栗山千明さん/星野 美羽役
ドラマのお仕事が決まったと聞いたとき、病院を舞台にしたドラマだと伺ったんですが、いただいた台本を読んでみると、舞台こそ病院ですが、特に医療系のお話に偏ったものではなくて、ドラマを観てくれた方たちが、上野樹里さん演じる主人公の明日美に共感してくれるような内容だなと思いました。
ドラマのテーマとしてある“復讐”ですが、言葉だけで復讐と聞くと、ちょっと怖い感じがしますけど(笑)、復讐される側にはわかりやすく悪い部分があって、主人公がそれを懲らしめていくというお話ですし、すごくテンポ良く展開していくので、ある意味、気持ちよさみたいなところも感じました。
原作のないオリジナル作品ということもあって、正直、どう演じればよいか、わからないんですよ(笑)。もちろん、「美羽ちゃんは素直で元気で」と、基本的な部分は監督さんから説明があったので、まずは“美羽の純粋さ”みたいな部分を大切にしていければ良いかなと考えていました。
でも、第6話の予告スポットで、美羽が明日美をひっぱたくところを見てビックリされた人は多いと思いますけど、第6話あたりから徐々に美羽のダークな部分が描かれていくんですね。実は、私も台本を読んでビックリだったんですけど(笑)、美羽のあの態度は、悠真さんと明日美との三角関係が原因だとは、観ている方も想像はつくと思うんですけど、第6話以降で「美羽が豹変した!?」とは思われないようにするにはどう演じればよいかな? と、ちょっと悩んでいるところです。
第4話で美羽の家庭が描かれていましたけど、素朴で幸せで平和な環境で育ったからこそ、病院内でちょっと浮いて見える明日美に声をかけるような優しい女の子に育ったと思うし、人懐っこくグイグイくる美羽と、それについ押されてしまっている明日美の、ちょっとぎこちないようなデコボコ感は、見ていておもしろいなって思っていたんです。そんな美羽も、第5話でキスシーンを目撃してしまってから、モヤモヤしていたと思うし、でも、明日美のことも友達だと思っているので、いろいろと葛藤があったはず。
第6話から、美羽のダークさが徐々に顔を出してくるんですけど、私としては、ガラッと人が変わったように見えてしまうのではなくて、たくさん悩んだ末に美羽の態度が変化してきたように見えるよう、演じられたらと考えています。
みなさん、シリアスな緊張感の中で演じてらっしゃいますけど、私が演じる美羽のシーンは、今までは比較的にほのぼのした部分だと思うので、和やかな雰囲気はあると思います。でも、別な言い方をすると、私が緊張感をかき消す芝居をしなければならないところもあるので、そこは逆に緊張しますね。例えば、何かを思いつめて佇んでいる明日美がいて、そこに美羽があっけらかんと声をかけるとか、そういうシーンはちょっと緊張しちゃいますね。
でも、今のところ、年齢の近い樹里ちゃんと中村くんとのシーンが多いので、撮影の合間は居心地良くさせていただいています。
またこの先、第6話では岩城滉一さんが演じてらっしゃる磐台先生と二人だけのシーンが初めてあったりして、これから徐々に大先輩方とご一緒させていただくシーンが増えてくるかもしれないので、すごく楽しみにしています。
明日美の復讐がどうなるかとか、悠真さんとの三角関係も気になるところだと思いますし、これからの見どころなのは間違いないですけど、先日いただいた第8話の台本を読んで、本当にビックリしたんですよ!
ドラマを観てらっしゃるみなさんが「えっ!?」って思うような展開が毎回ありますけど、ドラマに参加している私も、「次はどうなるのかな?」と予想はするんですけど、毎回、台本をいただいて、みなさんと同じようにビックリしています(笑)。私も、「第4話で磐台先生に目を付けるって早くない!?」って、思っていたんですけど、今まで見事に良い裏切られ方をしています。
これからどんな展開が待っているか私も知らないんですけど、明日美には復讐の代償みたいなものがあるのかなと想像しています。私が演じる美羽に関しては、明日美との間にわだかまりなどいろいろあると思いますけど、最終的には明日美が抱えていた辛い想いを理解してあげて、最終回を迎えてほしいと思っています。