特集

2022年8月21日放送「セレンゲティ国立公園」

平原だけでないセレンゲティの地形

どこまでも広がる平原のイメージが強いサバンナですが、セレンゲティでは川や岩山など、さまざまな景色が見られます。

──ほかにはどのようなセレンゲティ国立公園の映像が見られますか?

小澤:「セレンゲティ」とは、先住民マサイの言葉で「果てしない草原」という意味で、確かにセレンゲティ国立公園には大草原が広がっています。しかし実は草原だけではなく、さまざまな景色が見られるのです。番組では、そうした平原以外のセレンゲティをお見せします。

──草原以外とはどのような場所ですか?

小澤:ヌーの移動の話でも出てきましたが、サバンナには川がいくつも流れています。そうした水が豊富な場所に住んでいるのがカバです。カバは皮膚が弱く、日差しや乾燥を避けるため昼間は水に浸かっています。でも乾季が始まると水位が下がり、狭くなった川に集まってしまいます。その様子はまるで“おしくらまんじゅう”のようです。

川の中で “おしくらまんじゅう”状態のカバ。川の水が減ってカバの全身が水に浸かる場所が限られてくると、このように密集するのです。

──“おしくらまんじゅうしているカバ”を見るのが楽しみです。ほかにはどんな場所があるのでしょうか?

小澤:平原のところどころにコピエという花崗岩の岩山があります。セレンゲティの地下には花崗岩の層があり、コピエはその岩が平原に突き出したものです。大きなものだと高さが30mほどあります。その周囲には植物が生い茂っていて、草食動物が餌となる草や木の実を求めてやってきます。さらに、ライオンが岩の上から獲物を探すなど、コピエには動物が集まってくるのです。

平原に突き出た、「コピエ」と呼ばれる岩山。周囲には植物が生い茂り、草食動物や肉食動物が集まってくる場所です。

──そんな大きな岩山がサバンナにあるとは意外です。動物たちはそうした地形に適応して暮らしているのですね。

小澤:肉食動物には「獲物を探すために少しでも高いところに登る」という習性があります。車で移動中に草原で出会ったチーターを撮影していたとき、車のスペアタイヤの上に一匹のチーターが飛び乗ってきたのです。

──え!? 車の窓などは閉まっていたのですか?

小澤:いえ、もともと窓どころか、サバンナを走るサファリカーには屋根もありません。なので、ジャンプすれば車内に入ってきてしまいます。緊張が走ったそうですが、しばらくすると去って行きました。

──そうでしたか。何事もなくてよかったですね。

小澤:チーターが狩りでトムソンガゼルを猛スピードで追いかける様子もお見せします。狩りの際、チーターの最高速度は時速100km以上に達するのです。

少しでも高い場所に登る習性のため、車に飛び乗ってきたチーター。狩りでは時速100㎞で走ります。

──迫力の映像を見られそうで放送が楽しみです。最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

小澤:ほかにも、ヌーの子どもが誕生する瞬間や、食事をする親子ゾウの様子など、セレンゲティ国立公園のさまざまな環境で生きる動物をたっぷりお見せします。サバンナの生命のつながりを感じていただけたらと思います。限られた期間での撮影だったのですが、現地をよく知るスタッフのおかげで野生動物の貴重な映像が目白押しですので、ぜひお楽しみください。

サバンナの素晴らしい絶景や野生動物の貴重な映像をたっぷりお届けしますので、お楽しみください!

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