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2014年6月29日放送
富岡製糸場と絹産業遺産群

江戸から5年!巨大工場 現る

江戸時代が終わって僅か5年後、群馬に世界最大規模の工場が突如出現しました。
それが富岡製糸場です。その建設は国を挙げた一大事業でした。
フランスから新しい技術を取り入れ、シルクの大量生産を可能にしました。

シルクを量産した氷の穴

群馬の山奥に、シルクの量産に貢献した不思議な穴があります。
そこは、夏でも1℃の冷たい風が吹き出す氷の洞窟。
電気の無かった時代、その冷気を利用して蚕の卵を保存していました。
天然の冷蔵庫が、年に複数の養蚕を可能にしたのです。

世界を席巻した日本のシルク

良質な日本のシルクは世界で飛ぶように売れました。
その秘密探しにフランスに飛びました。
辿りついたのはパリの生物学研究所。1870年の報告書に「ヨーロッパの蚕は壊滅的だが、日本の蚕だけが健康である」と記されていたのです。

2014年、新たに世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。
繭から糸をつくる巨大な製糸工場をはじめ、蚕の卵の貯蔵施設、蚕の飼育技術を飛躍させた養蚕農家建築など、合計4つの施設からなります。
明治時代、群馬に花開いた絹産業は、日本の近代化を推し進めた原動力でした。
絹産業の過去と現在を比較しながら、世界を魅了した日本のシルクの秘密に迫ります。