毎週日曜よる9時
お勤めの会社に、「 給料を前借りさせてください!」 って申し入れた場合、労働者であれば当然に前借りをすることが出来るのでしょうか?
実は……
基本的には会社が毎月1回以上、定期的な給料日を守っている場合には、労働者が前借りを申し出たとしても、これに会社側が応じる法的な義務はありません。
ですから、パチンコや競馬で生活費が無くなってしまったから等という社会的に見ても自己責任で金欠におちいってしまったような場合には、給料が前借りできるかどうかは会社の裁量ということになります。(通常は認められないでしょう。)
ここで、労働基準法 25条 という条文を見てみましょう。
第25条 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
お金の管理をきちんとしていても、家族が急病にかかってしまい、まとまった治療費が必要になる場合であったり、火事で家が焼失してしまったような場合には、必要なお金がすぐに用意できない場合もありますよね。
このように、家族の病気や出産、災害にあったときなどに限って、給料日よりも前であっても、労働者から請求があった場合には、すでに働いた分の賃金を会社は労働者に前払いしなければならない としているのです。
注意しなければならないのは、労働基準法で前借りの対象となるのは 「 すでに働いた時間に相当する、まだ受け取っていない給料 」 です。これから働いて返しますという形で未来の給料を請求することはできるわけではありませんので、前借りをする際には… (あまりしないかもしれませんが)、これに基づいて請求をしましょう。
※ すべて2010年1月現在の情報です 協力:(株) 東京リーガルマインド