放送内容
イタリア北部、アルプス山脈の麓に広がる丘陵地帯「プロセッコの丘」。全長30kmにも渡って続く急斜面を、ブドウ畑が埋め尽くしている。高低差500m、最大斜度は72度。場所によっては断崖絶壁のようだ。農耕には不向きとされてきた土地を、人間が何世紀にも及ぶ努力の末、世界に誇るブドウ畑に変えてきた。ここはイタリアを代表するスパークリングワイン、プロセッコの故郷なのだ。
高低差500mの急斜面
プロセッコの丘には、東西30kmに渡って南向きの斜面が連なっている。高低差は500mほど。水はけが良く日当たりの良い斜面はブドウにとって最適な環境だ。この急斜面が生まれたのにはアルプスの成り立ちが関わっている。
畑と農家と森のモザイク
プロセッコの丘では、ほとんどが家族経営の小規模なワイナリーがブドウ畑を管理している。その周囲には森が広がる。空から見ると、それらがモザイクのような風景に見える。この景観が生まれたのには、中世にきっかけがある。
戦場になったブドウ畑
プロセッコの丘があるイタリア北部は第一次世界大戦において激戦地のひとつとなった。衰退したワイン造りを復活させるために、ある組織が作られた。地道な努力が実を結び、今やプロセッコは世界的スパークリングワインだ。