あらすじ:
23/24/25/26/27/28/29/30/31/32/33/34/35/36/37/38/39/40/41/42/43 話
十和田湖に着いた黄門さま(佐野浅夫)一行は、行方不明の許婚を探しているという娘、お妙(藤本喜久子)と知り合った。お妙は町娘を装っていたが、身のこなしから黄門さまは、武家の娘ではないかと感じる。
その頃、お銀(由美かおる)と飛猿(野村将希)は、蓑吉(米山善吉)という百姓と出会った。黄門さまは、蓑吉が十和田湖で魚を育て、人々の暮らしを楽にしようと考えていることを知り、感心する。
ところで、十和田湖の辺りには銀山があり、花輪の代官所が取り仕切っていたが、人足たちを酷使していた。さらに、銀の横流しが行われているという噂もささやかれていた。
実は五年前、お妙の許婚、清一郎は不正の実態をつかもうと密偵として銀山に潜入した。しかし、身分がばれて、代官の前島(小沢象)に斬られ、けがを負った。その時の衝撃で、清一郎は記憶を失ってしまう。
清一郎は今では、蓑吉と名前を替え、おゆき(田野聖子)と一緒になり、おはな(高橋将也)という娘までいた。それを知ってお妙は驚いた。黄門さまはお妙に、おゆきとおはなの幸せも、考えなければならないと諭す。
一方弥七(中谷一郎)は銀山を探る、新たな密偵、左平次(若松俊秀)がいることに気付くが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は八戸に着いた。黄門さまは畑の肥やしに使う干鰯(ほしか)を作っている男女、栄二郎(新田純一)とお紺(佐藤友紀)に出会った。二人は夫婦のようだが、少し、様子がおかしい。
二人は、良民のために設けられた八戸藩独自の舫金(やもいきん)という制度を利用して、金を借りていたが、佐藤一蔵(谷口高史)という役人に、厳しく取り立ての催促をされていた。人々を助けるための制度なのに、役人が威張っていることを黄門さまは不審に思った。
そのころ弥七(中谷一郎)は、人足に絡まれていた老人、岩倉弥右衛門(長門裕之)を助けた。岩倉は女と駆け落ちした息子を探しているということだが、大変な頑固者だ。
岩倉の話から、息子というのが栄二郎だということが分かった。岩倉はお紺と一緒になりたいという栄二郎を勘当したのだが、栄二郎の兄が、急死したため、呼び戻しに来たという。ただし、お紺と夫婦になることは許さないと、語気を強める。
そんな話をしている時、横目付の北村(野口貴史)が栄二郎を捕らえに来た。前夜、佐藤が殺され、栄二郎が斬ったのを見たという証人がいるというのだ。栄二郎は身に覚えがないというが、連れて行かれた。
舫金の運用を巡って甘い汁を吸おうとする悪がいることに、黄門さまは気付く…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は角館に着いた。黄門さまはこのこの土地の名産樺(かば)細工に興味を持っていた。樺細工は桜の皮を使う細工もので、たばこ入れなどが盛んに作られている。黄門さまは名人と言われる稲村志乃(南田洋子)の仕事場を訪ねる。
志乃は孫の小四郎(宍戸マサル)の嫁、佐恵(中原果南)に樺細工の技を伝えようとするのだが、佐恵は細工が苦手で、志乃のように上手にはできない。それが志乃にはもどかしく、佐恵を実家に帰してしまった。 一方、佐恵の実家、八木原家では、佐恵の母、多岐(水野久美)が、嫁の琴路(寺田千穂)に得意の薙刀を仕込んでいたが、思うように上達せず、こちらも琴路を実家に戻してしまう。
稲村小四郎と八木原精吾(篠塚勝)は仲がよく、それぞれが女兄弟を交換した形の結婚したのだが、祖母と母親が厳しすぎた!。琴路が帰された事を知った志乃、佐恵が追い出されたことを知った多岐は、自分のことを棚に上げ、憤懣やるかたない。
さて、黄門さまはこういう争いが一番苦手だ。うまい解決が浮かばない。
その頃、角館藩では家老の都築掃部(玉川伊佐男)が心臓を長く患っていた。医師の玄斉(上田忠好)が処方した薬を飲んでいたが一向に快方しない。小四郎と精吾は玄斉と奉行の松波(林昭夫)が怪しいと睨んでいたが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は、奥州街道を花巻へ向かう。温泉につかってのんびりと、考えていたがこの地にも悪者が…。
黄門さまは、花巻辺りではこの頃作物が採れず、人々の暮らしが苦しいことを知って心を痛めた。さらに、若い女の子たちが苦しい暮らしに耐えられず、華やかな街に出てしまうため、深刻な嫁不足で困っていることも分かった。
お盆には鹿踊り(ししおどり)という踊りが行われ、若者たちの出会いの場になるのだが、女の子が集まらないので、今年はそれも取り止めになるという。相当に深刻だ。
富吉(黒田隆哉)という若者は、おみつ(城山美佳子)と祝言を挙げようとしたが、おみつに逃げられ死のうとしていた。一方、お銀(由美かおる)は六助(吉川桃太郎)に好かれ、追いかけ回されている。
黄門さまは村人に頼まれて、若者たちの結婚の世話をする嫁奉行を引き受けさせられてしまった。黄門さまは正太(角田英介)たちがやせた土地でも収穫できる作物を探していることを知って頼もしく思っていた。正太が想いを寄せるお花(田中規子)も村の暮らしをつらく感している。
ところで、華やかな暮らしにあこがれる娘たちに、五郎蔵(高峰圭二)という商人が甘い言葉をかけて、街での仕事を紹介していると評判になっていた。支度金まで気前よくくれるのだという。
五郎蔵はそうして娘を連れ出しては、あこぎにも売り飛ばしていることが分かった。しかも代官の工藤(北町嘉朗)が一役買っていることも分かった。黄門さまは悪者を許しておけない…。
石巻に着いた黄門さま(佐野浅夫)一行は、仇討ちの現場に出くわした。対峙する二人は、滝沢十右衛門(市川左團次)と片瀬小次郎(松井誠)。十右衛門は髭つらの豪傑。小一郎は華奢な若者だ。
助さん(あおい輝彦)と格さん(伊吹吾朗)は危うくなった小一郎に助太刀するが、十右衛門を討とうともせず、小一郎はなぜか逃げ出してしまった。
十右衛門から事情を聞くと、十右衛門が小一郎を仇と狙っていたことが分かる。黄門さまたちは見かけで二人の立場を間違えてしまったのだ。
十右衛門の兄は酒の上の争いから小一郎に斬られた。以来十年、十右衛門は小一郎を追っていたのだった。その十右衛門を小一郎の母、志保(北林早苗)が訪ねて来た。
志保は小一郎を逃がしたのは自分なので、自分を斬り、小一郎を許して欲しいと命乞いをする。それでは、今度は小一郎が十右衛門を仇と狙わなければならなくなる。侍のしきたりの難しさに黄門さまも頭が痛い。
一方、小一郎は石巻で製塩業を営む塩屋(遠藤剛)に進んだ製塩法を伝えようとしていた。作業は順調に進み、新製法の塩も完成しようとしていた。
そこに、藩重役の原口(草薙幸二郎)と御用商人の島屋(工藤堅大良)が目を付ける。その塩を横流ししてひと儲けを企んだのだ。しかし、塩屋は首を縦に振らない。小一郎が仇と狙われていることを知った原口たちは、その弱みにつけ込もうとするのだが…。
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