特集

アゼルバイジャン、バクー第43回世界遺産委員会リポート

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7月7日(日) バクー世界遺産委員会リポート 第四回

 世界遺産委員会も、新規登録の審議に入って三日目。
 冒頭、アゼルバイジャンの議長が、ブラジルの音楽家ジョアン・ジルベルトが死去したことを告げ、議長の呼びかけで、全員起立して黙祷を捧げました。「イパネマの娘」などボサノバの名曲を生み出したジョアン・ジルベルト、まさに世界的な音楽家だったことを実感しました。

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世界遺産委員会の会場バクー・コングレス・センター

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ジョアン・ジルベルト死去で黙祷を呼び掛けた
アゼルバイジャンの議長

 この日の審議で8つの文化遺産が決まりました。以下、決まった順番に紹介します。
 ポルトガルの「マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、修道院、庭園」。リスボンの北西30キロほど、18世紀に作られた王宮や関連施設です。
 ポルトガルの「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」。ブラガの町のはずれにある山の上の聖地。このように山の上にキリスト教の宗教施設を集めて作ったものをサクロ・モンテ、「聖なる山」と呼ぶそうです。

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マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、
修道院、庭園、狩猟公園(ポルトガル)

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ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域(ポルトガル)

 ロシアの「古都プスコフの記念物群」。ロシア有数の古都で、決まった瞬間、ロシア代表団は大喜びでした。

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古都プスコフの記念物群(ロシア)

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古都プスコフの登録が決まって喜ぶロシア代表団

スペインの「リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観」。ここには洞窟に住んでいた人々がいて、貯水池など、彼らが作り残した景観が世界遺産となりました。

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リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観(スペイン)

イギリスの「ジョドレルバンク天文台」。イギリスのマンチェスター大学の施設で、1957年に完成した電波天文台。光学から電波へと移行する時代を示すものとして価値が認められました。

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ジョドレルバンク天文台(イギリス)

 アゼルバイジャンの「シャキの歴史地区とハーンの宮殿」。かつてのシルクロードの中継地である古い街・シャキ。今回の開催地・アゼルバイジャンにとって三つ目の世界遺産となります。決まった瞬間、アゼルバイジャン代表団は、国旗を広げて大喜びでした。

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シェキの歴史地区とハーンの宮殿(アゼルバイジャン)

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喜ぶアゼルバイジャン代表団

イタリアの「コネリアーノからヴァルドッビアーデネまでのプロセッコ栽培丘陵群」。昨年の世界遺産委員会でも審議されたのですが、「ワイン関連の世界遺産は他にもあり、ここの独自性はどこあるのか」と指摘され、登録には至らなかったものです。今回は、山々の急斜面にブドウ畑を作ったという独自の形を打ち出して、世界遺産登録となりました。

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コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群
(イタリア)

アメリカの「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」。日本の旧帝国ホテルでお馴染みの建築家・ライトの作品群です。

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フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群(アメリカ)

 この日で、新規登録の審議は終了。今回の世界遺産委員会では、自然遺産4、複合遺産1、文化遺産24で新たに29の世界遺産が誕生しました。
 これから番組で撮影を進め、紹介していきたいと思います。ご期待ください。

プロデューサー 堤

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