特集

2023年8月27日放送「ローヌ川でめぐる4つの世界遺産」

地中海へ至る川の流れとその絶景の数々

ローヌ川の旅は、アヴィニョン、アルルへと続きます。そしてカマルグの湿地帯を経て最後に地中海へと流れ込むのです。

──リヨン、オランジュと下ってきました。次の世界遺産はどこでしょうか?

新宅:次は「アヴィニョン歴史地区」です。世界遺産に登録された主な理由は、この街にある教皇宮殿が挙げられます。14世紀に教皇庁がローマから移されたことで建てられた、ヨーロッパで現存する最大級の中世ゴシック様式建築物です。またこの街では、12世紀に作られた「サン・ベネゼ橋」も注目です。この橋は、日本でも歌われるフランス民謡「アヴィニョンの橋で」で知られています。

──「アヴィニョンの橋で、踊るよ、踊るよ」という歌詞の歌ですね。音楽の授業で習った記憶があります。

新宅:実際のサン・ベネゼ橋は、過去に何度かあった洪水の被害で壊れて橋が途中までしかないのですが、人気の観光スポットです。撮影の際に、観光客と思われる人たちがこの橋の上で踊っていて世界的に知られている歌なのだと実感しました。

14世紀に教皇庁が置かれていた街、アヴィニョン。民謡で有名なサン・ベネゼ橋も人気の観光スポットです。

──アヴィニョンに行ったら橋の上で踊ってみたくなる気持ち、わかります。最後の世界遺産、アルルはどのような街なのでしょうか?

新宅:アルルはローヌ川の河口近くにある街です。ローマ時代から繁栄した街で、その遺跡が世界遺産「アルルのローマ遺跡」として登録されています。当時から交易が盛んだったようで、古代ローマの木造船が遺跡近くの川底から2004年に発見されました。

──リヨンもそうでしたが、アルルも昔からローヌ川交易の重要な拠点だったのですね。

新宅:はい。アルルでは遺跡のほかに、ローヌ川を描いた絵画を紹介します。この街を愛した画家・ゴッホはアルルの風景画を数多く描いています。そんな絵の1つが「ローヌ川の星月夜」です。ゴッホも見たであろうローヌ川岸の景色をタイムラプス撮影で収めてきましたのでご覧ください。

ローマ時代から交易の拠点として栄えたアルル。この街を愛した画家・ゴッホはローヌ川沿いの印象的な風景を描きました。

──ゴッホの絵になぞらえた映像とは楽しみです。

新宅:番組の最後には、ローヌ川の河口付近に広がる湿地帯、カマルグの景色をお見せします。カマルグは温暖な地中海性気候で、アフリカから飛来してきたフラミンゴの姿が見られます。
今回の取材は、冷たい風が吹く氷河から暖かい湿地帯まで移動して、気候の変化の大きさに驚きました。ローヌ川自体も、飛び越えられそうな細い流れだった上流から広大な湿地帯の河口まで様子が変わっていきます。また、それぞれのシーンは古代ローマから中世、さらに近代まで幅広い時代を切り口にして取材しました。時空を超えたローヌ川の旅をお楽しみください。

源流から河口に至るまでローヌ川沿いのさまざまな絶景をお届けする番組。まるで南仏を旅しているようなひと時をお楽しみください。

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