特集

2023年4月2日放送「空から見るイタリア」

高度な技術を持つ謎のエトルリア文明

続いてローマから南にある世界遺産をご紹介。ローマ帝国を象徴するあの巨大建築、さらにそれより古い謎の古代遺跡に空から迫ります。

──2週目はローマ以南のイタリアの世界遺産ということですが、こちらの見どころも教えてください。

江夏:まずは「ローマ歴史地区」です。注目なのは、コロッセオです。ここもローマを紹介する映像では見慣れた有名な場所ですが、だからこそやはり見たことのない映像にチャレンジしています。コロッセオの外からゲートをくぐり抜け、アリーナの中に飛び込んでいって、観客席を見渡すような空撮をお楽しみください。

ローマの観光名所としてお馴染みのコロッセオですが、空撮映像で捉えると構造やスケール感がよくわかり、また違った見え方をします。

──文字通り、古代ローマの歴史の舞台となった場所を空から眺められるとは楽しみです。

江夏:イタリアの遺跡といえば、古代ローマのものが思い浮かぶかもしれませんが、今回はそれ以前の文明の世界遺産「エトルリアの古代遺跡群」も紹介します。この遺跡を空から見ると、巨大な円形の建造物が点在しているのがわかります。大きなものは直径40mほどもありました。その巨大建造物は実は墓で、先住民であるエトルリア人が紀元前9世紀ごろから作り続けたものなのです。一枚岩を丸い形に掘り抜き、墓の内部には葬られた人が生前暮らしていた家が再現されていて、柱や梁もすべて岩をくり抜いて作られていました。

──岩をくり抜いて作った墓とは大変な建造物ですね。

江夏:はい。あと、この遺跡には地上だけでなく、地底にも驚きの墓があるのです。その地下の墓には、柱や壁にロープや壺などの当時の生活用品が浮き彫りで表現されています。これが実にリアルで、その技術や表現力に驚かされます。もともとは「巨大な円形の墓を空撮で捉えてみよう」という考えで撮影に行った場所だったのですが、地底にも大変な墓があったのでとても驚きました。

エトルリア人が岩をくり抜いてつくった墓。その内部には、驚きの技術で作られた装飾が施されていました。

──地下までもすごかったのですね。古代にそんな高度な文明があったとは興味深いです。最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

江夏:冒頭でもお話ししましたが、イタリアには実にさまざまな文化と自然があります。番組ではほかにも、多種多様な世界遺産をお見せします。断崖に6700㎞の石垣が連なる「チンクエ・テッレ」、農民たちが作り上げた実りの大地「オルチャ渓谷」、イタリア最初の首都トリノの「サヴォイア王家の王宮群」、2000年間も噴火し続けている火山島「エオリエ諸島」、エジプトの影響も見られるローマ皇帝の別荘「ヴィッラ・アドリアーナ」、世界一美しい海岸「アマルフィ海岸」、ヨーロッパ最大の活火山「エトナ山」と盛りだくさんです。見たことのないイタリアの絶景を楽しんでください!

イタリアの豊かで多様な文化や自然に触れられるスペシャルな放送をお楽しみください!

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