放送内容
次回の世界遺産はインドネシア、バリ島の棚田と水利システムです。火山島という荒れた地に何故豊かな棚田を作ることができたのか。それは豊富な湧き水のおかげでした。さらにこの湧き水を島中に運んだのは、人の手によって作られた水路です。島に住む人々は神に祈り、自然の恵みに感謝し、そしてお互いに協力し合い、この棚田を広げ、後世に伝えてきたのです。
棚田を支える190kmの水路
バリ島の棚田では、豊富な水が水路によって効率よく運ばれてくる為、稲刈りと田植えが同時に行われるという珍しい光景を目にすることができます。バリ島に住む人々にとってこの水路は、棚田を潤すだけでなく、生活に欠かせない水を運ぶ役目もあります。
湧き水の秘密
島には至る所で水が湧いています。この湧き水の主な水源は島にある2つの大きな湖、バトゥール湖とタンブリンガン湖。火山島であるバリ島の地下には水を通しやすい溶結凝灰岩が堆積しており、湖に溜まった雨水が地面に染み込み、島中へ行き渡るのです。
水を分け合う棚田の守りびと
島に張り巡らされた水路の工事は、その水路の水を利用する人々が協力し合って行うのが決まり。水も平等に分配されます。田植えや稲刈りも助け合い、協力してもらった農家は食事やお茶を振る舞い、絆を大事にしています。