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2019年2月17日放送
紅河ハニ棚田の文化的景観

1200年土地を耕す

ハニ族が作った棚田は、およそ3000段。秋は村人総出で稲刈りです。刈った稲はその場で脱穀。女性たちが40キロのコメ袋を背負い、急勾配の畦道を登ります。山の上の村までは標高差500m、130階建てのビルに相当します。

水はどこから

世界最大の棚田には、自然の「循環システム」がありました。亜熱帯気候の雲南省。森が雨や霧を蓄え、やがて清水となって流れ出します。ハニ族はその水を利用して飲み水や生活用水に使い、使った水は用水路に流して、棚田に水を送るのです。

一番美しい瞬間

ハニ族の棚田は、一年中水が張ってあります。稲刈りが終わり、秋の作業が終わると、最も美しく輝く季節がやって来ます。夜明けとともに霧の中から現れる幻想的な光景。水を張った田んぼと畦が描き出す不思議な模様。まさに絶景です。

今回は特集「ヒトが作った絶景」です。番組内容の中心になる中国「紅河ハニ棚田の文化的景観」は、雲南省の山岳地に住む少数民族・ハニ族が1200年かけて作った世界最大の棚田です。稲穂が実り、棚田が黄金色に輝く秋は、まさに絶景!その他にも、イタリア「チンクエ・テッレ」の断崖のブドウ畑やオーストリア「ハルシュタット」の世界一美しい湖畔の町など、ヒトの知恵と技が生んだ絶景の数々を紹介します。