姉の手紙にいざなわれ、日和見日郎(ヒロ)は地図に示された屋敷に来たものの、
そこは門に鍵がかけられ、窓にも板が打ちつけられている廃屋だった。
仕方なく麓の町に戻るヒロだったが、そこで、山積みの家財道具が積まれた荷車に出会う。
それを引くのはおかしいかなメイド姿の幼女であり、その荷物の頂上には、
ロングヘアに黒いワンピース姿の凛とした美少女が座っているのだった。
その荷車は、側溝にはまり身動きが取れなくなっていた。
と、その丁度真上、工事中のビルの屋上からグラリと鉄柱が倒れ落ちてくる―!
少女をかばい、鉄柱の下敷きになるヒロ。救急車で病院に運ばれるものの、手の施しようがなく死んでしまうのだった。
そうして、霊安室に安置されたヒロの遺体の前に、先ほどヒロが助けた美少女が現れる。
奇妙な事にその少女は、鉄骨の下敷きになって虫の息のヒロを見て、こう言っていた。
―「良い死体だ」と。
そして、その言葉通り死体となったヒロの前に少女は立ち、人さし指をかざすのだった。
と、指の先にだんだんと玉のような炎が溜まり、それがヒロの顔を覆う白い布の上に滴り落ちる。
すると、ヒロの身体から、陽炎が立ち上り始めるのだった―!!