放送アーカイブ
2012年8月19日放送
ヒトと食I 小麦が文明をつくった
テーベ(エジプト)
古代エジプトの貴族の墳墓「メンナの墓」に描かれた小麦の農耕の様子。
エジプト文明を支えたのはナイル川の氾濫を利用した小麦農耕でした。
ハットゥシャ(トルコ)
古代ヒッタイトの遺跡からは大量の小麦が見つかり、古代の文明が小麦の高い生産力を持ち貯蔵備蓄を行っていたことが判明しました。
ピラミッド地帯(エジプト)
建造に参加した労働者たちはパンを主食としていました。
ポンペイ(イタリア)
遺跡にはパン屋の跡が残り、炭化したパンも出土しました。
古代ローマのパンは、現在我々が食べているパンとほとんど変わらないものでした。
秦の始皇帝陵(中国)
“世界の驚異”兵馬俑と共に出土した石臼は、小麦食の証。
平遙古城(中国)
山西省は「麺のふるさと」。
黄土高原の城壁都市・平遙は明や清の時代をそのままに残す街。人々の暮らしの中に300種を超える麺食が伝わっています。
サンタマリア・デッレ・グラツィエ修道院(イタリア)
ダ・ヴィンチの名作「最後の晩餐」。
イエスはその時パンを自らの肉体に例え、パンはキリスト教で重要な存在に。
聖カタリナ修道院(エジプト)
修道士たちの手で焼かれるパンと聖なる儀式。
ナポリ(イタリア)
イタリアの小麦食=パスタ。
ナポリ近郊のグラニャーノは15世紀頃から乾燥パスタの生産が盛んでナポリはパスタを世界に広める窓となりました。
人類が農耕を始めたのは1万年以上前、小麦はその主要な作物でした。小麦は乾燥地に適しているため、乾いた大地に古代文明が生まれることとなりました。
メソポタミアでパンは生まれ、エジプトでは発酵させて膨らませたパンへと進化。文明発達の歩みはそのまま、人類と小麦との歴史でもありました。
原産地のトルコ・アナトリア高原から世界へ広がっていった小麦文化。中国では麺が、イタリアではパスタが、そして沢山の世界遺産を生み出してったのです。
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