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TBS社報 2001年4月号掲載の一部を編集しました ☆メディアリテラシーはマルクス・レーニン主義にあらず! テレビに新たな生命を宿すものなり!! 『平成日本に幽霊が出る メディアリテラシーという幽霊である』 共産党宣言の冒頭にマルクス・エンゲルスが記した、有名な言葉をもじりました。舌をかみそうなこの“メディアリテラシー”、何のコッター?と思われる人は局内でも多いでしょう。それもそのはず、“メディアリテラシー(Media Literacy)”という言葉が日本に登場した頃は、正にML=マルクスレーニン主義の略語と誤解され揶揄された時期があったそうです。 そして時は経ち、飛び込んで来たのが「子どもとテレビ」のプロデューサー。そもそもこの企画、放送局を囲むメディア規制のうねりの中、青少年番組の充実を目的に、NHKと民放連の共同企画番組として誕生したものです。取材した学校は、明治維新を拓いた坂本龍馬のDNAを受け継ぐ高知の市立旭東小学校六年生103名の子ども達。2002年から本格的に始まる「総合的な学習の時間」を使っておよそ80時間“テレビと向き合う”という正に“ML=情報を見極め活用する力”の実践授業に挑戦しました。テレビに対し、PTAの人達や政治家諸氏が注文を付けていますが、この取り組みは“子どもが主役”となった画期的なことです。番組のタイトルは『テレビ観察子どもプロジェクト 21世紀のテレビはこうなってほしい!』 MLやって“寝た子を起こすな”とか、“両刃の剣”と、ご心配のむきもいらっしゃると思います。が、マルクス・レーニン主義が本当に幽霊に終わってしまった今、21世紀のMLは期待できます。これまで民放を守ってきた護送船団方式が崩れ、メディア戦国時代に突入した今、視聴者との強い絆だけが局を支えるはずです。その回路として“メディアリテラシー”に積極的に取り組んだ局が生き残れるのではないでしょうか。皆さんとこの“ML”番組を含め、自社・TBS発の番組を見ましょう。そして社内論議をしましょう!! まずは私たち社内人が実践し、そして世の人々との間で。 民放連・NHK共同企画番組「子どもとテレビ」 プロデューサー 番組考査部 大野照夫 |