vol.15
2011.06.08
橋本です。
第9話もご覧いただき、ありがとうございました。
お分かりになった方も多いと思いますが、
前回書いた「ある仕掛け」とは、
「ハンチョウが神南署から一歩も出ない」
でした。
なーんだ、そんなことかっ!
と思った方もいるかも知れません。
シンプルな答えですいません!
でも、私たちスタッフにとっては、結構冒険でした。
だって、「ハンチョウ」シリーズが始まって、
第9話が47作目だったのですが、
これまでの46本はすべて、ハンチョウが最前線に出て、
捜査したり、犯人と格闘したりしていました。
「ハンチョウ」というドラマの幅を広げるためにも、
「ハンチョウが現場に出ない回」を、
シリーズ4の間になんとか作れないか。
それが、このシリーズを始める時に私たちが掲げた課題でした。
9話の脚本を担当した大川俊道さんは、
「太陽にほえろ!」の脚本も書いていた方で、
何度か打ち合わせを重ねるうちに、
「じゃあ、一度『太陽にほえろ!』形式のストーリーにチャレンジしてみますか!」
ということになり、新人刑事の成長をボスが署内で見守る、
という今回のお話に挑戦することになったのです。
「革命的なある仕掛け」などと大袈裟な表現をしてしまったために、
皆さまの頭を悩ましてしまったことは、お詫び申し上げます。
すいませんでした。
でも、ほんとに私たちにとっては革命的な冒険だったんです。
46本かけてこれまで築き上げてきたスタイルを全部ぶっ壊して、
まったく新しいことにチャレンジする・・・・・・。
それは、いままで支持してくれていた人たちを、
大きく裏切ることになるかもしれない・・・・・・。
そのリスクを冒してまで、トライすべきなのか・・・・・・。
蔵之介さんも含め、みんなで悩みましたが、
「何もやらないで後悔するより、やって失敗する方がいい。
何もやらないことは、失敗するより失敗だ」
と意見がまとまり、挑戦することに決めました。
結果として、第9話は、
「面白かったです!」という声をたくさんいただくことができ、
本当に本当に、ホッとしております。
最後まで見ていただいた皆さま、
本当にありがとうございました。
と、ホッとするのも、つかの間、
来週からの、10話・11話・12話と続く3本も、
私たちにとっては、かなりのチャレンジです。
シリーズ4の最終章の前編・中編・後編ということになります。
最終章前編となる第10話は、
今野先生の「警視庁神南署」(ハルキ文庫)を原作にしたお話。
ものすごくいろいろな要素が詰まった作品で、
ずっと映像化したいと思っていたのですが、
今回のチャレンジでやっと実現することができました。
村雨さんがメインになる回です。
ゲストは、木ノ本嶺浩くん。
あの、仮面ライダーアクセルですね。
僕は、第10話の村雨さんと木ノ本くんのシーンが大好きです。
もう、何回見たことか。
第10話のサブタイトルは、
「最終章前編!ついに殉職者が…凶弾に散る」。
実は、今回のシリーズでの私たちの最大のチャレンジとは、
「レギュラーメンバーの誰かが殉職する」
ということでした。
これに関しては、
去年の夏からずーっと、ずーーっと、激論を続けてきて、
賛否両論入り乱れ、議論百出した結果、
「何もやらないで後悔するより、やって失敗する方がいい」
と決断しました。
これからの3本、
本当にどう展開するか、予断を許しません。
先日の試写会では、
関係者の間からでさえ、
「ええーっ!」
という驚愕の声が上がりました。
「正義の代償」というメインテーマの意味が、
次第に明らかになっていく最終章3部作。
まずは、その前編、第10話を楽しみにお待ちください。