2019年4月スタート

用語解説

第4話

【 マラリア原虫 】

寄生虫の一種。
蚊が媒介してヒトや脊椎動物の赤血球内に寄生し、マラリアを引き起こす。

【 ランブル鞭毛虫 】

鞭毛を持った寄生虫で、消化器系,泌尿器系に寄生する。
人や動物の大便に汚染された水や食品の摂取や、衛生的ではない場所で水泳することで寄生され、下痢や発熱、嘔吐を引き起こすジアルジア症という病気を発症する。
世界中に広く分布しているが、主に発展途上国(特にアジア地域)での感染が多い。

【 トキソプラズマ 】

寄生性原生生物の一種。ほぼ全ての哺乳類と鳥類に感染能を持ち、主にネコの糞便や加熱不十分な食肉から人間へも感染するが、通常は免疫系の働きにより危険な症状は起こさない。しかし、トキソプラズマに感染したネズミは、天敵であるはずのネコに恐怖心を感じなくなり、捕食されやすくなるような行動変化が起きる。これは、トキソプラズマが、神経作用と遺伝子発現により、ネズミの行動を変えてしまうためであるという研究が発表されている。

【 治験 】

薬を開発する段階で、人に対する効果と安全性を調べる試験を「臨床試験」いい、このうち厚生労働省から薬として承認を受けるために行う臨床試験のことを「治験」という。治験を行う場合、製薬会社、医療機関、医師等は、「薬機法」及び「GCP」といった法律や規則を遵守しなければならない。劇中ではボランティア女性が治験に参加しているが、生殖機能などへの影響を鑑みて、一般的にはボランティア女性の参加は制限されている。

【 サバイバーズ・ギルト 】

震災や事故、事件などの被害に遭い幸いにも命が助かった人が、同じ体験をしながらも助からなかった人に対し、「自分だけが助かってしまった」という罪悪感に苛まされること。
「サバイバー」は「生き残り」を、「ギルト」は「罪悪感」を意味する。症状には個人差があり、軽い罪責感にさいなまれるものから、重い場合には、不眠、抑うつ、不安、無力感が長期間認められることもある。中には専門的な援助や、精神科治療を必要とする場合もある。

【 ボルナ病ウイルス 】

動物の中枢神経に感染する好神経性のウイルス。主に馬や牛などに自然感染するが、ヒトに感染することもある。
体内に侵入し、神経細胞に入り込んで複製を始め、最終的には脳で増殖して脳炎を引き起こす。しかし、非常に長く生きるウイルスのため、神経細胞をすぐには殺さず、数十年かけてゆっくりと感染する。そのため検査でも非常にみつかりにくいが、精神疾患との関係が疑われている。

※ 相羽村落花生

架空の村の架空の名産品。実在しない。

※ 非ステロイド性鎮痛薬SQ-61

ドラマの中の架空の薬品。実在しない。

監修

嘉糠 洋陸(Hirotaka Kanuka)

東京慈恵会医科大学教授。1997年東京大学農学部獣医学科卒業、2001年大阪大学大学院医学系研究科修了、2011年から現職。専門は寄生虫学、衛生動物学。

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