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2021年10月3日 放送25周年スペシャル 4K8K特別編「高野山の四季」

高精細カメラで捉えた天空の聖地・高野山の四季

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる3つの聖地の1つ、高野山。高野山の様々なシーンを、去年の秋から今年の夏まで長期にわたって最新の高精細4K・8Kカメラで撮影してきた田口ディレクターにお話を聞きました。

紅葉から雪景色、桜まで高野山の四季の絶景

1200年前に空海が開き、天空の宗教都市となった高野山。その四季の景色をお楽しみください。

──歴史の授業でも習った有名な高野山ですが、実際にはどんな場所なのでしょうか?

田口ディレクター(以下、田口):高野山というのは、山の名前ではなく、和歌山県北部にある標高1000m級の山々とそれらに囲まれた盆地のことを指し、一帯が金剛峯寺という1つのお寺の境内地となっています。1200年前に弘法大師空海が開いた聖域です。その中には、117もの小さな寺院が点在している宗教都市です。番組では過去に、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として紹介したことがありますが、今回は高野山に絞ってその魅力をお届けします。2020年11月から四季を通じて高野山の姿を取材しました。また、すべての撮影を4Kおよび8Kのカメラで収録したというのも、今回の番組の特徴です。

和歌山県北部の標高1000m級の山中にある高野山。空海が1200年前に開き、大小の寺院や塔が立ち並ぶ宗教都市です。

──四季の高野山についてですが、どのような映像を撮影されたのでしょうか?

田口:放送では最初に、蛇腹路と呼ばれる紅葉の名所をお見せします。蛇腹路は、高野山の聖域の1つである壇上伽藍へ通じる道です。壇上伽藍は、空海が高野山を開いて最初に整備した場所で、高野山のシンボルともいえる根本大塔や総本堂である金堂などが並んでいます。

高野山の紅葉の名所、蛇腹路。高野山のシンボルともいえる根本大塔などが立つ壇上伽藍に通じる道です。

──非常に重要な聖域なのですね。実際に行ってみてどのような印象を受けましたか?

田口:観光地でもあるので特に紅葉の時期は訪れる人は多いのですが、撮影を行った早朝は静かで厳かな空間でした。この壇上伽藍は、さらに冬も撮影しました。

──冬の高野山は相当寒さが厳しそうですね。

田口:はい、山の上なので真冬は氷点下になります。雪が降ってくるとさすがに人影も少なく、静謐な世界が広がっています。雪の吹き荒ぶ中、真っ白になった塔やお堂の姿は本当に美しいのでぜひご覧ください。

雪景色の高野山。色彩がモノトーンになり、荘厳な美しさが際立ちます。

──秋、冬と来ました。春はどのような映像が見られるのでしょうか?

田口:子院の1つである清浄心院には、その咲き誇る姿から「傘桜」と呼ばれる山桜があります。樹齢500年とも言われる傘桜は、豊臣秀吉もその美しさに魅せられて歌を詠んだと言われている名木なのです。この桜が満開になるタイミングを狙って撮影しました。その甲斐あって見事な桜の花を映像に収めることができました。

──秀吉も魅せられたというのは歴史ある高野山ならではの話ですね。満開の桜の映像が楽しみです。

清浄心院に咲く「傘桜」。秀吉も魅せられたという桜が満開となった姿をお届けします。

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