毎週日曜よる9時
ホームページをご覧の皆様へ
はじめまして。
並プロデューサーの植田です。
特上のキャスト、特上のスタッフと共に、この仕事をご一緒できて本当に楽しい五ヶ月でした。
皆さんのご意見、一人で、深夜に、ひとつひとつ読んでいます。
少しでも、番組にフィードバックできないかと、色々考えます。
うれしいこともあれば、とても、しょげることもあります。
すぐさま 「 なるほど 」 と、改善点として、ディレクターと相談することもあります。
会った事もない人から投げられる言葉は、会って言われることよりも、時として、心の奥深くまで響くもの。
たぶん、どのプロデューサーも同じなんだと思いますが、その上で、一生懸命咀嚼して、僕らなりの答えをみなさんに返していく。
それが、テレビ番組作りだと今更ながらに思います。
最後まで、頑張りますので、応援よろしくお願いします
キャスティングのこと
櫻井君との出会いは、「 不良少年の夢〜 ヤンキー母校に帰るスペシャル 」 の時でした。
とてもとても誠実な青年だなあ、というのが最初の印象です。
その時は、「 なぜ、僕たちがこの役を櫻井君にやってほしいのか 」 と言う話を、青山劇場の楽屋で、長い間話しました。彼が何かの舞台に出ていたときに見に行ったときのことです。
彼は年下だけど、それを感じさせないほど、頭の回転が早い。
僕たちの託したいメッセージをしっかり咀嚼して、「 わかりました。台本と資料をいただけますか 」 と言うようなことを言われたのを記憶しています。
仕事を引き受ける覚悟と準備を、きちんと重ねた上で、彼はやっと、スタートするのだなあ、と、僕らも気持ちが引き締まる思いがしました。
時を経て、今回の 「 特上カバチ !! 」 を制作するに当たって、誰がいいのか、色々、考えたときに、ふと、その時のやりとりを思い出したのです。
法律家と出会うときと言うのは、概ね、トラブルに巻き込まれたときですよね。
自分の人生に関わる 「 トラブルの処理 」 を頼む相手には、僕なら、やはり、自分が信頼している相手に頼みたい。勝っても負けても、納得がいく人に相談したい。
若くても頼りになる奴。それは、やはり、僕にとっては、櫻井君だったのです。
そして、今回、大変なスケジュールの中、櫻井君にどうしてもやってもらいたいのだと、なんども、マネージャーさんに頼みこみに行きました。
嵐は大ブレイク中で、スケジュール自体、連ドラが成立するほど、残っておらず、誰もが、うーーんと、うなってしまう状態だったのですが、本当に奇跡的に成立しました。
ただし、けして、偶然による奇跡ではありません。たくさんの人のあきらめない気持ちが生み出してくれた奇跡です。櫻井君が、ほとんど寝る時間がない、という前提でのお話ですから、櫻井君自身が、やる、と決断してくれたこと。マネージャーさんはじめたくさんのスタッフがそれをサポートするということを決断してくれたこと。
そんなたくさんの人の思いで、この作品はスタートしたのです。
櫻井君のファンは、櫻井君のファンと言うだけで、幸福だと思います。
判りやすく言うと
「 よかったよね。私たち櫻井君のファンで、本当に良かったよ 」
ってことです。
さらに言うと、
「 まあ、嵐が好きになれて、本当にラッキー 」 と言うことでもあると、思います。
よかったね。みんな。
堀北真希ちゃんとは今回が初めての出会いです。
新人の頃、訪ねてきてくれたことがあるらしいんだけど、真希ちゃんによると、僕は椅子の上で寝ていたそうで、本当に恥ずかしい限りです。
堀北真希ちゃんは、なんかのアンケートで、エヴァンゲリオンの実写版をやるなら、「 綾波レイは堀北真希 」 みたいなことが書かれていて…
「 え?堀北真希は、アスカじゃないの 」 と、僕は思っていたんですね。
あれ、今、俺はアホかと、思われてます??
まあ、でも、キャスティングってそういうことなんです。
アスカ的な何かを感じていたんですよねえ。見た目じゃなく。
今回の住吉美寿々というキャラクターは、田村とのコンビネーションが一番大事。
田村は、碇シンジとかアムロレイですよ。それに対する美寿々は、やはり、アスカやセイラなんだと思ったんですね。で、堀北真希さんに、声をかけてみようと。
だから、堀北さんに声をかけた時、マネージャーさんが、やっぱり、一番納得してくれた。
「 どうしてわかったんですか。真希には、こういう役をやらせたかったんですよ 」
彼女はお姉さんだから、ものすごいリーダーキャラなんですって。
ただ、見た目がそうでないだけで、本当のはまり役はこれなんだと。
「 ただ、心配は… 社会人に見えるかどうかです 」
とマネージャーさんはおっしゃった。
「 髪型とか、とにかく大人っぽくトライしてみます 」
とおっしやって、衣装合わせの時に僕は初めて本人とお会いしたんですが、その髪型が、ものすごい似合ってた。
「 すごく大人っぽく見えますよ 」 と言ったら、「 ちょっと、私も頑張りました 」 と笑って答えてくれて。
でも、本当はちょっとじゃなかったんです。十時間以上も美容院で、試行錯誤して、作り上げてきた髪形だったんです。
それを聞いたのは、つい先週のことで。
ずっと、彼女は、そういうことを言わなかったんですね。
苦労しているけど、苦労として、あの若い二人は語らない。
「大変だ」と絶対に言わないし、長い台詞もきちんと準備してくる。
あくまでも、仕事のために必要なこと。
すげえ、プロだなあ、って、本当に思いました。
真希ちゃんは、撮影中、さらにぐいぐい、うまくなっていって、本当に驚いています。
あの二人いいよね、と言われると、プロデューサーとして本当にうれしいです。
現場の雰囲気
今回のドラマの現場は、とても、居心地がいい。
若い二人は、まさにサロンそのもの。
「 サロン ド 櫻井 & ホマキ 」 とでもいうような…
二人のサロンで、僕たちは、とても、穏やかで幸福な時間を過ごさせてもらっています。
雅俊さんはじめ、大人の俳優さんたちが、とても、素敵で、また、その大人たちが若い二人にかまってもらうのが、とても、嬉しそうなんですね。
だから、僕には、ものすごく、幸福な現場でした。
夢のような時間が終わってしまうのがとても、さびしい。
でも、夢は必ず醒めてしまう。だから、また、このメンバーで、もっともっと大きな夢を叶えていく場所を作りたい。
それが、今の心境です。
最後の展開
物語的には、佳境に入ってきました。
田村と父との話、というのは、最初から考えていたことです。
僕は昔、法律家になりたかったんですね。
法学部に入るために浪人しましたから。
(まあ、浪人したのは頭が悪かったからなんですけど)
田村が 「 祖父に言われた言葉 」 と言うのが最終回に出てくるんですけど、それは、僕自身が、受験生の時に思っていたことをそのまま使いました。
法に対しての憧れの台詞です。
そして、田村の父は、その時、感じた法曹の世界の裏面の象徴です。
現実はあそこまでひどくはないけれど、
どこか、そんな不信感は、市民の中にある。
田村の言っていることは、確かにきれいごとだけど、
市民感覚での法律界に対しての本音だと思います。
美寿々は、検備沢の誘い自体を、受けるのか。
田村は、どういう人生を選択するのか。
春がやってきて、
大野が 『 若者は旅立ち、年重ねたものは、若者たちの未来に幸あれと、見送る季節だ 』
と言う台詞を言うのですが、僕も田村と美寿々には、さらなる自分の未来に向かって旅立って欲しい、と思う。
原作とは違うラストを、用意しています。
田村と美寿々のラブストーリーは意外な結末を迎えます。
意外ともいえるし、納得ともいえる結末かなあ。
見てのお楽しみ。
西荻さんは、ケイゾクの時もそうだったけど、
意外なバランスで、最後にひょいとラブに持っていく。
うまいんですよ。
まあ、でも、賛否両論でしょうかね。
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