岩城滉一さん/磐台 修一役
悪役をやりたいな…と思っていたときにちょうどこのドラマの話をいただいたんだけど、この磐台というヤツは、同じワルでもどちらかというと陰険なワルですよね。ワルといってもいろんなワルがあると思うんだけど、陰険さが先に立つようなワルではなくて、もっとわかりやすいワルとして演じられたらいいな、自分だったらそれができるかなと思って、磐台の役を引き受けたんです。
それと、ちょうどこのドラマが始まる頃だったかな、ある番組で医療ミスについて紹介していたのをたまたま観たんだけど、アメリカでは年間20万件以上の医療ミスがあるらしくて、日本でさえも1万件以上の医療ミスが起きているらしんだよね。訴訟が起きたりニュースに取り上げられるのは、本当に極端に大きなミスだけであって、それ以外の軽微なミスというのは山ほどあるらしい。そんなことを考えながらこのドラマの撮影に入って、すごくタイムリーな感じはしましたね。
特に役作りということではないのだけど、パッと見は大学病院の教授だけど、コイツはワルだなと思ってくれるよう、佇まいやセリフの言い回しなど、陰険な感じにならないよう、それなりには意識していますね。
そうそう、ここの監督がすごく良く出来た人で(笑)、どう演じてほしいかとか、私の方からの質問に対しても、一つひとつ的確に答えてくれるから、ものすごくやりやすいんですよ。ホント、しっかりとしたコンセプトができているからだろうね。そこに私の方から、「こんな感じはどうかな?」って提案するときもあったりして、「それ、ぜひいただきます!」という感じで、やり取りも小気味良くていいですよ。
プロデューサーの高橋さんが3年間、温めていたというドラマだけど、ストーリーのおもしろさはもちろんのこと、主演の上野樹里さんがものすごくいいよね。撮影の合間にはいろいろと世間話もするけど、いざ本番になって、それを放送で観ていると「えっ、これが樹里ちゃん!?」って、思わずビックリするもんね。
この明日美という人物を、本当に魅力的に演じていると思います。いくら役に対して感性が合ったとしても、ここまで見事に嵌ることってなかなかないことだと思うな。
第1話から順番に復讐の相手が登場してきて、ドラマを観ているみなさんからすれば、第4話で磐台がターゲットになったことは、ちょっと早すぎじゃないかって、ビックリしたと思いますけど、テンポ良く外堀から固めていく様はよかったと思う。後半を迎えてどんな展開があるのかわからないけど、いきなり最終回で、今までのいろんなことがパタパタと解決するような作りにだけはしないでくれってお願いしていて、そこのところはとても丁寧に作られていると思います。
正直、最初に台本を読んだときには「なんかパッとしない役だな…」なんて少し思っていたんだけど(笑)、これがやっていくうちにドンドン嵌ってきたんですよね。台本に関しても「この次はどうなるんだ?」って、すごく楽しみにしていますし、これから最終回に向かって一体何が起こるのか? 私自身が楽しみだし、ドラマを観てくれているみなさんも、ぜひ楽しみにしていてほしいですね。