特集

サウンドエンジニア土方裕雄さんの5.1ch サラウンド講座

インタビュー

Q:番組全体を通しての感想を聞かせてください。

石渡:
子ヌー、チーター親子、象の唸り声にライオンの求愛などなど。今回はかなりラッキーな偶然が重なりましたよね。
土方:
そうですね。想像していた欲しい音はかなり録れましたし、同時収録した音がこれだけ生かされている動物作品は本当に珍しい。私が今まで関わらせてもらった中で、本当に一番の出来だと思います。
石渡:
技術的な事はもちろん、土方さんがこの手の仕事に長けているなと思うのは、非常に動物の事をよく知っているというところ。だからこそ様々な動物の声や音が録れるのだと思うんです。メカニックだけに詳しい人がフィールドに出てもなかなかこれだけの音を録る事はできないでしょうね。
土方:
動物番組に関わった本数が多いですから、必然的にそうなっていっただけなんだと思うんですけど…。だって「わくわく動物ランド」の頃から録っていますからね(笑)。
石渡:
そもそもこの番組で「セレンゲティ国立公園」をサラウンドで放送するのは初めてですよね。僕も先日の仕上げの時に改めて感じたのですが、茂みからカサカサッと言う音が斜め後ろから聞こえたりすると神経がグッとその方向に向きますよね、さすがサラウンド。
土方:
空間の広がりを表現できるのがサラウンドの素晴らしい点のひとつです。ホームシアターで見ていて「映像はいつもハイビジョンですごく美しいけれど、音が物足りない」と感じている人がいるとしたら、今回はぜひ見ていただきたいですね。果てしない平原が広がるセレンゲティの大きさを映像だけでなく、音でも感じていただけるのではないかと思います。

サウンドエンジニア土方裕雄さんの5.1ch サラウンド講座