれがどのようなテンションのお芝居をしているのか分からないので、みなさん気にされていたみたいなのですが、1話の編集途中の素材を遠藤さんに見ていただいた際に「すっごくいい!!」と褒めてくださってすごく嬉しかったですね。遠藤さんの言葉で、“間違っていなかった”と確信できました。

游子、浚介、馬見原以外で、坪井監督がこだわったキャラクターは?

難しいなと思ったのは北山くん演じる渓徳のテンションです。重いテーマの中で、渓徳は非常に重要なポジションを担っているので、北山くんとは何度も話し合いました。時間があると、「このシーンなんだけど、どうしようか……」と相談して、渓徳のキャラクターを作り上げました。北山くんが愛情いっぱいに演じてくれたので、いい雰囲気に仕上がっていると思います。 あと、山口紗弥加さん演じる清岡美歩に関しては……台本以上にキャラクターを作ってしまったので、僕が演出した部分は「やりすぎだ」と言われないかちょっと心配しています(笑)。

氷崎家のシーンでは松雪さんはもちろん、浅田(美代子)さんも井上(真樹夫)さんもどうすれば家族をリアルに演じることが出来るかを非常に丁寧に考えてくださいました。母と娘、夫の介護、父の介護……家族にしか分からないリアルを伝えるために、話し合いを重ねて、色々なことを試してくださったので感謝しています。

この方は、このシーンは、と話していると延々と全部しゃべることになってしまいそうなので……登場人物すべてにこだわりはありますし、キャストの皆さんにもこだわっていただきました。

坪井監督にとって家族とは?

「味方」ですね。 困ったとき、苦しくなったときに、戻れる場所が家族。僕に何かあると助けてくれるし、家族に何かあったときには僕が助けなきゃいけない。苦しいときには手を添えて話を聞いてあけたい。それぞれがお互いの“一番の味方”でないと家族でいる意味がないと思います。家族には何でも話せるし、何でもさらけ出せるし、きつい事も言ってしまいがちですが、家族が味方でなく“敵”になってしまうことが一番恐ろしいことなので、僕はいつまでも味方でいたいと思います。

最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。

全キャスト、全スタッフが本当に真剣に天童荒太さんの原作に向き合い、愛情をそそぎ、テレビドラマ版「家族狩り」を作り上げております。
「家族とは何か?」と皆様に問いかける問題作でもあり、コメディ的な要素も含めエンターテイメントとして濃密な作品になっておりますので、幅広い世代の方々にお楽しみいただきたいと思います。

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