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城島 未来

Miko Jojima

報道局外信部ロンドン特派員 2016年入社
担当番組:
JNNニュース、Nスタ、news 23、報道特集、TBS NEWS DIG YouTubeチャンネル

Works

About my work

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海外に常駐しながら、担当する国やエリアのニュースを日本の視聴者に伝える特派員という仕事。テーマの垣根なく、担当エリアで起きた事象すべてが取材対象となります。

そのため一人一人が担うテーマは幅広く責任も生じますが、裏を返すととても自由。これまで取材した内容はイギリスの内政からウクライナ侵攻、アフリカのジェンダーバイアスなど多岐にわたり、自分が「伝えたい」と思うテーマに情熱を捧げられることが最大の魅力だと感じています。

ただ、日本にいても、海外にいても、やることは同じ。声なき声に耳を傾け、メディアという拡声器に乗せそれを多くの人に知らせることです。

例えば、ロシアによる侵攻が始まる前までアートディレクターとしてのキャリアを歩んでいたウクライナの女性兵士。戦地の最前線で沢山の死を目のあたりにしながら、「戦争が終わったら、緑のある場所で穏やかに犬と暮らしたい」と笑った時の一瞬の表情。

南部アフリカのジンバブエで、ジェンダーによる差別や暴力を受け虐げられながらも、動物保護の仕事を得て「生きる尊厳」を取り戻してゆく女性たち。

パレスチナ ナヨルダン川西岸地区で、イスラエル軍の爆撃により障害を負った14歳の少年が絞りだした、憎しみの言葉。

伝えられることはほんの一片でしかなく、耐え難い不条理を前に、無力感にさいなまれることもあります。「自分はこの現場を離れて、明日からただ幸せに暮らしていいのだろうか」と、気持ちの整理がつかなくなる時もあります。それでも、自分という人間を通して世に出た言葉が、誰かの無関心を少しでも変えられるかもしれないと信じて、そしてそれを続けることこそが私に言葉を託してくれた一人ひとりの思いにほんのわずかでも報いる方法だと信じて、この大好きな仕事を続けています。

Positive part of my work

自分が現場に行き、小さな声を取材し発信することで、社会に大きく問題提起できる仕事はほかにないと思っています。また、記者でなければ行くことのなかった場所に行き、出会うはずのなかった人たちと出会えることが一番の幸せです。

Negative part of my work

テレビに対する世間の評価、メディアの取材手法、ニュースの価値判断が時代の流れとともに大きく変わる中、個人としての姿勢がこれまでより強く問われていると感じます。取材・放送して「ああよかった」と安堵することはあまりなく、「あれでよかったのか」「ほかの書き方はなかったか」「伝えるためにもう一歩聞くべきでなかったか」と、いつも悩みながら、葛藤しながら、仕事をしています。

Schedule of one day

7:00

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起床・移動

南アフリカでの取材の一日をご紹介します。移動中、深刻な電力不足により点かなくなってしまった信号機を発見。すぐに下車してレポートを入れながら、その瞬間を撮影します。その国の今を捉える「映像」をいつも全力で探します。

10:00

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Nスタ中継

日本との時差を計算しながら中継準備。安全管理も重要です。クルーとともにどのようなリスクがあるかを事前に洗い出し、対策を講じます。ここは治安が懸念されるエリアだったので、4人のボディガードを雇いました。暗いニュースだけではなく、私が好きなアフリカの「光」の部分をとことん紹介。

13:00

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昼食

少しでもその国やそこで暮らす人々、文化を知りたいのでなるべく土地のものを食べることを大切にしています。休憩中、現地の人々との会話の中で新たな取材のアイディアが生まれることも。

14:00

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企画取材・市井の声

総選挙を控えた南アフリカ。旧黒人居住区に住む若者に、実際の暮らしについて話を聞きます。とにかく足で情報をかき集めるため、現場は基本スニーカー。

17:00

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企画取材・雑感撮影

帰国してから「あれを撮っておけばよかった…」という後悔のないよう、何を伝えたいのか、どんな映像が必要なのかをカメラマンと綿密に話し合います。一緒に作品を作り上げてくれるチームがいてくれることは、テレビ記者の面白みの一つ。

24:00

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ホテルで一休みしてから再び取材開始。治安が悪化するヨハネスブルクにて、民間警備会社の夜間パトロールに同行。防弾チョッキを着用しています。

こうした出張ばかりではなく、一日中ロンドンの支局内で過ごす穏やかな日もあります。むしろ決まったルーティーンはほとんどなく、仕事に飽きることはありません。

Outside work

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day off

普段どれだけ忙しくても、長期休暇はしっかり確保されます。ひたすら寝て過ごす日もあれば、知的好奇心を刺激してくれる場所を求め仕事よりハードに動くことも。プライベートでも、大好きなアフリカによく行っています。

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college life

学生時代から報道記者になりたいという夢がありましたが、メディアの人に限らず、とにかく世界中の色んな人と会い、話し、食を共にしました。その人生を垣間見させてもらったことが他者への想像力に繋がり、人の心の機微に触れる今の仕事にも生かされています。決して勉強ができるタイプではありませんでしたが、大学では比較政治学のゼミで必死に学び、アフリカ開発会議や国連フォーラムの活動に参加するなど、関心のある社会課題について議論する場には諦めず、意識的に、しつこく身を置くようにしていました。

Message

私は就活が本当に苦手でした。自己PR合戦に飲まれ、自分ではない誰かを演じているようで疲弊する日々…。今思うと、自分を取り繕う必要はなく、むしろ自分は何に情熱を持ち何に怒りを感じる人間なのかを素直な言葉で伝える方がよっぽど魅力的です。これまで自分が経験したこと、感じたことを一度立ち止まって未来の自分に繋げてあげるという作業は、就活を抜きにしてもとても意味のあることだったと思います。TBSには、一人一人の個性を大切にする、組織としての懐の深さがあります。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています!

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