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Q:世界遺産には直接関係ないのですが、世界を旅している皆さんにぜひうかがいたいのが、その土地の食べ物です。どんなものがありましたか?
愛場:
最近ではオランダのコロッケでしょうか。オランダってコロッケ発祥の地なんですよ。僕はロケで初めて知りました。アツアツ、ホクホクのコロッケがファーストフード風に街の至る所で売られていました。
ビールにも合うんですよ、これが……。

私はオルチア渓谷のパスタが忘れられません。トスカーナの農家の取材をしたときに食べた、手打ちうどんのようなピーチというパスタです。私はパスタ好きではないけど、これはおいしいかったです。普通パスタは小麦粉と卵と水を混ぜるが、ピーチは小麦粉と水だけ。弾力のある太麺を、イノシシのソースと混ぜて農家の庭先で食べる。雰囲気も味に加味されますよね。
石渡:
私は、食べ物がおいしかったという記憶はあまりないなあ(笑)。ロシアでボルシチがうまかったとかノルウェーで海産物がうまかったとかですね。
小澤:
土地の料理とは真逆なんですが、日本食って結構色んなところで流行っていて、どこにでもあるんです。そこの日本食がどれだけインチキなのかを試したくなるんですよ(笑)。ハイチにもメキシコにも日本料理屋はありました。コスタリカにもあって、にぎり寿司を頼んだら、握っている人はアジア系で、日本の職人かな、と思って話しかけたらフィリピン人でした。

Q:日本料理比べはおもしろそうですね。一番でたらめだったのはどこの日本食でしたか?
小澤:
ロシア。マグロって言われて出された魚が白い身だった。脂がのっていて美味しかったけど(笑)。ところによっては日本食をすごい勘違いして作るから、とてもじゃないけど食えないものもありますよね。
石渡:
チベットのラサでカツ丼を頼んだら、どんぶりにスープが入っていて、お茶漬けみたいになっていました。「これはカツ丼とは呼ばない」と言っても、カツ丼だと言い張るんです。よく見たら、カツをみじん切りにしたものが入っているんですよ(笑)。
尾賀:
逆に、ブタペストで行った日本料理屋は、なかなか研究熱心でした。ハンガリーにはマンガリツァという国宝に指定される豚があるのですが、それを生姜焼きとかトンカツに使っていて非常においしいのです。そういう現地の食材をアレンジして日本食に使うとおもしろいですよね。
石渡:
フィリピンの日本食レストランで「刺身ないの?」と聞いたら「新鮮なマグロを刺身にして出す」と言うので「どんなマグロか見せてくれ」と頼んだんです。そしたら「新鮮だ新鮮だ」の一点張り。しつこく「見せてくれ」と言って持ってこさせたら、案の定どす黒い身だったので遠慮しておきました(笑)。世界中の日本食を集めてランキングにしたらおもしろそうです。アテネで食べたのはちゃんとした和食でした。ローマやアテネなどは日本人が多いし。あとパリもレベル高いですね。
尾賀:
日本食だけで特別番組が作れそうです(笑)。