特集
Q:これから放送予定の世界遺産とその見所を教えてください。

尾賀:
「スイス・アルプスのユングフラウとアレッチ」ですが、スイスアルプスの氷河の今を紹介します。アレッチ氷河はヨーロッパ最大の氷河。その氷河の中にいる小さな生命の営みに迫ろうと思っています。またアルプス山脈がなぜできたのか、地層と氷河の痕跡を元に途方もない長い年月をさかのぼりひもといてゆきます。
(2011年10月16日放送予定)
小澤:
撮影してほぼ編集ができているのがマダガスカルの「チンギ ド べマラハ厳正自然保護区」。これはなかなかおもしろいと思います。「チンギ」は「針のような」という意味で尖った岩が立ち並ぶ風景は圧巻です。途中でマダガスカル固有の猿など、動物も出てきておもしろい映像になっています。
(2011年10月2日放送予定)
石渡:
いま編集の仕上げ中なのがギリシャの「ミケーネ」。この世界遺産の見どころは、黄金文明です。ギリシャ人が作った、ヨーロッパ最古の文明で、シュリーマンがトロイ遺跡発見のあとに発掘しました。シェリーマンが発掘した黄金のマスクが有名で、番組でも一番の目玉となる予定です。
愛場:
編集が終わって放送日待ちなのが、世界最大の湿地帯といわれる、南米パンタナールです。1年の半分が乾季と雨季に分かれていて風景がガラリと一変します。番組ではパンタナールの1年を追いかけ、自然のサイクルの中で、どのように変化するかを描きます。世界でもこんな場所は2つとないと思います。
(2011年9月25日放送予定)
Q:最後に、今後の番組にかける意気込みをお願いします。
愛場:
番組を見て、実際に世界遺産へ旅行に行かれる視聴者の方々も多いと思います。その国に行ってみたい、と思っていただけるような番組づくりを心がけたいです。そのために、自分も一人の旅人として感じる魅力を、しっかりとお伝えできるようにしたいと思っています。
尾賀:
「THE世界遺産」も長く続いてきたので、有名な世界遺産はかなりの数を紹介し終わっている状態です。その中で知られざる世界遺産を私たちがいかに魅力的に紹介できるか、をいつも意識しています。
小澤:
視聴者の皆さんも有名な世界遺産は見飽きているかなと思うので、見たことのない場所を紹介していきたいですね。自分でも行ったことのないところに行くのが好きなので、新しく登録されたところとか、ほかの番組で扱ってないところなどを、視聴者の皆さんが一緒に行ったかのように紹介できればいいなと考えています。
石渡:
今年の世界遺産委員会で、「平泉-浄土を表す建築・庭園」と「小笠原諸島」が登録されたことをきっかけに、皆さんが世界遺産に興味を持ってもらえる機会が増えました。来年(2012年)は、世界遺産条約の採択40周年。それを記念する世界遺産特別総会が日本で行われることになりました。それによって、世界遺産がまた少し身近に感じられることになると思いますね。
尾賀:
番組がTwitter(@heritage_TBS)を始めました。制作スタッフの生の情報や裏話がつぶやかれますのでぜひフォローしてみてください。そんな情報を読みつつ番組を見るとまた違った面白さがあると思います。世界遺産に目を向けるきっかけになれば嬉しいですね。