中村梅雀さん/水野和史役
主人公が復讐に燃えるという物語というと、なんとなくダークな感じはしますが、「親の敵討ち」というと日本古来からあるもの。そういった部分でみると、大筋としてはある意味、定番といえるかもしれませんが、最終回までのプロットを読ませていただき、物語はもちろん、自分が演じる役の存在も、ものすごくおもしろいなと思いまして、ぜひこのお仕事をさせていただきたいと思いました。
最初のプロットや各話の台本を読んでいると、こういった医療ミスは当然あるのだろうなと思います。それこそ藤原紀香さん演じる伊達の「医者は3人殺してからが一人前」というセリフも、医者の世界では一般的な感覚かもしれないですよね。別の言い方をすると、それだけの度胸がなければ、年間に何百人もの患者さんと向き合えないかもしれませんね。
僕が演じる水野が登場するシーンは、この物語の中で、明日美が唯一ホッとできる場所なので、そこはそう見えるよう意識はしています。
それと、実は、水野は明日美に対してある隠し事がありまして、その隠し事を悟られずに明日美と接するという水野の気持ちは、演じる上で常に大切にしています。もちろん、その隠し事はここでは言えませんが、実は明日美を演じる上野樹里ちゃんも、そのことを知らないんです。これは、プロデューサーをはじめごく一部の人しかしらないことなのですが、樹里ちゃんもカンがいいので、水野にはなにか隠し事があるのではと感じているようで、撮影の合間、世間話をしているときに、それとなく探りを入れてくるんですよ(笑)。一体、水野にはどんな隠し事があるのか? みなさんも、ぜひ明かされるときを楽しみにしていただければと思います。
僕が演じる水野が登場するシーンというと、今のところ、樹里ちゃんと、オダギリさん演じる西門さん、それと、栗山さん演じる美羽さんが一度だけ来たきりなので、お会いする共演者は限られていますけど(笑)、スタッフのみなさんも含めて、とても良い雰囲気の中でお芝居をさせていただいています。
樹里ちゃんとは、以前にNHKのドラマで共演させていただきましたけど、あの時も義理の父親みたいな関係だったので、今回の役とリンクするような感じです。あの当時から、一本筋の通った目をしているという印象がありましたが、今回、久しぶりに会ってみて、その印象は変わっていませんでしたね。自分に厳しく、とてもストイックに役へと入り込む姿勢はすばらしいです。
オダギリさんとは初共演なんですが、イイ感じのソフトさというか、グレーな部分の匂わせ方など、今回の役にすごくマッチしていると思います。栗山千明さんは、画面から感じる強い印象と違って、とても天然で可愛らしい方でしたね。
ドラマをご覧のみなさんそれぞれに、最終回はどうなるのか? 想像されていると思いますが、きっと、みなさんが想像しているもの以上のことが起こると思います(笑)。
一つだけ言えることというと、磐台教授も有馬教授も、その人なりの生き方に必死だったということでしょか。それと、このドラマは“復讐劇”が柱になってはいますが、その根底には“親子の絆”や“家族愛”というものがあるんです。それは、明日美とその父である小山内教授はもちろん、磐台も有馬もそう。なので、最終回はズバリ、そこがキーワードとなってきます。
僕個人的には、水野は今までほとんどバルでのシーンだったので、最終回の中で、どれだけ共演者の方とお会いできるかが楽しみです。今まで水野が抱えていたもの、想いをどれだけ充満させていて、いかにしてそれを表に吐き出すのか? そこは役者としてとても勝負所だと考えていますし、このドラマの大きな見どころだと思っています。ラストに向かっての緊張感をどう見ていただけるのか? ドキドキしながら今から楽しみにしていますので、ぜひ最終回もご期待ください。