綾野剛さん:インタビュー|金曜ドラマ『コウノドリ』

金曜よる10時〜放送« HOME

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はじめて台本を読んだときの感想を教えてください
以前『八重の桜』でご一緒した山本むつみさんが脚本を書かれているのですが、ただ難しい医療用語だけを使っている医療ドラマよりも人物に重点を置いて描かれた台本になっていました。さらにキャストの皆さんを想像しながら読み進めていくと、見事に「役者が揃ったな」という座組だと感じました。誰かひとりが飛びぬけているわけではなく、一丸になることが出来る台本になっていますし、キャストたちになっています。支え合いだと想起させてくれる台本だったので、これからの台本の出来上がりも楽しみです。
過去を描くことがメインのドラマではないですが、原作にはないサクラの過去も少しずつ描かれていきます。セカンドストーリーも楽しめる脚本になっています。
原作『コウノドリ』を読んでいかがでしたか?

原作の鈴ノ木ユウ先生が描いている絵が、すごく好きです。産まれてくる赤ちゃんや苦悩する家族たちをあのタッチがどんどん包み込んでいるんです。包み込んでくれる漫画は、今まであまり読んだことがなかったので、自分も体温があがっていきました。読んでいると苦しいシーンも多く出てきます。漫画と言っても、現在進行形で起こっている出来事を辛らつに描いているので、漫画を読んで思い出したくないことを思い出す方もいると思いますし、喜びを思い出していただけることもあると思います。この漫画は読む人をちゃんと包み込んでくれる漫画になっています。そして、原作を読んでいくうちに、僕自身も妊婦さんはもちろんご家族を始め、たくさんの人に産婦人科で起こっている様々な出来事を届けたいという思いがまっすぐにきました。その中で脚本家の山本むつみさんが、原作をもとにさらに人間模様を深く、医療だけを描くのではなくそこに関わっているご家族の皆さま、お母さんと赤ちゃんそして僕たち、それぞれの人物をきちんと描く作品にしてくださっていたので、僕自身もちゃんと寄り添っていかないといけない作品だと改めて思いました。
鴻鳥サクラの髪型について
持論ですが、原作の映像化を今までにやらせていただいて思うのは、表情やルックスを完璧に再現できるか…という点は致し方ないと思いますが、髪形やその人から滲み出る思想感は、原作からチョイスして取り入れていっていいのではないでしょうか。原作でも髪型が特徴ですし、それでも原作に寄せられないのであれば、お受けすることさえも考えるべきだと思っています。寄せることが鈴ノ木先生と原作ファンの皆さんに対しての敬意。大事に思わなければならないから、この「コウノドリ」のお話をいただいてから、髪型をつくり上げるにあたって準備をしてきました。それが原作のファンの皆さんから見て納得のいく髪型で、忠実に再現出来ているのか、正直今はわからないけれど「綾野剛は寄り添おうとしている」と思っていただけると嬉しいです。
産科医・鴻鳥サクラを演じるうえでの事前準備は?
鴻鳥サクラのモデルになった先生がいらっしゃる病院に行かせてもらいましたし、神奈川県のこども医療センターにも行かせていただきました。まず、現場をきちんと見る。見つめるという作業を単純にさせていただきました。
産婦人科はどこか温かかったです。病院なのに。それはやはり産まれてくる赤ちゃんにみんなが心から「おめでとう」と唯一言える場所だということもあるのでしょうか。また、新生児科のスタッフの皆さんは、それぞれがお父さんでありお母さんでした。そういった雰囲気は非常に勉強になりました。
出産において“安産”というのは結果論であって、安産にするために必要なことをきちんと伝えていかなければいけない。自然分娩が出来なくて、帝王切開が必要になったとき、どう母体と赤ちゃんをケアしながら確かな命を守るためにどうするべきか…病院研修へ行った現場で実際に見させていただいたり、映像を見させていただいて非常に強く体感しました。
ジャズピアニスト・BABYに関して事前準備は?

ピアノはまったくの素人なので、指導をしてくださっている清塚信也さんに素直に従って、勉強しながらやっています。やはり家でも練習をしたいですし、弾きたいときに弾かないと意味がないので今年の頭にピアノを用意しました。清塚くんには、優しくときにスパルタに…ツンデレで教えていただいています(笑)。清塚くんがいなかったら、ここまでやりきることが出来なかったと思いますし、感謝はもちろんですが尊敬しています。先生という立場としても、同い年の友人としても、天才と呼ばれている人にここまで教えていただいて、BABYの曲を僕と同じように役作りしながら作曲してくださっている。本当に一緒にBABYをつくっているんです。清塚くんと2人でつくっているという意識が強く、彼無しでBABYはつくれないと思っています。
現場でも時間があればいつもピアノに向き合っていると伺いました
努力が一番近道なので、とにかくやるしかないです。いいものを残したいですし、視聴者の皆さまにも「BABYって素敵だね。楽曲も素晴らしいね」と体感していただくことが大切だと思っています。いかにも漫画やドラマにありがちな奇をてらったような、単純にお医者さんがジャズピアニストをやっているというのではなく、鴻鳥サクラにとってBABYはすごく大事な感情のひとつなので、やりきることが必要です。
鴻鳥サクラという人物は、産科の現場ではフラットに患者さんと接することをモットーにしています。それは彼の優しさからくるところもあるし、彼が抱えている過去からくるところもある。患者さんの前では自分の感情を出さないけれど、助けられる命、助けられなかった命を十分に受け止めながらピアノを弾いて、その瞬間に笑顔が出るときもあれば、涙が出るときもあれば、怒りが出るときもある。患者さんの前で感情を出さない分、ピアノを弾くことが彼の感情表現なんです。
今は清塚くんと一緒に皆さまのもとに心が届くようなBABYをつくっています。
赤ちゃんとの共演初日を終えて─
やはり赤ちゃんは色んなことに敏感で、且つ僕たち大人が流動的になっているものをすごく純粋に察知するのできちんと赤ちゃんに寄り添わなければいけないという意識が出てきます。僕もそうですが、各部署のスタッフもそうだったからこそ、今日、最後まで無事に赤ちゃんとのシーンの初日を撮り終えることが出来たのではないかなと思っています。赤ちゃんに助けられた初日でした。
最後にメッセージをお願いします

今、現在進行形で起こっていることをテーマにした作品です。非常に難しい手術もあります。でもそればかりになってしまうことが全てではありません。母体も無事で赤ちゃんも無事で産まれてくることの可能性を僕たちは見つめ続けないといけない。
視聴者の皆さまには、この作品を通して感じていただくとか、何か伝えたいということよりも、僕たちはきちんとお届けしたいです。“こういう現状”があるということを。確かに僕たちがつくっているドラマは、フィクションではありますが、その内部で起こっていることはノンフィクションなので、皆さまの参考に少しにでもなればいいな…という思いも含め、そして世の中の産科医が1人でも増えるということを願いながら、このドラマが持っている力、そして命の尊さ、出産という奇跡の連続をきちんとお届けできるようにと思っております。

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