吉田羊さん:インタビュー|金曜ドラマ『コウノドリ』

金曜よる10時〜放送« HOME

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原作「コウノドリ」を読んでご自身が感じたこと
先ず感じたことは「ドラマ化出来るのかな?」と正直思いました。
妊娠・出産に関するドラマは、往々にして幸せで平和なお産を描いているものが多いなか、漫画「コウノドリ」で描かれるのはむしろ試練を伴うお産がエピソードとして多く、それを忠実に再現した場合、漫画と違ってドラマは生身の人間が演じることでリアルさが増しますから、視聴者に過剰反応されてしまうのではないかと。でも、これを原作のまま描かないとドラマ化する意味がないとも思いました。出来上がったドラマ台本を読むと、原作に忠実で、明るいお産だけじゃなく、悲しいお産にも正面から向き合って描かれている台本になっていました。やはり賛否両論あるだろうなと思いましたが、賛でも否でもいいので、このドラマをきっかけに妊娠・出産について考えるきっかけになっていただければいいですよね。
原作を読んでいない方はで、このドラマで初めて知ることが多いという方もおられるのではないでしょうか。私自身、周産期医療という言葉など、この物語に出会って初めて知ることが多かった。まずは知ってもらうということを提供する…という意味で、このドラマの意義はおおいにあると思っています。
小松留美子を演じて…

非常に楽しいです。シリアスになりがちなお話の中で、数少ないお茶目なキャラクターですし、とにかくこの人は人間愛とも言える愛情に満ちた人。相手が妊婦さんであろうが仲間だろうが関係なく自分の人生で出会う人を愛している人。聖母のようですね。このドラマの中の母親的な役割なのかなと思っています。観ている方々にも、重たいシーンの連続の中に小松さんが出てきて、ふっと力が抜けたり、ほっとすると思っていただけると嬉しいなと思っています。私自身も原作の小松留美子というキャラクターが一番好きでした。漫画でもそのような役割を彼女が担っていたので、ドラマでも忠実に表現したいなと思っていました。
私、ブログをやっているのですが、そこでコウノドリのドラマが始まってから、今までいらしたことがなかった、妊婦さんや経産婦さんたちがコメントをしてくださるようになったんです。皆さん「やっと話が出来る場所が出来た」とばかりに、詳しく出産のことや、なかには流産を経験されている方、妊娠出産に関してポジティブな方から後ろ向きな方も、止まっていらっしゃる方もそれぞれの立場でたくさんの言葉を残してくださるので、このドラマをきっかけにちゃんと皆さんが考えてくださっているんだなと実感しました。「(ドラマを観て)助産師になりたいと思いました!」という意見も多いんですよ。「小松さんみたいな助産師さんよくいます!」と言ってくださる方も多いですね。それに関しては、医療リハーサルでお世話になっている柳村先生が、逐一「このときはこう声をかけます。こういうタイミングでこう息を吐きます」と詳しく指導してくださるので、それの賜物…と感謝しています。
小松さんを観て、間接的にも妊娠出産に興味を持っていただけるというのは…日本の少子化対策に少なからず貢献できているのかなと思っています(笑)
出産シーンの撮影、赤ちゃんとの共演
今までで一番若い子で、生まれて8日目の赤ちゃんがいました。
お人形さんでリハーサルを重ねても、本物の赤ちゃんには適わない…だけど赤ちゃんを取り上げるシーンのリハーサルでは、お人形でさえも不思議と母性が生まれてくるんです(笑)。
「本当の赤ちゃんはいりまーす!(大声)」とスタッフさんから声がかかって、そうして本番直前に赤ちゃんが登場すると「はい、ほんばーん(小声)」といつも大きい声を出しているスタッフさんたちが密やかになったり、スタジオの照明をちょっと落としてみたり、赤ちゃんのために皆が力を尽くして、そのシーンを成立させようとしている雰囲気がとにかくあたたかくて…泣きそうになるんです。そして、生まれてくる赤ちゃんを取り上げるシーンで、本当の赤ちゃんを抱いたとき、お人形さんにはなかった体温を感じて、「あ、この子にはちゃんと血が通っているんだ。この子にはたくさんの未来が待っているんだ」と思うと、またそれでぐっときちゃって…(泣)。赤ちゃんが持つパワーに、皆が癒されつつ、元気をもらっています。
毎週必ず登場する出産シーン。それがカイザー(帝王切開)であろうと、普通の分娩であろうと同じお産であるとサクラは説きます。その言葉通り、ドラマの中のお芝居ですが、赤ちゃんが産声を上げる瞬間は無条件に、そこにいるメンバー全員が幸福に包まれ、その子の幸せを心の底から願うのです。だからこそ、出産シーンはなるべく嘘にならないようにリハーサルを重ねてつくっています。そこはこのドラマの醍醐味のひとつとしてぜひ楽しみに観ていただきたいですし、何よりも…赤ちゃんに心洗われていただきたいです。
共演者のみなさんの印象
源ちゃん(星野源さん)が、私のことを「実は根暗だと思うんです。家で体育座りしている」なんて言っていて…私、根は暗いので、なんで知っているんだろう?と思ったんですが…でもそれは源ちゃんもまた同じ根暗だからこそ、同じ匂いがしたんだと思うんですよね(笑)。(星野さんの)インタビューで私のことをカミングアウトされたので、私も源ちゃんのエピソードをお話したいと思います。源ちゃんは、とにかく優しくて気遣いの人。今回は四宮を演じる上で表情を出さなかったり、人と関わらないので、ご本人的にはすごくしんどいと思います。彼はすごく楽しいこと大好きな方なので。皆が楽しそうにしているときも、参加したいけど「四宮だからちょっと…」と距離を取っていることも多いです。けれど、皆の中に入りたいけど入れない苦しさが、また四宮先生として源ちゃんに滲んでいるような気がします。そういうのを含め、ちゃんと役作りをされている方ですよね。でも…お茶目なところは隠し切れていないんですよ!四宮と小松で台詞を掛け合って、四宮先生が去った先を見つめて私が何か呟く…というシーンで、四宮先生はとっくに小松の視界から消えているはずなのに、途中からぱっと止まって、くるっと振り返って、私をじっと見てくるんです(笑)。カメラには私しか映っていないから、四宮が何をしているかはわからないし…「芝居続けてるからやめて!」という気持ちになりますよね(笑)。今後、四宮先生がペルソナの皆とサクラに影響されて変わっていくのか変わっていかないのか…というところも見所ですね。
とにかく共演者のみなさん本当に素敵な方ばかり。綾野剛さんは、撮影が始まってすぐに「気持ち悪いことはその場で言いましょう。遠慮は絶対にしないでください」とおっしゃってくださいました。皆それぞれ現場できちんと自分の感情、意見を持ち込むことで精神衛生上健康的な現場になっています。出し合った結果、お芝居が変わっていくのが実感出来ますし、作品全体が底上げされていくのも感じます。座長である綾野さんが率先してやってくださるので、周りの私たちも安心できますし、それを皆で言い合うことをすごく楽しみにしている、お芝居が大好きな座長さんですから「それいいねやってみよう!」とおっしゃってくださって…。そういう座長の元でお芝居が出来ることは贅沢なこと。とにかく今はお芝居することが楽しいです。
撮影現場では、まずは言葉(意見)を発して、それを共有して、検討して、結果を出す!私たちの撮影におけるチーム感は、周産期医療のペルソナでのお芝居にも反映されているのではないでしょうか。
今後のみどころ…最後にメッセージをお願いします

6話には2話以来の登場、小栗旬さん演じる永井浩之さんがご出演されます。この永井さんのお産が終わったあとのエピソードは原作では描かれていないんです。これこそドラマならではの醍醐味だと思いませんか?私は一読者として永井さんのお話を読んだとき「永井さんその後どうなったのかな」と思ったんです。男性一人で子どもを抱えて生きていくことはそう簡単ではないですから。どう生きているんだろう…と思ったことがまさにドラマで描かれることになって「やった!」と思いましたし、それをまた小栗さんが本当に素敵に演じてくださる予感がします。原作の映像化ではありますが、サイドストーリーのような、もうひとつのコウノドリとして6話以降は楽しんでいただけるのではないかなと思っています。

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