出野 陽佳
Haruka Ideno
報道局経済部 2021年入社
担当番組:JNNニュース
Works
About my work
経済ニュースと聞いて、どんな内容を思い浮かべるでしょうか?
株価や為替といったマーケットの動きはもちろんのこと、企業の動きも経済記者のカバー範囲です。企業の買収・売却や新たな事業やサービスの取材などその範囲は幅広く、これまで、「そごう・西武のストライキ」などについても取材しました。
さらに、○○省・○○庁といった政府の動きも経済に大きな影響を及ぼします。
今は財務省と金融庁の担当として、国の予算や税制などの取材をしています。
経済ニュースは難しい印象を与えがちだと思いますが、これを読んでいる皆さんは毎日何らかの形で経済に影響を与えたり影響を受けたりしています。事件・事故や政治の当事者になる可能性以上に、ずっと高い確率で(というかほぼ必ず)皆さん1人1人が経済主体であることを考えれば、経済記者はとてもやりがいのある仕事だと思います。
Positive part of my work
「まだ世界の誰も知らないこと、見たことのないものを自分が見つけて知らせたい」
私にとっての仕事選びの軸はこれでした。
進路にはそれなりに悩みましたが、記者という仕事は、まさしくこれが実現できる職業だと思います。どんな工夫をすれば見ている人にとって有益なものになるか試行錯誤の毎日ですが、記者やデスク、カメラマンに編集マン、みんなの力を結集させてオンエアぎりぎりまでチームで作業するところも、今の仕事の好きなところです。
自分の問題意識を端緒にして、まだスポットライトのあたっていない出来事を取材し世の中に伝える。簡単にできることではありませんが、自分が携わった放送をきっかけに社会が少し前に進むのを感じられた時はとても嬉しいです。
Negative part of my work
悩み、考えることから離れられない点です。
撮影の仕方、質問の内容、取材先とのコミュニケーションの取り方、映像の編集はこれでいいか、原稿の表現は?もっと面白くする方法はないか?…という具合に、取材前から放送まで色々なことを考え続けています。
そしてさらに厄介なのはこれらの問いに明確な答えがないことで、放送後に「100点満点の出来だった!いいオンエアだった!」と思えることはほとんどないのが現実です。
でも、悩み考える時間は必ずしも辛いだけではありません(と信じています)
取材にまつわるあらゆる悩みは、あしたはもっと良いオンエアを出そうという原動力につながります。
Schedule of one day
7:30
出社
出社といっても行先は赤坂ではなく財務省。省内の記者クラブが主な勤務場所です。幹部が登庁するのを廊下で待って話を聞くチャンスをうかがうこともあります。
11:30
昼ニュース
午前中の取材の内容を出すチャンス。スタジオ用原稿を書くときもあれば、中継をすることも。中継は緊張しますが、実は一番好きな仕事です。
13:00
取材・撮影
どこかの現場に取材に行ったり、レポートを撮影したり、夕方のオンエアに向けて必要な撮影を行います(写真は、とある企画で小道具の金庫を使ってレポートしたもの。目に見えにくい経済ニュースをどうやって映像化するか、その工夫も腕の見せどころです)
15:00
原稿執筆・映像編集
夕方の放送向けに本格始動。原稿の書きぶりはもちろんのこと、映像で見てわかりやすい作りになっているか、テロップに誤字脱字など間違いはないか、オンエア直前までこだわります。
20:00
退社
夕方の生放送が終わって、大体帰るのはこれくらいです。日によって夜のニュース向けに作業することもあれば、取材先や先輩・同僚などと会食をすることもあります。(写真はニュース23の放送まで作業したあと、上司と先輩と食べた深夜のラーメン)
Outside work
day off
休みがあったらとにかくどこかに行きたいタイプです。土日は基本的に休みで友達との予定も合わせやすいので、グランピングや温泉旅行に行きます。車の運転が好きなのでほぼ100%ドライバーです。
長い休みもとれるので、海外旅行にもいけます!フランスに1人旅をして、留学中に知り合った現地の友人と5年ぶりの再会を果たすこともできました。
college life
大学生の前半は国連の職員になりたいなと思っていましたが、とりあえず面白そうなことはなんでもやってみよう!という精神で生きていたら、フランス留学に行くことになりました。当然現地の授業は当然全てフランス語。そのうえ会計学からギリシャ美術史まで、日本語でも学んだことのない授業をとるはめになり大変苦労しましたが、それを乗り越えた経験は今の自分の支えになっています。辛い時間の一方、留学中に20か国くらい旅ができたことも貴重な経験で、留学や旅行で感じたことをテーマに、自作したZINE(小規模な雑誌のようなもの)をオンラインで友達に限定配信していました。デザインも文章も写真も完全な素人でしたが意外にも評判がよく、調子に乗って月に1回配信していました。自分が現場で見聞きしたことを人に伝える楽しさを感じた最初の体験です。
Message
あまり真面目な就活生ではなく、就活って面白くないし、緊張するし、試されている感じがするし、なんとか避けて通れないものか …とずっと思っていました。自分が何をしたいかわかるようになるまで時間もかかりました。
そんな当時をふりかえって学生時代の自分に何か声をかけるとしたら、等身大の自分で取り組むようアドバイスをすると思います。特別な経験をすることそのものは多分そんなに大事ではなくて、むしろ平凡な学生生活であったとしても、自分なりにどんな目線で世界を見ているか、というところに自分の価値観や「らしさ」があらわれると思います。
あとは、せっかくの機会なので就活を楽しむくらいの姿勢で臨んでください!自分のやりたいことや夢をその道のプロにアピールできるチャンスと思えば、少し肩の力を抜いて取り組めるのではないでしょうか。これを読んでくださった皆さんと、いつか一緒に働けることを楽しみにしています。