インタビュー

本木雅弘さん[弓成亮太役]

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出演依頼があった際の、率直な感想をお聞かせください

いや…困惑しましたね(笑)。
非常に重大な物語ですから、「私にその責任を背負えるのか?」というのが正直な気持ちでした。
けれど、原作者の山崎さんの希望とうかがい、身の引き締まる思いで引き受けさせていただきました。

原作や台本を読まれた感想はいかがでしたか?

実は、元々政治をテーマにした物語に興味が薄いところがありまして、原作を読む作業にも時間を要しました。
けれど読み進めていくうちに、沖縄の現状も含めた数々の問題が露になるストーリー展開に、飲み込まれるように最後まで読みきることが出来ました。原作者の山崎さんは、かつて軍需工場で武器の弾磨きをしていた経験があるそうで、日本で唯一地上戦の行われた沖縄の悲劇に対する思いの深さというものが根本にあり、それが作品の中に織り込まれていて、心の芯にずしりと伝わるものがありました。そして、一人の男の栄光と転落の物語としてとても興味深く読みました。

弓成亮太という男に関して

弓成亮太は、傲岸不遜な男。つまり、“おごり高ぶり、人を見下しているような態度”の男なんですね。横柄ではありますが、情熱のある弓成という人物には強いエネルギーを感じます。でも私自身演じていて、中々リアルに馴染んでいかず、戸惑いながらのスタートでした。けれど弓成という男は、“使命の重さ”に身震いし、夜中に飛び起きてしまうほどの繊細さも持っている。その人間臭さも魅力のひとつなんだという風に考えれば、私の中には足りていない“主張の強い男”というものを無理して演じることが、弓成が世の中に対して、そして自己の不安に向けて虚勢を張っている姿に重なるのではないかと思い、あえて自分を煽りながら演じました。
セリフに関しては、「軍用地復元補償費」など、専門用語がたくさん出てきますから、それをいいこなすことが難しく…NGの数はナンバーワンだと思います(笑)。

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9月のクランクイン後、沖縄の土地を巡られたそうですが…。

原作者の山崎さんの思いは、“一人でも多くの本土の人に沖縄が抱えている歴史や現状を知ってもらいたい。そして、それぞれが改めて日本の未来を考えて欲しいということ”と伺いましたので、私自身がまず沖縄に触れなければならないなと。そうしなければ、記者としての弓成亮太に思いを重ねていくことも難しいと思いました。そして、『運命の人』という作品をやらせていただくにあたり、その土地に手を合わせ、挨拶をするために巡らせていただきました。

松たか子さんとの共演はいかがですか?

共演させていただくのは2回目なのですが、夫婦役は初めてです。以前は松さんに対して、少年の持っている熱と清々しさのような爽やかなイメージを抱いていたのですが、今回弓成を支える妻を演じている姿を拝見し、とても落ち着いた大人の色香を感じました。正直言いますと、松さんは色っぽいタイプの方だと思っていなかったんです(笑)。けれど、近くで接していると、とても清楚な中に、凛とした色気がある方だなと思います。

真木さんとの共演はいかがですか?

真木さんとの共演は初めてなのですが、まず声が魅力的ですね。
悪女的なすごみを利かせながら、何か切ないものを感じるという、含みのある素敵な声だなと思います。昭子用にカットしたボブヘアーもミステリアスな雰囲気ですしね。
実際の真木さんは、サバサバしていて余計なことを言わない男前な感じの方です。

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弓成、由里子、昭子の3人に関して

単純な三角関係ではなく3人が3人とも“漂流していく感じ”が大人っぽいなと。それぞれが、惹かれ、苦み、つまずき、すがり、あきらめ求めたりする姿は、客観的に観ていると面白いと思いますよ。善悪を超越し、こうなってしまったのはそれぞれの「運命」なのかと考えさせられます。

大森南朋さんとの共演はいかがですか?

楽しいですね。1970年代の男同士の関係って、物言わずとも相手の心情や立場を理解し、距離感のある思いやりがある。タバコを吸いながら会話をする様子は、案外味があると思います。男同士のさり気ない感じは、大森さんの存在があってこそなので、とても頼りにしています。

北大路欣也さんとの共演はいかがですか?

存在感が圧倒的なのは当然ですが、役柄に対しても常に真摯であり、「役者とはこう有るべきなんだな」と勉強させていただいています。北大路さんの強い目力に、こちらも闘志がみなぎりますね。

最後に視聴者のみなさんにメッセージをおねがいします。

人間誰しもに与えられている「運命」。
それをどう受け止めるかによって、未来っていうのは変わっていくと思います。
幅広い世代の方々に見ていただけると嬉しく思います。
日曜劇場『運命の人』ぜひ、ご覧ください。

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