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2010年1月24日放送
コナーラクの太陽神寺院

海沿いに建つ巨大な寺院

東インド・コナーラクという海沿いの小さな町がある。海岸から1kmの林の中に現れる巨大な建物。それが13世紀に造られた太陽神を祀る「太陽神寺院」である。
石造りの寺院はすでに半壊しているが、それでもなおそのスケールは人々を圧倒する。一番の特徴は壁と言う壁にびっしりと彫られた彫刻。そして7頭の馬(現在残るのは2頭)と寺院全体に24の車輪の彫刻が彫られ、太陽神が馬車に乗り天空を駆ける様子を表している。巨大な寺院の魅力を立体的に紹介するため、12メートルのクレーンをインドの映画クルーのオペレーションにより撮影した。
さらに、失われたという創建当時の塔をCGで再現した。

甦った踊り

寺院の前には拝殿のほかに舞楽殿も残っている。その壁面にある彫刻は、イギリス統治時代に廃れた「オリッシーダンス」の踊りのポーズを表したものである。
50年ほど前その踊りが太陽神寺院の彫刻を元に復活した。今回特別にオリッシーダンスを地元のダンサーたちに舞楽殿で踊ってもらった。
はるか昔、神に捧げられた踊りが同じ場所で再現された。

今も生きる信仰

コナーラクの海岸沿いには昔ながらの漁村がある。海は常に荒波が立っている。
彼らは木造の船で荒波を分け進み昔ながらの漁を続けている。彼らは家族ごとに週一度太陽神に捧げる儀式を行う。儀式の目的は、夫は魚が取れるように、そして妻は夫が漁から無事帰るようにということ。太陽神を祀った巨大な寺院は廃墟となっても、信仰は人々の間で今も変わることなく続いているのである。

東インド・コナーラク、ヒンドゥ教の太陽神「スーリヤ」を祀る太陽神寺院がある。
13世紀にこの地に栄えたガンガ朝の王が建てたこの寺院は7頭の馬で馬車を引く形になっている。それは天空を駆け巡り太陽の運行を司るスーリヤ神をイメージしたもの。
太陽神と人々の太古からの深い関わりを追う。そしてその壁に彫られた踊りの彫刻を元に復活した「オリッシーダンス」を今回特別に世界遺産の舞台で再現。
スーリヤ神に捧げられたという太古の踊りが甦る。

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