長い間刑事をしているといろんなことがありまして、幽霊を見たこともあります。
所轄の刑事係長をしていた頃の話です。
ある時、若い女性が飛び降り自殺をしたと言う連絡が入り、何人かで死体検案のため病院に行ったんですね。そうしたら病院のロビーに赤いセーター着た女性がいたんですよ。その女性が、シクシク泣いているんです。私はご遺族の関係者かなと思って、声をかけたのですが何もお答えせず、ただシクシク泣いていただけで。
そんなところで、部下が私を差し置いてどんどん先に霊安室に行っちゃうんですね。「ふざけた野郎だ」と思いながら(笑)その後に続いて霊安室に行ったら、そこに先ほど話しかけた女性が横たわっていたんです。
検案が終わった後「大澤警部補、さっき何やってたんですか?誰と話していたんですか?」と聞かれたから、「お前たち見えなかったのかよ!」ってね。
私だけが見えたんですね。
なかなか信じてもらえないのですが、本当の話なんです。