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2009年9月20日放送
ペタヤヴェシの古い教会

フィンランド中部の湖水地方。冬は湖も氷結してしまいますが、夏の白夜の季節はまさに「森と湖の王国」と呼ぶにふさわしい美しい風景です。

18世紀に建設された木造教会は、レッパネンという大工が作ったユニークなもの。説教台を飾る天使たちや聖人の姿から、ほのぼのとした温かさが漂います。

ペタヤヴェシの古い教会は、冬の間は閉ざされているが、夏の期間は、日曜ミサが行われる。そこに集う人々の日常は、民族楽器「カンテレ」を演奏し、フィンランドが発祥といわれる「サウナ」を楽しむゆとりある生活。日本と同様に高齢化社会を迎得ているフィンランドだが、人生を楽しむ姿は、魅力的に感じられる。

夏の白夜の季節は、今回取材したものですが、冬のシーンは、全て前回(2000年5月)放送の撮影素材を使用しています。
「サウナ」の取材の中で、おじいさんと2人の孫が、白樺の若枝を束ね、全身をたたく姿がありますが、この地方では、血行を良くし、若葉の香りにリラックス効果があるそうです。夏の白夜の季節に見られる、面白い光景です。
この木造教会の世界遺産登録理由は、その時代を代表する希少価値の高い建造物。天才芸術家が造ったものではなく、地元の大工が工夫を凝らして建て、そこに生きてきた人々が、大切に守ってきたものです。

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