1996年12月9日〜1997年10月27日(全43話

あらすじ:

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第11話(1997年3月3日放送)

 大坂を発った黄門さま(佐野浅夫)一行は阿波へ渡る途中、淡路島に寄った。
 淡路島は阿波徳島、蜂須賀家の領地だが、実際に治めているのは城代家老の稲田氏だった。そのため世継ぎをめぐってひと騒動持ち上がる。
 稲田九右衛門(佐竹明夫)には、死んだ正室との間に世継ぎになるべき長男植松(勝見和也)がいたが、植松は病弱だった。
 それに目を付けたのが、蜂須賀家の次席家老、石黒半平太(波田久夫)。自分の娘を側室に送り、次男吉王丸(富平数馬)を産ませてしまった。
 石黒は、奉行の結城大和(小沢象)、剛造(高川裕也)父子と手を結び、吉王丸に跡目を継がせようと画策する。植松を亡き者にしようと、刺客まで差し向けるが、失敗に終わる。
 ところで、正当な植松を跡目にと、望む中川数右衛門は、結城父子の罠にはまり殺された。旅から帰り、そのことを知った数右衛門の息子一馬(山下規介)は愕然とする。その上、一馬の許婚、お柳(島崎路子)はこともあろうに、剛造の妻になっていた。
 お柳は、密かに結城父子の悪事の証拠をつかもうとしていたのだが、父子に見破られ囚われの身に。
 一方、飛猿(野村将希)の薬で仮死状態になった植松が城に運ばれた。死んだと思い込んだ石黒たちは九右衛門に吉王丸を跡継ぎにするよう迫る。その時、黄門さまが城に乗り込んだ…。


第12話(1997年3月10日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は、蜂須賀藩に入った。この地には殿様が、新しい焼き物を作ろうと、九州から職人を呼んで始めた大谷焼があると聞いていた黄門さまは、窯元を訪ねる。しかし、窯元は何年も前に取りつぶされたと知って驚いた。  職人の名は文右衛門(今福将雄)といい、腕は良かったのだが、土の性質がうまく合わず、四年経っても利益を上げることができなかった。その上殿様をだましたと疑われ、与力の桑島伊十郎(藤堂新二)によって討ち取られた。文右衛門の息子文五郎(山本宣)は家族と共に行方不明になっていた。
 桑島からそのいきさつを聞いた黄門さまだが、桑島が何かを隠していると感じる。
 さて、桑島は、家老の松浦宇右衛門(小笠原弘)に文右衛門の作った窯をそのままにしておくのはもったいないと進言する。
 信楽から来た五郎作という陶工に、阿波特産の藍染めに使う大きなカメを焼かせたいと願い出る。
 文右衛門に関係のない陶工ならばよいだろうと、許可が出た。黄門さま一行は五郎作を手伝いながら、仕事を見学することになった。
 実は五郎作こそ、文五郎だった。信楽で修行と工夫を重ね、カメ作りを完成させたのだ。ただならぬ文五郎の仕事ぶりに黄門さまは感心する。
 出来上がったカメを殿様に披露する日、誤って子供が落ちてしまった。文五郎の息子文之助(西尾塁)は子供を助けるため、大切なカメ割ってしまうのだが…。


第13話(1997年3月17日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は、高松に着いた。黄門さまの長男が治める高松藩の後継ぎを決めることが、今回の旅の目的だった。
 さて、城下で繁盛するそうめん屋に入った黄門さまは、後継ぎの候補になっている軽千代(佐野圭亮)が、浪人に扮してお忍びで街の様子を探っていることに気付いた。
 しかし、世間知らずの軽千代のこと、黄門さまは助さん(あおい輝彦)に付き添いを頼む。軽千代と助さんは、はめをはずしてお座敷遊びに興じるが、その席で、高松にもけしからぬ悪人がいることが分かった。
 芸者の栗太郎(日下由美)の話によると、年寄りの西尾速水(吉田輝雄)は、水田に水を配分する役職を利用して、農民たちに賄賂を要求していた。
 その上、軽千代がお国入りすることを理由に、祝い金と称して商人からも莫大な金を巻き上げていた。さらに、西尾家は水戸家とも縁が深いことを笠に着て、やりたい放題。人々に無理難題を押し付けるというのだ。
 田を守るため、仕方なく水門を開けた若者が西尾に捕まった。栗太郎は若者を救うため、渋々西尾の慰めものになることに。助さんはそれを止め、自分と軽千代で再び水門破りをする。
 自分の悪事が軽千代にお見通しだと悟った西尾は、軽千代を亡き者にしようと企てるのだった…。


第14話(1997年3月31日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は、岡山に着いた。黄門さまは造り酒屋「出石屋」(いづしや)の主人、嘉兵衛(武内亨)から、側用人の松浦織部(青山良彦)と町奉行の加瀬庄太夫(内田勝正)が私腹を肥やすため、米の流通を制限して嘉兵衛たち酒屋を苦しめていることを聞いた。
 一方、飛猿(野村将希)と弥七(中谷一郎)は嘉兵衛の孫娘、千枝(井上真央)と女中のお民(八木小織)が、墓参りの帰りに、酔っ払いに絡まれているところに出くわして、二人を助ける。千枝の両親は二年前、暴れ馬に跳ねられそうになった、千枝を助けて死んでしまった。それ以来、千枝は自分の殻に閉じこもる子供になっていた。
 しかし、悪者を鮮やかに投げ飛ばす飛猿を見て、飛猿を桃太郎だと思い込んでしまう。千枝は飛猿になついて、心を開く。そんな飛猿にお民もひかれてゆく。堅物の飛猿もお民には恋心を抱いている様子だ。
 ところで、松浦は殿さまの池田綱政(大竹修造)に取り入るため、美形のお民を差し出そうとする。そのため、嘉兵衛を陥れる。
 黄門さまは、飛猿を桃太郎に仕立て、松浦たちを懲らしめる。


第15話(1997年4月7日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は、尾道へ入った。格さん(伊吹吾朗)は、当地にいる友人・松原新之丞(萩島真一)との再会を楽しみにしていた。が、久方ぶりに会った新之丞は格さんを見てもまったく知らぬそぶり。「何かある」と感じた格さんが調べてみると、案の定…。
新之丞は漁師たちの暮らしを守る役人をしていたが、町名主の大島屋(山田吾一)と結託して強引な埋め立て工事をすすめようとする上役の町奉行・萩原(中丸新将)と対立していた。萩原は、埋め立て地に遊郭を造って莫大な利益をあげようと企てていた。
新之丞は、萩原の不正の事実をつかんでいた。そのことで、格之進に迷惑がかかるのを恐れ、知らぬふりをしていたのだった。
格さんは、窮地に立たされた旧友のために、命を懸けて敵に立ち向かう。



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