Brand

なぜTBSブランドが必要なのか

これまでのテレビ業界は、視聴率の高い番組を作れば会社の利益につながるという明確なビジネスモデルがありましたが、今は違います。テレビというメディア環境は疲弊し、違法アップロードが横行し、“時”にまつわるものは全てライバルになりえる時代です。

このままでは、いくら面白いコンテンツを作りだしても、「TBS」が作ったことさえ分からなくなってしまう。それでは、局の評価にもつながりません。私たちの立ち位置をしっかりと表し、認識してもらうためにもブランドの確立は重要であり急務なのです。

keywordブランドの確立

例えば「半沢直樹」をご存知の方も多いと思いますが、以前学生さんに聞いた時「別局の番組だと思っていました!」という方が多くてショックを受けました。

TBSには立派なコンテンツを作れる人間がたくさんいて、汗水たらして作品作りをしています。作品だけがひとり歩きせずに、「TBS」という刻印を押すことで作品の評価が局の認識、その後の評価にもつながるのです。

自分たちでブランドをつくる

2017年に様々な部署の人間が集結して「ブランディング委員会」が発足しました。

当初は、著名な方にお任せするという案が出たこともありましたが、徐々に「物を作る人間の集まりだからこそ、自分たちで作り切ろう!」という声が委員会内でも高まり、結果インハウス(自社の人員で行う)という形でスタートすることが決定しました。

まずは企業理念をブレイクダウンさせたものを作るため、民主主義的に全社員アンケートを実施。そこからキーワードを抽出し、紡いだものが「ブランドプロミス」となりました。

ロゴやフォント・カラーまで一新したのは、日々仕事をする中にブランド要素との接点をちりばめるため。番組だけでなくデジタルサイネージやフロアデザイン、名詞やグッズなどにも統一して使用することで誰からも認識していただける名札を私たち自身が付けていくのです。

インハウスでできた物だからこそ広がり続け、浸透してくれることを期待しています。

TBSの未来にむけて

2020年4月、作りあげたブランドプロミス・ロゴ・フォント・カラーが完成し、今では「TBSブルー」を目にする機会も圧倒的に増えました。社内の人間も感じていることだと思いますが、それだけでも「動き始めた!」という実感があります。

TBS GROUP VISION 2030に関しても、これからのビジネスモデルのベースとなるものがしっかりと「最高の“時”で明日の世界を作る」というブランドプロミスに結びついているので、非常に心強く感じています。

ですが、活かし続けることも大切です。特にブランドプロミスのような高尚な言葉を個々の業務の中に落とし込むのは、正直難しい。いかにブランドとコンテンツを紐づけすれば、北極星のように皆が目指す指針となれるのか?神棚に置かれてホコリをかぶらないように動かし続けることが必要だと考えています。

keyword北極星

クリエイターの集合体である私たちにとって「ひとつに整える」、「ひとつの方向に向かう」ということは、なかなか難しいことです。世代や部署など様々な違いも含めればなおのことです。

ですが、せめて登り方は自由でも目指すべき頂上は同じという指針となってほしい…。という意味で、よく使われるのですが「北極星」という言葉を出しました。常に同じところにあり皆が同じ方向を向けるというものです。それがブランドプロミスになるよう、私たちが持ち続けるべきテーマのひとつです。