Kubota×下町ロケット Kubota

Kubota×下町ロケット

宇宙(そら)から大地へ 『下町ロケット』新シリーズの舞台は農業!
佃製作所の新たな戦いの舞台となる農業機械の提供、さらにはシナリオ制作や機械操作などのドラマ演出の技術監修に参画してくださっている株式会社クボタさんが、『下町ロケット』をより深く楽しむために、農業機械や技術に関して解説してくださいます!!
視聴者のみなさんも疑問があれば、「疑問・質問を募集」に書き込んでください。

第8回 “自動運転・無人トラクター”が農家にもたらすもの

アルファ1とダーウィンの再対決が決定!
無人農業ロボット発売に向けて、帝国重工も、ダイダロス・ギアゴーストらも動き出しましたね。
殿村の父・正弘は「ロボットに米は作れねえ!」と無人農業ロボットには批判的でしたが、佃ら佃製作所や財前ら帝国重工の“農業を救いたい!”という思いを知り…今では佃製作所の支援者に。アルファ1は「ランドクロウ」と名前をかえ、殿村家に納品されましたね。
そんな“無人農業ロボット”ですが、どのような理由で開発が進んだのでしょうか?
今回は、「自動運転・無人化農機の開発」について、クボタさんに解説していただきます。

もとより、なぜ自動運転・無人化農機の開発が求められたのでしょうか

 日本の農業は、さまざまな課題に直面しています。

高齢化が進む日本。就農者(農業に従事する人)の平均年齢はおよそ67歳に達します。
2000年に230万戸だった農家(※1)は、2015年には130万戸まで激減し、今後10年でさらに半減するという推計もあります。
それにともなって農業をやめる農家から農地を委託されたり、休耕地(耕作していない農地)解消の政策によって、それらの受け皿となる担い手農家の農作業面積が著しく増えてきています。
このような中で、
① 大規模化し、点在した圃場(※2)を適切に管理すること
② 収量・品質を向上させること
③ コストと労働負荷を低減させること
④ 生産品の付加価値を高めること

など、日本農業は、さまざまな課題に直面しています。

  • 1 「農家」は、経営耕地面積が10a以上または農産物販売金額が15万円以上の世帯。「販売農家」は、経営耕地面積が30a以上または農産物販売金額が50万円以上の農家(出典:農林水産省)。
  • 2 ほじょう:農作物を育てる田畑や農園。

問題

 スマート農業で課題を解決していきます。

農業がいま成長産業と称されている時代。日本の農業が今後、さまざまな課題を解決しながら“魅力ある強いビジネス”に成長するためには、情報通信技術(ICT)やロボット技術を活用して超省力化や高品質生産を実現する「スマート農業」の普及が欠かせません。各農機メーカーはスマート農業の本格的な研究を開始し、利益の高い農業経営を可能にするソリューションの開発・提供に取り組んでいます。
下町ロケットでも言っている「困っている農家のために、無人農業ロボットを開発する」 “自動運転・無人トラクター”の開発はこのような理由から行われました。

では “自動運転・無人トラクター”が、困っている農家の何を可能にしたのでしょうか。

 「歩く」農業から「乗る」農業へ。そしていま「乗らない」農業へ。

耕うん作業は、昭和20年代の後半から牛や馬が耕す農業から、押して歩く「耕うん機」に変わりだしました。さらに昭和30年代になると乗って耕す「乗用トラクター」が開発されました。それ以来「乗る」農業が主流となり農家の労力軽減に「乗用トラクター」は貢献してきました。
そしていま営農規模の拡大に対して、ロボットテクノロジーを活用した、無人での自動運転作業=「乗らない」農業で課題を解決しようとしています。
⇒ それは超省力化・軽労化を実現し、これまでにない効率の良い大規模生産を可能にします。

可能にしたコト❶ 作業はリモコンによる遠隔操作

自家用車と違い、デコボコの田んぼを終日走行し作業するとかなり疲労します。トラクターに乗らずに、リモコンによる遠隔指示で作業開始・停止が行えるので、従来と比べ農家の方の疲労度が全く違います。
⇒いままでとは比べ物にならない軽労化(労力の低減化)が図れます。農業の就業人員の低下、農家の高齢化への対応です。

可能にしたコト❷ 2台を1人で

前方の無人トラクターを、後方の有人トラクターが追従し、1人で2台のトラクター作業を行います。無人機と有人機を2台同時に使用すれば、さらなる効率的な作業が可能になります。
⇒請け負う作業面積の増加にともなう、労力を補うための課題解決策のひとつです。

可能にしたコト❸ 誰でも高精度作業

GPSを利用した自動操舵(ハンドルから手を離しての自動運転)ができることで、経験の浅いオペレーターでも高精度の作業が可能となりました。実際、設定した作業位置と数センチほどの誤差しか生じません。
⇒ベテランオペレーターの作業スキルを、トラクター自身が引き継いでくれます。

1890(明治23)年創業。水道用鉄管の国産化に成功し近代水道の整備に貢献。農業機械による食料増産と省力化、環境施設による人類と環境の調和など、食料・水・環境分野の課題解決に向けた事業を展開している。

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