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Q:前回の座談会から2年ぶりなので、この2年間で心に残っている世界遺産を教えてください。

愛場:
ペルーの「マチュピチュ遺跡」でしょうか。ちょうど100年前に探検家がマチュピチュを発見したのと同じ日に、探検家と同じように丘の上からマチュピチュを見下していたとき、何ともいえない高揚感がありました。

石渡:
私は、最近のだと「バイカル湖」ですね。全面凍結した真っ平らな氷がすごかったです。今まで冬のカナディアンロッキーなどに行った際、いくつも凍結した湖がありましたが、上に雪が積もって白くなっていました。それが、バイカル湖では透明な氷が見えていて素晴らしい景色でした。

小澤:
ハイチの「国立歴史公園 "シタデル、サン スーシ、ラミエ"」が忘れられないですね。一度番組は出来上がっていたのですがハイチ地震でお蔵入りになってしまいました。でも1年後ハイチへ渡りもう一度取材し、地震の話を盛り込みつつ作り直して放送しよう、という話になりました。2度取材したおかげで、地震の復興の様子も目の当たりにしたし、ブードゥーの儀式もたっぷり撮影することができたりして、とても印象深い経験でした。

尾賀:
私が特に覚えているのは、イタリアの「ドロミーティ」ですね。アルプス山脈の一部で、地名の由来にもなったドロマイトという岩石が奇妙で幻想的な造形を作りだしていますが、そこは映画「クリフハンガー」の撮影地としても知られています。3000m級の山の峰と峰が鉄のロープで結ばれ、そこにカラビナをひっかけて渡るのが「フェラータ」というスポーツとして体験できるのですが、それをやってみて想像以上に怖かった。つり橋は足下が絶壁で、急斜面もあって滑るんです。つながれている限りは大丈夫なんですけどね。