現場レポート

『この世界の片隅に』×写真家・濱田英明  敢えてフィルム撮影した写真をSNSへ

2018.7.11

日曜劇場『この世界の片隅に』のインスタグラム・アカウントで、写真家・濱田英明氏とのコラボレーションが決定
濱田氏は広告・雑誌などで幅広く活躍しており、インスタグラム・アカウント(@hamadahideaki)には30万人のフォロワーがいる実力派。 持ち味である「自然な表情を引き出し、明るく優しい日常を切り取る」力が本作で描く“この世界の片隅で懸命に生きる普通の人たち”をリアルに映し出すのに適していることから、今回のコラボレーションが決定しました。また、時代設定やドラマの世界観を表現するために、デジタルカメラ全盛のこの時代に敢えてフィルムカメラで撮影するこだわりよう。同氏は番組ポスター写真も撮影しており、その際もフィルムでの撮影を敢行しました。

写真

↑こちらは、公式サイトトップで使用している画像含め、濱田氏のスチールによって構成された4連ポスター。
今後投稿されるインスタグラムの写真にもご注目ください!

【濱田英明氏 コメント】
私の祖父は原作にも登場する駆逐艦「雪風」の乗組員でした。もしかしたら祖父は呉の街ですずさんや周作さんとすれ違っていたかもしれない・・・以前からそうやって原作に親近感を抱いていました。なので今回の お話をいただいたときはほんとうに驚きました。そして「絶対にご縁に違いない!」と感じ、参加するに 至りました。
本作のポスター撮影で大切にしていたのは、懸命に生きる名もなき人たちの姿をどう写すかということでした。そこで、松本穂香さんと松坂桃李さんに「そのままの姿をそっと見守るように撮影します」とお伝えしました。お二人とも原作に対する深い理解と愛情がありすでに世界観に馴染んていたので、私はありのまま の姿を撮ることに徹することができました。
ポスターの撮影はクランクイン直後に行ったのですが、それから2ヶ月ほど経ってからSNS用の撮影もさせていただきました。2人の関係はそのときよりもさらに深化していて自然とシャッターの回数も増えました。原作でもそうなのですが、すずさんと周作さん夫婦にはちょっとぎこちないところがあって、その雰囲 気まで再現されているのに素直に驚きました。
ドラマは映像表現です。カメラや役者の動きがあって展開していきます。その一方で、写真は静止の表現です。音も時間の流れもありません。だからこそ、ポスターや写真を見た方にそれを感じていただき、物語のイメージを膨らませたり立体的、多面的に捉えていただくお手伝いができればいいなと思っています。祖父を乗せた「雪風」は、終戦後まで生き残った数少ない船でした。だからこそ今の私が存在しているのかと思うとこの巡り合わせが不思議でなりません。

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