狼男に透明人間――
姫はそういった異形の者たちから命を狙われているらしく、姫に関わっていると命が幾つあっても足りないという事……だけれども、姫がいなければ自分は生きていけない為、関わらざるを得ないという事……そして、そんな姫も、どうやら自分の事を必要としているらしいという事……。
そんな事がボンヤリと判ってきたヒロだったが、中学生という日常は変わらない。
その日もトボトボと学校から戻るヒロの姿があった。ぼやく脇を子犬が、そして続けてバイクが追い越していく。その後を追うようにヒロも、屋敷へと続く坂道を登って行くが――
サイドブレーキを掛け忘た無人トラックが、バックでゆっくりと下ってくるのだった!
そのトラックに子犬が轢かれそうになるのを見て、思わず飛び出すヒロ。トラックはそのまま側溝に落ちて停車するが、しかしヒロは、そのタイヤに足を挟まれてしまう。
見れば、先程のバイクが戻ってきていて、ライダーの女性が駆け寄ってくる。
と、その女性は、ヒロが子犬を助けようとして轢かれたと知ると、その腕を怪物の巨大なそれに変え、軽々とトラックを持ち上げてしまうのだった――!
そう嬉しそうに笑う彼女も、姫の命を狙ってやってきたらしいのだが……