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2008年4月27日放送
チチェン・イツァーの古代都市

聖なる泉「セノーテ」

メキシコ・ユカタン半島の森の中には岩盤が落ち込んで地下水が湧き出たセノーテと呼ばれる聖なる泉が数多くある。実はユカタン半島には大きな川が無いのです。それでもかつてこの地域に文明が生まれたのはこの聖なる泉、セノーテのおかげである。

ククルカンのピラミッド

チチェン・イッァを代表する建造物がククルカンのピラミッド。高さ30メートル、幅60メートルの巨大ピラミッド。ククルカンとは、豊穣の神である羽毛の生えたヘビの事。このピラミッドの北側面にの最下部にはこのククルカンの頭の彫像がある。春分の日に、このククルカンにある現象が起きる。それは古代マヤ人からのメッセージなのだ。

カラコル(天文台)

カラコルとは、スペイン語で巻き貝を意味する。かつて、この天文台は内部が螺旋状に成っていたことからこの名前が付けられた。この天文台でかつてのマヤ人は、月・太陽・金星の動きを隈無く観察していたのだ。やがてその観測データから高水準な天文学が生まれたのである。

マヤ文明は、ユカタン半島を中心に紀元前4世紀から高度な発展を遂げてきた。金属物を一切使わない巨大建造物。全貌が解明されていない独自の文字体系など、謎に満ちている。マヤ文明自体、環境の異なる広い範囲で栄えた。そのため、変化に富んだ多彩な文明が生まれたのだ。中でもここチチェン・イツァは10 世紀頃全盛を迎え、11世紀に衰退したマヤ文明を代表する国際都市であった。

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