放送内容
今回の「大温泉都市群」は、一風変わった世界遺産だ。ヨーロッパ7か国11か所に点在する温泉保養地が登録されている。18世紀の初頭、イタリアを中心に温泉医学が発達し、温泉を飲んで健康維持するための施設が、ヨーロッパの各地に誕生した。そして飲泉施設だけでなくホテルやカジノ、劇場などが周囲に造られ、温泉街を形成した。日本の温泉文化とも違う、ヨーロッパのスパ文化を巡る。
黒い森の温泉エンタメシティ
ドイツの南西部の森林地帯は「黒い森」と呼ばれる。ここに「入浴する」という意味を持つ街、バーデン=バーデンがある。ドーム型の屋根を持つ温泉施設や高級ホテル、カジノを求め、王族や皇帝などが訪れた。
古代ローマ風の湯治場
イタリアのトスカーナ州は火山地帯。約250年前に誕生した温泉街の中心にあるのが、古代ローマを思わせる建築の湯治場、テットゥッチョ温泉だ。ここでは入浴することはできない。蛇口から出る温泉を飲みに、人がやってくるのだ。
地下2000m 噴き出す温泉
真冬のチェコの温泉街カルロヴィ・ヴァリ。豊富な湧出量を誇り、地下2000mから噴き出す温泉もある。源泉の中には、列柱のある建物があり、ここでも温泉を飲むことができる。飲泉用のカップに注目だ。