建物は1817年に野火で消失してしまったため、1819年に規模を縮小して復元されたのが現在の建物。茅葺(かやぶき)屋根のシンプルで落ち着いた造りで、柱の釘隠しには金銀細工ではなく、素朴な貝がらが使われている。
書斎の格子の丸窓からは梅の木が眺められ、庭には豊富な種類の薬草が植えられている。
通用門(裏門)が表門よりも造りが立派なのは、通用門を使用する近所の人たちや家臣を大事にする光圀の思いやりのようだ。
ご前田(ぜんだ)は光圀が自ら耕した水田で、一領民である証として年貢米も納めていたという。
さらに、助さんのモデルとなった佐々介三郎宗淳(さっさすけさぶろうむねきよ)の住居跡もある。
広い敷地は手入れが行き届いていて、案内板もわかりやすい。四季折々の自然に触れながらの散策は心が洗われるようだ。
ドラマで、毎シリーズの第1話、旅立つ前のご老公のシーンで登場するのが、この西山荘に見立てたセットである。