上田晋也のニッポンの過去問

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過去の放送内容

【第50回】「天六ガス爆発事故」(5月18日放送)

前回は史上最大の都市ガス爆発事故「天六ガス爆発事故」を取り上げました。
1970年、場所は大阪市大淀区(現:北区)。地下鉄の延伸工事中に、地下に露出したガス管から都市ガスが漏れ出しました。
たまたま通りかかった大阪ガスのパトロールカーがこれに気づいて通報、事故処理車が出動します。ここまではよかったのです。
ところが、この事故処理車がエンストを起こしてしまいました。動転したのか、処理車はエンジン再始動のためにセルモーターを回しました。
その火花がガスに引火、爆発炎上したのです。
このとき、周囲には、騒ぎを聞きつけた見物人と、大阪ガスの職員、消防士、 警察官などが集まっていました。
その中での大爆発です。
あっというまに現場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化しました。
地下から吹き上げた爆風に、地下鉄工事中の道路に敷き詰められていた鋼鉄製の覆工板(長さ2m × 幅0.7m × 厚さ20cm、380kg)が吹き飛ばされて、
あたりに降ってきました。その範囲、200mの長さ、幅員10mにも及び、その下敷きになった人も多数出ました。
結果、このガス爆発は、79人が死亡、420人が怪我を負うという大惨事に発展。その様子は世界中に報道されたのです。
この事故は、幾つもの教訓を残しました。
ガス漏れ時の発火の防止、野次馬の整理、処理、そして、被害を拡大させた最大の要因、地下鉄工事のあり方など
大阪のガス爆発を契機に、都市災害(人災)と、その処理のあり方を考えた回でした。

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