放送アーカイブ

2008年4月20日放送
イスタンブール歴史地区

ビザンツ帝国、そしてオスマン帝国。1500年に渡り、二つの大帝国の都だったイスタンブール。都を維持するために、帝国の支配者達は遠くの水源から水を引き、力を注ぎ続けた。4世紀の水道橋や地下宮殿などの遺跡が、苦労を物語る。

オスマン帝国時代には水への執着を感じさせる遺跡が残る。トプカプ宮殿では贅沢のひとつとして、ハーレムの部屋に水が流された。イスラームでは「清潔は信仰の半分」という教えのため、町中に水場やトルコ式風呂が整備され、現在も使われている。

6世紀に建設されたアヤソフィア。15世紀に、オスマン帝国はキリスト教の教会だった建物に塔を建て、内部のイコンを漆喰で隠してモスクに転用した。その結果、漆喰壁に守られたモザイク画は見事。

ヨーロッパとアジアの狭間に位置するイスタンブールは立地に恵まれ、二つの大帝国が1500年以上にわたり首都を置いた。その歴史をアヤソフィアのモザイク画からも感じられる。しかし4世紀以降、街は水不足に悩まされた。水を遠方から引いた設備が今も残る。オスマン帝国時代では宗教上の理由からも水を必要とした。水を通して、イスタンブールと人の暮らしを見る。

  • (写真)
  • (写真)
  • (写真)
この地域の世界遺産リスト